90年代、各地で「シネコン」急増も 東京ではあまり増えなかったワケ
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立ち見客の消えた映画館
東京には多くの映画館がありますが、一部の名画座を除いて「昔ながら」の映画館を見かけなくなりました。
昔ながらとは、入り口で切符を買えば館内に一日中いられる映画館のこと。今では多くの映画館が各回入れ替え制のため、各回入れ替え制のため、立ち見客も見かけなくなりました。
その代わりに座席の事前予約がインターネットでできたり、かつては映画の中でしか見なかったようなアメリカっぽい大きなポップコーンを抱えて映画を楽しんだりすることができます。
日本初のシネコンは品川区から
現在の主流といえる「シネマコンプレックス(シネコン)」スタイルの映画館の歴史は意外に古く、1980年代からなのをご存じでしょうか。
最初にシネコンとして名乗りを上げたのは、現在も営業中の「キネカ大森」(品川区南大井)です。

この映画館は1984(昭和59)年の開館にあたって、「シネマコンプレックス日本初登場」を掲げました。
映画館のスクリーン数はわずか三つで、シネコンにしては少ないように感じますが、シネコンの「定義」自体が明確ではないため、最初に名乗ったキネカ大森が「日本初」といってよいでしょう。
快適さを売りにしたシネコン
多くの人がシネコンを意識し始めたのは、明確な定義よりも次のような「体験」によってです。
・座席を予約すれば、並ばなくても座って映画を見られる
・座席は足元は広く、前の人の座高が高くても気にならない
・コーラやポップコーンなどが売っている
1990年代半ば、怒濤(どとう)の勢いで増加したシネコンは、それまで映画館から足が遠のいていた人たちも動かします。

これまでの映画館は、いわゆるロードショー館でも椅子の座り心地があまりよくなく、また肘掛けは隣と共用で、争奪戦に。売店であんぱんと牛乳などを買って、前に座る人の頭にイライラしながら映画を見るところでした。
映画が終わったら、ゴミは座席の下に捨てて、エンドロールが流れているにもかかわらず退出していく人が多数だったのです。
映画館不況に差し込んだ光
このような状況ですから、映画館のスクリーン数は減少の一途をたどりました。レンタルビデオの普及で映画産業自体はもうかっているのにもかかわらず、映画館はまったくもうからないという状況が続いていました。
しかしシネコンの波がやってきたことで、1995(平成7)年にはそれまで33年にわたって減少が続いていたスクリーン数が増加に転じたのです。
東宝や松竹、外資系のワーナー・マイカル(現・イオンエンターテイメント株式会社)が事業参入。事業者側にとっては、大小複数のスクリーンを持つことで、人気に応じて作品を割り振れたことが大きなメリットとなりました。
本格的なシネコンの「上陸」は1993年、神奈川県海老名市にオープンした「ワーナー・マイカル・シネマズ海老名(現・イオンシネマ海老名)」です。

ここでは複数の映写機を同一ルームに設置して少ない人数で操作し、フィルムを別の映写機へとすぐに移動させることでほぼ同時に上映できる「インターロック」というシステムを導入しており、従来の映画館とはまったく違うものでした。
複数スクリーンで効率的に上映しているため、ぶらりと映画館に行けば、面白そうな映画を待たずに見られることが魅力となっていました。
シネコン化に出遅れた東京
しかしシネコンの進出は郊外や地方の大規模な商業施設に集中していたため、東京は出遅れていました。
東京の都心部はどのようになっていたかというと、従来の古い映画館や名画座が次第に姿を消していき、個性的な映画を上映するミニシアターが増加するという現象が起きていました。

そのため、シネコンが話題になっていた1990年代、東京の都心部ではとがった映画はたくさん上映されていたものの、話題作を見ようとすると地方よりも不便……ということも少なくありませんでした。
むしろ地方の実家に帰省した際、「シネコンってすごい」と感じることも珍しくなかったのです。
やがて2000年代に入ると、大都市の映画館も続々とシネコンに変わっていきます。そして現在は、都心部の再開発でシネコンが目玉のテナントとなっているのはよく知られています。
ポップコーンを思わずばらまいてしまいそうな迫力の「4DX(体感型映画を演出するための上映システム)」など、シネコンは従来の映画を越えた体験ができる楽しいスポットです。でもたまには、昔ながらの殺伐とした映画館の良さも思い出します。
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