ボンネットに大穴開けた「爆速パジェロ」だと!? ラリー直系“唯一無二のハイパワー四駆”が生まれたワケ
- 乗りものニュース |

パジェロにも存在した「エボ」モデル
三菱自動車を代表する名車として今なお高い人気を誇るのが、本格オフロード4WDの「パジェロ」と、WRC(世界ラリー選手権)で大活躍したスポーツセダンである「ランサーエボリューション」でしょう。後者は「ランエボ」の愛称でも知られたモデルですが、実はパジェロにも同じ「エボリューション」の名前を持つモデルが存在します。
1997年にデビューした「パジェロエボリューション」(画像:三菱自動車)
その「パジェロエボリューション」は、2代目パジェロのハイパフォーマンス仕様として1997(平成9)年に登場したモデルです。外観は大きく張り出したオーバーフェンダーによって、トレッドが約90mmワイド化されました。また大型バンパーやボンネットのエアアウトレット、リアスポイラーなども装備され、ランエボにも負けない迫力の外観を持っていました。
さらに、パジェロエボリューションはランエボと同様に、ラリー競技への参戦を見据えて開発されたクルマでした。
パジェロは初代デビューの翌年、1983(昭和58)年からダカール・ラリーに参戦しました。初参戦では市販車無改造4WDクラスで優勝し、1985(昭和60)年には参戦3年目で初の総合優勝を達成。その後は市販車ベースの車両に加え、専用開発のプロトタイプでも戦う体制を整え、1990年代には総合優勝を争う存在へと成長していました。
しかし1997年の競技規則変更に伴い、メーカー製プロトタイプ車の参戦が認められなくなります。そこで翌年以降の参戦マシンのベース車として、市販のパジェロを大幅改造したパジェロエボリューションが生まれたのです。
「新型」もラリー復帰か?
パジェロエボリューションには、排気量3.5LのV型6気筒である6G74エンジンを搭載。ターボなどを持たない自然吸気ながら、可変バルブタイミング機構「MIVEC」の採用などにより、最高出力は当時の国内自主規制値である280ps、最大トルクは35.5kgm(いずれも市販車)をマークしました。
初代「パジェロ」のダカール・ラリー参戦マシン(乗りものニュース編集部撮影)
またサスペンションは前後とも独立懸架とし、専用のアルミ製ボンネットを備えるなど、競技車両を意識した仕様となっていました。市販モデルは3ドアのみで、トランスミッションは5速のMTとATをラインナップ。販売台数は約2500台とされています。
そして1998(平成10)年のダカール・ラリーでは、パジェロエボリューションをベースとしたマシンが総合1~3位を獲得。さらに4位には同じ三菱の「チャレンジャー」が入り、三菱勢が1~4位を独占する大勝利を収めました。
ちなみに現在、三菱自動車はAXCR(アジアクロスカントリーラリー)に「トライトン」で参戦する「チーム三菱ラリーアート」を技術支援しています。同チームは2025年、2026年と総合優勝を果たし、2連覇を達成しました。
同チームの総監督を務める増岡浩氏は、現役時代にパジェロでダカール・ラリーの総合優勝を2002年、2003年と2年連続で達成したドライバーです。正式発表ではないとしているものの、2027年のAXCRには新型パジェロで参戦し、3連覇を目指したいという意向も示しています。パジェロが再びラリーの舞台に姿を見せる日も、そう遠くないのかもしれません。
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