「ヤバい、車線の真ん中で故障した!」←ドンッ…! 「早く動かさなきゃ」よりも大事な「きちっとした対応を」事故調が異例の警告
- 乗りものニュース |

高速道路上の故障車は、路肩に寄せて止めることが道路交通法で定められています。ハイスピードで迫る後続車を考えれば、とにかく道路の真ん中で停車し続けるなどありえない――そんな切迫した思いのなかで、痛ましい事故が起きました。
自動車事故調の委員長が、あえて警告する故障停車後の「きちっとした対応」
自動車事故調(事業用自動車事故調査委員会)が2025年6月27日に報告書をまとめた事故に基づき、委員長の酒井一博医学博士がこんな指摘を残しました。
追突された貸切バス。運転手と乗客2名は路外に出ていて死亡した(画像:事業用自動車事故調査委員会)。
「今回は故障して止まっていたバスに後ろからトラックが追突する事故の報告をまとめましたが、最近少し気になっていることがあります。こういう事案は、今まだ調査中の事故にもいくつかあります」
そのうえで、故障して止まるというのはやむを得ない事情があるとしつつ、「そのあと“きちっとした対応”をしていない、というか、後ろからたくさんのクルマが来るのに、止まっているということの措置をしない」と指摘しました。
事故調が取り扱ったのは、2023年5月16日20時11分頃、宮城県栗原市内の東北道下り線406.6キロポスト付近で起きた大型貸切バスと大型トラックの追突事故です。貸切バスは本線上で止まっていました。
《本事故は車両故障のため停車することがやむを得ない場合とはいえ、高速道路で、第一車両通行帯に停車中の衝突事故であるため、事故発生の危険性は極めて高い状況であったと考えられ、車両が路肩に停車できていれば、本件事故は発生していなかった可能性が考えられる》(報告書「第一車両通行帯に停車したこと及び停車後の影響」)
第一通行帯は緊急車両が通行する路肩のすぐ右側の車線です。当時、大型トラックの前には箱型のトラックが走っていました。箱型トラックは停車中の貸切バスを避けるため追越車線に変更しましたが、視界を遮られていた大型トラックは5700kgの冷蔵冷凍食品を積んだまま、貸切バスに追突しました。付近の制限速度は大型車80km/hのところ、92km/hで走行していました。
この事故で追突された側のバス運転者と乗客2人が死亡しましたが、犠牲者は、いずれも高速道路上に出ていて亡くなりました。報告書にはこう記されています。
《乗客2人(2人以外の乗客は退避)と車両後部のエンジンルーム付近でラジエターに水を補給することを優先したことで被害が拡大したものと推定できる》(前同・報告書)
なぜかは後述します。この事故の教訓、その第一は、高速道路であっても、路肩に止められない状況が生じることだとを報告書は解説します。
《エンジン回転数が2370rpmから急激に下降していることから、この時点でエンジンが停止し、これに伴い速度も急激に減速していることがわかる。このような状態にあっては(略)容易に車両の方向を変更することは困難状態となる》(同)
路肩に寄せて止めていれば、事故は回避できるはずでした。報告書は警察庁の集計を元に、車両相互の追突事故は「車線停止車の件数が路肩停止車の件数の約103倍」と危険性を強調します。
停止措置後は、すみやかに路外へ退避する
貸切バスにできることはなかったのでしょうか。酒井委員長の指摘する「きちっとした対応」とは、次のことを指しています。
「高速道路で故障停止後のきちっとした対応」を訴える自動車事故調・酒井委員長(中島みなみ撮影)。
「自車を第一車両通行帯に停車させたため、非常点滅灯を点灯させたものの、自車の後方に発炎筒や停止標示器材などを設置するなどして後続車に対する必要な危険防止措置を十分とらなかったこと」(報告書「第一車両通行帯に停車したこと及び停車後の措置の影響」)
路肩に寄せられない場合、ハザードを点滅させるだけでは不十分です。道路外に一度出て、故障車を回避できそうなところまで戻ったら、発炎筒を転がすだけで視認性は一気に高まります。
また、貸切バスの運転者と乗客2人は、いずれも追突事故時に本線上に留まっていましたが、路肩への退避は、どんな場合でも必須です。
貸切バス会社によると、残り38人の乗客は、高速道路の外側のり面に運転者の指示で避難して無事でした。運転者は、会社のベテラン運転者の助言で、冷却水を補充することを試みていました。現場にいた乗客は、水を提供した人だとされています。
報告書は、会社が運転者に対して、実車を用いた訓練で、緊急時に必要な行動を習得させる必要性を訴えています。しかしながら、応急処置でいいから、とりあえず故障車を動かしたいという気持ちは、どんな運転者でも起きるのではないでしょうか。
高速道路に故障車が止まることなど、故障車の立場でも想定しないにも関わらず、いかにもやってしまいそうなことです。
このほかにも報告書は、大型トラックの会社の運行管理やトラック運転者についての行動についても問題点を指摘していますが、事業用や自家用を問わず、すべての運転者が高速道路を走る上での教訓を秘めています。
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