スギ花粉の10分の1サイズ…「黄砂」は肺の奥まで入る? 喉&肌に生じる“やっかいな症状”とは【耳鼻科医に聞く】
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黄砂の飛来により、体にどのような症状が生じる?(画像はイメージ)
多くの地域でスギ花粉やヒノキ花粉の飛散がピークを過ぎた一方、黄砂の飛来が本格化しています。黄砂が飛来すると、体にどのような影響を及ぼす可能性があるのでしょうか。なのはな耳鼻咽喉科(水戸市)院長で、耳鼻咽喉科専門医の境修平さんに聞きました。
砂だけじゃない「複合汚染粒子」の恐ろしさ
Q.そもそも、黄砂とはどのような物質なのでしょうか。
境さん「黄砂とは、東アジア内陸部のタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠、あるいは黄土高原といった広大な乾燥、半乾燥地域において、強風に伴う砂塵嵐(ダストストーム)によって空高く巻き上げられた土壌、鉱物粒子の総称です。
これらの粒子は、上空の強い偏西風に乗って数千キロメートルの距離を飛び、日本を含む周辺地域に浮遊、降下します。気象学的には、低気圧が発達し、大陸で砂塵が巻き上げられやすい気圧配置となる3月から5月にかけて、黄砂は最も顕著に観測されます。
黄砂粒子は輸送の過程で、大陸の工業地帯や都市部の上空を通過します。その際、硫酸イオンや硝酸イオンなど大気中の化学物質や、細菌、カビといった微生物をその複雑な表面構造に吸着します。そのため、日本に到達する黄砂は、元来の鉱物成分に加え、人為起源の汚染物質や生物学的アレルゲンが混在した『複合的な汚染粒子』としての特性を有しています。この化学的変質が、生体に対する毒性を高め、健康被害をより複雑かつ深刻なものにしています」
黄砂はスギ花粉よりも粒子が小さい
Q.黄砂と花粉を比べた場合、どちらの方が、粒子が小さいのでしょうか。また、黄砂が体内に侵入すると、主にどのような症状を引き起こす可能性があるのでしょうか。
境さん「黄砂の健康影響を医学的に評価する上で、粒子の『大きさ(粒子径)』は極めて決定的な要素です。
一般的な黄砂粒子の大きさは、約4マイクロメートル前後とされていますが、これは日本における春季の主要なアレルゲンであるスギ花粉(30〜40マイクロメートル)よりも著しく小さいものです。
スギ花粉のような比較的大きな粒子は鼻毛や鼻粘膜の繊毛運動によって捕捉されますが、約4マイクロメートルという黄砂の粒子径は、これらの上気道のフィルタリングを容易に回避し、喉の奥の気管支や肺(下気道)まで一気に届いてしまいます。
肺の奥に到達した黄砂粒子は、付着した化学物質とともに粘膜を刺激します。すると、体内の免疫システムがこれを異物として認識し、ヒスタミンやロイコトリエンといった化学伝達物質を過剰に放出し、防御反応を開始します。
放出されたヒスタミンやロイコトリエンは、気管支の平滑筋の収縮、粘液分泌の増加、血管の炎症(透過性の高まり)を引き起こし、『せき』『たん』『せんめい(ゼーゼー、ヒューヒューという音)』『呼吸困難』といった症状として現れます。
特に気管支ぜんそくの持病がある患者は、もともと気道に慢性的な炎症が存在し、『気道過敏性』が高まっています。そこに黄砂という強力な物理的・化学的刺激が加わることで、通常時では問題にならない程度の刺激でも激しい気道収縮が誘発され、重篤なぜんそく発作につながるリスクがあります。
疫学的なデータによれば、黄砂飛来日はぜんそく患者の救急受診や入院数が増加し、さらには肺炎による死亡リスクとの相関も認められています。
黄砂の影響は呼吸器にとどまらず、全身のさまざまな部位に不調をもたらします。主な症状は次の通りです。
■鼻粘膜症状
くしゃみや水っぽい鼻水、鼻詰まりの症状が出ます。花粉症と同様の症状ですが、黄砂特有の物理的刺激により粘膜のヒリつきや痛みを伴うことがあります。
■目の症状
目のかゆみ、異物感(ゴロゴロする)、結膜の充血、涙目の症状が特徴です。粒子が直接、眼球表面を傷つけることで、結膜炎を引き起こします。
■咽喉頭の症状
喉のイガイガ、声枯れ(嗄声)、喉の詰まり感が生じます。特に黄砂は喉の粘膜を乾燥させ、炎症を長引かせる傾向にあります。
■皮膚症状
皮膚のかゆみや赤み、湿疹、ヒリヒリ感が生じます。黄砂粒子が毛穴に入り込んだり、肌表面で摩擦を生じさせたりすることで、バリアー機能が低下した肌に炎症を起こします。
■循環器症状
近年の疫学研究では、高濃度の黄砂にさらされると、心筋梗塞や脳梗塞といった循環器系疾患の発症や死亡率の増加と関連していることが示されています。これは、微細粒子が肺胞から血流に乗り、血管内皮の炎症を誘発するためだと考えられています。
Q.黄砂について、特に注意が必要な人の特徴を教えてください。
境さん「黄砂の飛来に対して、特に注意を払うべき対象、つまり感受性が高い人の特徴は次の通りです。これらの層は、黄砂の飛散情報をよく確認し、早期から徹底した防護措置を講じる必要があります」
■呼吸器系疾患の既往者
気管支ぜんそく、気管支炎、肺気腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者。
■アレルギー体質の人
花粉症、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎の既往がある人。
■小児
肺や免疫機能が未発達であり、呼吸回数が多いため、単位体重あたりの汚染物質吸入量が多くなります。また、戸外活動の頻度も高く、黄砂にさらされる時間が長くなりやすい傾向にあります。
■高齢者
心肺機能の予備能力が低下しており、黄砂をきっかけとした肺炎の発症や持病の悪化を招きやすいといわれています。
■妊娠中の女性や心臓に持病がある人
妊娠中の女性は黄砂により呼吸時の負担が増加する傾向にあります。また、心臓病の持病がある人も、心臓に負担がかかるため、注意が必要です。
黄砂の飛散が多い日は、高性能なマスクや眼鏡で物理的に遮断することが有効です。ウレタンマスクや布マスクよりも不織布マスクの使用を強く勧めます。また、少しでも呼吸の苦しさを感じたら早めに医療機関を受診してください。
オトナンサー編集部
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