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怪しいほどカッコ良かった“日本初のメーター” 新技術ぎっしり革命車「ソアラ」なぜ人知れず消えてしまったのか?

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  • 乗りものニュース
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日本初のデジタルメーターを採用した「ソアラ」は、トヨタが海外市場を意識し、新機軸を多く採用して登場しました。後年はレクサスブランドに組み込まれたものの、その戦略故に支持を失っていった歴史も持ち合わせます。

初めて目にするデジタルメーターに不信感…

 1964年の東京オリンピック直後から進み始めた日本のモータリゼーション。1970年代後半から1980年代中半にかけて、その勢いはピークに達します。この時代、筆者の父は仕事柄もあり、毎年のようにクルマを乗り換えていました。その中でも、幼き日の筆者の記憶に強く残るクルマが、父がある日突然買ってきた、見慣れないブロンズカラーのセダン、初代ソアラでした。

Large figure1 gallery81981年に登場したトヨタ・ソアラ(2025年、松田義人撮影)。

 どうしてソアラの記憶が強く残っているかというと、日本初搭載となったデジタルメーターを目にしたからです。正式名称は「エレクトロニック・ディスプレイメーター」。それまで一般的だった円形のアナログメーターに代わって、突如として現れたデジタルメーターを見て、幼心に「誤差が出そうな気がする」と思った記憶があります。

 当時は、まだデジタルよりもアナログのほうが信頼されていた時代で、みるみる変わるデジタルの数字(速度計)と、エンジンの回転数を示すグラフ(タコメーター)を前に「カッコいいけれど、なんだか怪しい」と思ったというわけです。

 しかし、後になって知ったことですが、ソアラのデジタルメーターはトヨタの先進的な開発力を示すものとして注目を浴び、後のマークIIやクラウン、セリカ、スープラなどの他の車種にもデジタルメーターが採用されていきました。特に1980年代のトヨタ車には数多く装備されました。

 ソアラといえば、「デジタルメーターの初搭載車」として語られることが多いですが、実はそれ以外にも多くの最新機能を持ち合わせたモデルでもありました。

 デジタル面では、TCCS(電子制御システム)、ECT(電子制御式オートマチックトランスミッション)、TEMS(トヨタ電子制御サスペンション)などのシステムを採用。エアサスペンションを採用したのもソアラからで、トヨタの先進的な技術力を象徴するイメージリーダーとしての役割を担っていたモデルでもありました。

海外戦略を見越して開発されたソアラ

 実はソアラ開発に至った背景には、トヨタが海外市場で味わった苦い経験があったと言われています。

Large figure2 gallery9トヨタ博物館に展示されている初代ソアラの実写。この内装、デジタルインパネに筆者の幼少期の記憶が蘇った(2025年、松田義人撮影)。

 1970年代、日本車はアメリカやヨーロッパ市場に多く輸出されましたが、評価を得たのは小型の大衆車ばかり。言い換えれば、当時の海外市場で日本車は「下駄車」のように見られていた面もあり、こういった影響でトヨタの高級車としての日本車もなかなか支持を得ることができなかったのです。

 そんな中で国内外の自動車市場にインパクトを与えるべく開発されたのがソアラで、当時最新のデジタル機能をふんだんに搭載させたというわけです。結果的にソアラは国内市場では高級セダンとしては圧倒的人気を誇り、同じ車格のクラウンの2ドアモデルが生産終了に追い込まれるほどの成功を収めました。

そして「レクサス」へ

 こうしてセンセーショナルに登場したソアラを、筆者の父も迷わず買ったのだと思いますが、初代登場から5年後の1986年にはフルモデルチェンジを迎えます。

 カクカクとした初代のデザインを洗練させ、2代目は随所に曲線を取り入れるなどしたデザインに刷新。ちょうどバブル景気だったこともあり、5年間で30万台以上を売り上げる大ヒットモデルとなりました。

 そして、1991年には再びフルモデルチェンジが行われます。この3代目ソアラは、トヨタが北アメリカでスタートさせたレクサスブランドに加えるクーペとしても開発されたこともあり、初代や2代目とはまるで異なる丸みを帯びたデザインが採用されました。この影響からか、「日本国内でのソアラファンは3代目の登場で一気に離れた」と言われています。

 レクサスとしての成功はさておき、このデザイン変更がソアラの人気に陰りをもたらし、結果としてソアラのモデル寿命を縮める要因にもなったのです。

失われた「ソアラらしさ」

 3代目ソアラの販売台数は、10年間で5万台ほどにとどまりました。往年のソアラファンの多くが、ここからの挽回を期待したことと思いますが、2001年のフルモデルチェンジでは、再びレクサスとの関係が深まる展開になります。

 この新型は、電動式ハードトップを備えたコンバーチブルモデルとして登場。洗練されたカッコよさもありましたが、デザインは初代や2代目とはさらにかけ離れた、丸みを帯びたものに。そして、ソアラらしさを感じさせたデジタルメーターは、ついに廃止になりました。

 その結果、日本国内ではソアラの名で2005年まで販売されたものの、海外向けモデル名である「レクサスSC」に国内向けモデルも統一され、ソアラの名はここで消滅しました。なお、「レクサスSC」としても、2010年には生産終了。こうして、ソアラというモデルは誕生からわずか30年を待たずして、完全に歴史の幕を下ろしました。

 当初、トヨタの海外戦略を一身に背負い、センセーショナルな登場をしたソアラですが、皮肉なことに、その海外戦略に翻弄される形で、最終的には自らが姿を消すことになった、そんなふうにも映ります。

 多くのクルマが避けて通れない宿命とはわかっていますが、遠い記憶の中で、今は亡き父が嬉しそうに乗って帰ってきた初代ソアラの姿と、初めて目にしたデジタルメーターの記憶は今も筆者の心に強く残っています。だからこそ、どうしても初期型のソアラに特別な思いを抱かずにはいられないのです。

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