【元刑事が警告】1月に「非行」急増、背景に闇バイト…わが子守るために親が気付くべき7つの“危険サイン”
- オトナンサー |

冬休み明け以降、子どもの様子に何となく違和感を覚えたことはありませんか。実は1月から2月は、子どもが非行に巻き込まれやすい“危険なタイミング”でもあります。
特に注意すべきなのが、SNSを入り口とする「現代型非行」です。中でも「闇バイト」は、軽い気持ちで関わった結果、犯罪の当事者にされてしまうケースが後を絶ちません。こうした非行は、親が気付かない“ちょっとした変化”から始まることが多いのが特徴です。
今回は、数多くの事件・非行の現場を見てきた元刑事の視点から、闇バイトをはじめとする現代型非行の実態と、親が押さえておくべき具体的な視点を分かりやすく解説します。
年末年始にSNSを閲覧する機会が増加
子どもがSNSを閲覧しているときに「高額報酬」「荷物運び」「簡単な作業」といった言葉が並ぶ投稿にひかれ、興味本位で連絡を取ってしまうケースが多く見られます。中には、「お金に困っている」と投稿したことがきっかけで犯行グループから直接メッセージが届いた例もあります。
先輩や知人から仕事に誘われたり、SNSで知り合った相手から仕事を持ちかけられたりするケースもあり、身近な人や“知っている相手”という感覚が、子どもに「自分は大丈夫」という錯覚を抱かせてしまうのです。
闇バイトに応募した子どもたちは、すぐに匿名性の高いアプリへ誘導されます。一定時間で通信履歴が消えるアプリを使うよう指示され、「アルバイトの登録に必要」と説明されて、免許証の写真や住所、家族構成、自撮り写真などの個人情報を送ってしまいます。
ここで一度個人情報を渡してしまうと、子どもたちは逃げられなくなります。途中で「犯罪ではないか」と気付いてやめようとすると、「逃がさない」「探しに行くぞ」「家族を狙う」といった脅しを受ける事例が複数あります。アプリを削除した途端にLINEへ個人情報が送りつけられ、「お前、逃がさないからな」と脅されたケースもあります。
こうした脅迫は、子どもを強い恐怖に追い込みます。家族に心配をかけまいと黙り込み、誰にも相談できず、孤立してしまうのです。冬休み明けに子どもの様子が急に変わるのは、こうした背景が潜んでいる場合があります。
闇バイトに手を染めてしまった子どもには、何らかの“異変”が生じます。その際、次の7つの危険なサインが現れることが多いです。
【子どもに現れる危険なサイン】
・子どもがスマホを手放さない。スマホの画面を隠したり、通知を消したりする。
・「Signal」「Telegram」のような見慣れないアプリなどが入っている。
・行き先を言わずに外出する。帰宅が遅くなる。早朝に出掛ける。
・急にお金を持つ。逆に「お金を貸してほしい」と言い始める。
・家の現金が減る。財布の中身が不自然に変動する。
・SNSのアカウントのフォロワーやDMでのやりとりが急増する。副業アカウントを作る。
・家族との会話が減る。表情が暗い。落ち着きがない。
これらは、実際の相談事例に見られる典型的な変化です。特に行動パターンの変化には注意が必要で、脅迫によって「受け子」などの役割を強制され、犯罪行為に加担させられていた実例と重なる点が多く見られます。
金銭面の変化も同様です。闇バイトに手を出した子どもたちからは「遊ぶ金欲しさで応募した」という供述が複数あり、報酬が支払われないどころか、逆に金を要求されるケースも報告されています。
ペナルティーと称して金を巻き上げられたり、受け取った現金をすべて渡したのに報酬が振り込まれなかったりする事例も多数確認されています。子どもたちが受け子という“捨て駒”として扱われてしまう典型的なパターンです。
また、SNS上での人間関係にも変化が見られます。SNSで知り合った相手から誘われ、自身の個人情報を送らされ、脅迫されるケースは複数あります。フォロワーが急に増えたり、DMのやりとりが増えたり、副業アカウントを作っていたりする場合、危険な相手と接触している兆候と言えます。
さらに深刻なのは、海外渡航型の事例です。オンラインゲームで知り合った相手に誘われて海外へ渡航し、タイからミャンマーへ密入国させられ、武装した者に監視されながら詐欺を強制されたケースが報告されています。ノルマ未達を理由に暴行を受け、監視下で逃走も許されず、生命の危険に直結する環境に置かれた例も確認されています。
親ができる、5つの“現実的な対策”
そこで、子どもの異変に気付いたときは、次の5つの対策を講じてください。
【子どもに異変が見られたときの親の対策】
・SNSやお金の話をタブーにしない家庭環境をつくる。
・子どもの変化を否定せず、まず話を聞く姿勢を持つ。
・「高額バイト」「荷物運び」などの危険性を日常的に共有する。
・不安を感じたら、早めに警察へ相談する。
・子どもが相談しやすい“逃げ道”を家庭内に確保する。
子どもの変化に気付いたときは、決して一人で抱え込まないでください。子どもとの会話で、例えば「先輩から高額バイトに誘われた」「SNSで知らない相手から連絡が来た」というようなことを話してきたら、まずは否定せずに状況を聞き、必要であれば早めに警察などの専門機関へ相談することが重要です。実際に、犯罪に加担しながらも、より深い犯罪に巻き込まれる前に引き返すことができたケースもあるのです。
多くの子どもは年末年始の休暇中にSNSに触れる時間が増える傾向にあり、1月から2月は、これまで挙げたような“異変”が現れやすい時期です。スマホの扱い、金銭の変化、行動パターン、SNSでの接触、家族との会話の減少など、日常の中に現れる小さな変化が、子どもが危険な状況に巻き込まれているサインかもしれません。
こうした兆しは闇バイトに限らず、子どもの非行全般に共通して見られるものであり、家庭で子どもを見守る上で広く参考にできる重要なポイントです。早い段階で気付き、声をかけ、必要であれば警察に相談することが、子どもたちを守る最も確実な方法です。
「まだ大丈夫かもしれない」「もう少し様子を見よう」
そう思う気持ちこそ、親として自然な感情です。ですが、迷いや不安を覚えた時点で動くことが、結果的に子どもと家族を守る最善の選択になることも少なくありません。
子どもを守る責任を、親だけが背負う必要はありません。社会には、そして制度には、助けを求めた人を支えるための確かな手があります。
警察相談専用電話「♯(シャープ)9110」は、事件になる前の段階でも利用できる相談窓口です。決して大げさな行動ではなく、親ができる“予防の一歩”として、ためらわずに活用してください。
治安戦略アナリスト・危機管理スペシャリスト 小比類巻文隆
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