世界初の原子力空母 保管や解体準備などの「驚愕の額」が明らかに“艦の解体費用”より全然高い!? 今後の退役艦どうする?
- 乗りものニュース |

やはり原子炉搭載艦の処分は大変だった
アメリカ海軍協会の公式ニュースサイト「USNIニュース」は2026年7月28日、解体が決まった原子力空母「エンタープライズ」の退役後管理や解体準備に、これまで10億ドル以上が費やされていたことを報じました。
解体を待つ空母「エンタープライズ」の艦橋部分(画像:アメリカ海軍)
「エンタープライズ」は、世界初の原子力空母として就役した後、2012年12月に不活性化(inactivation)を開始し、現役艦としての運用を終了。その後、2016年12月には最後の原子炉の燃料抜き取りを完了し、2017年2月3日に正式退役しています。
しかし、その後も長期間にわたって解体は実施されず、2026年7月15日、ようやく民間企業に委託する形でノーススター・マリタイム・ディスマントルメント・サービスLLCとの解体契約が締結されました。
USNIニュースによると、同艦の解体着手までに投入された費用は、初期の原子炉停止、核燃料関連処置、退役準備などに約9億200万ドル。また、退役艦の警備・監視、船体の腐食防止、安全管理、放射性物質管理などの保管費用として約1億1100万ドルが費やされ、合計で約10億1300万ドル(約1600億円)に達したとされています。
この金額は、ノーススター・マリタイム・ディスマントルメント・サービスLLCと締結された解体契約額である約4億1850万ドル(約680億円)を大きく上回り、原子炉を持つ大型艦の退役後の扱いがいかに手間と資金のかかるものかを伺わせます。
同艦の処分で最大の難関となったのが、8基搭載された原子炉からの核燃料抜き取り作業でした。現在、この作業自体は完了していますが、原子炉区画の撤去・処分は、解体工程においても大きな課題となっています。
これまで解体実績のある原子力潜水艦では、原子炉が1基であるため、原子炉区画を一つのブロックとして切り離し、そのまま処分施設へ輸送することが可能でした。しかし「エンタープライズ」では、原子炉区画が巨大で同様の方法が取れず、船体を解体しながら放射性物質を含む区画を撤去する必要があります。
今後退役を迎えるニミッツ級原子力空母は、エンタープライズと異なり原子炉は2基ですが、同じく大型原子力艦であることに変わりありません。エンタープライズの解体を通じて確立される技術や手順は、将来的な原子力空母の退役処分を効率化するための重要な基盤となります。
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