群青(ぐんじょう)ってどんな色?紺色や藍色とはどうちがうの?~子どもに伝えたい日本の伝統色~
- マイナビウーマン |
【群青(ぐんじょう)】とは、紫がかった濃い青色のこと。日本の伝統色である【群青】にどのような由来があって、どのように愛されてきたのか、子どもにそのまま教えてあげられるよう、やさしい言葉で解説します。海外の方に英語で説明できるよう、英語での解説も紹介しています。
【群青】とは?
群青とは、紫みを帯びた濃い青色のことです。
※色は環境等により見え方が異なります。各種カラーコードは絶対のものではなく、あくまで参考値です。
【群青】の意味と由来は?
群青とは、紫みを帯びた濃い青色のことです。青が群れ集まるという意味を持っています。中国から日本にこの色が伝わったのは先史時代のこと。名前の由来は、日本画で使われる青い顔料「群青」から来ています。
天然顔料の群青は、藍銅鉱(らんどうこう・アズライト)など青系の天然の鉱石を原料に作られました。その生産地や採掘量が限られることから、群青は古代からとても貴重で高価なもの。そのため、曼荼羅(まんだら)のような仏教画など、特別な用途でしか使えなかったようです。
顔料の「群青」は、今でも、日本画の「青」のための主な顔料です。また、原料となる「アズライト」はペルシャ語の「青色」がその名の起源。空や海、花の「青」を描くために多くの画家が焦がれた色、それが群青色なのです。
【群青】に関連する色
【群青】に近い、青系統の日本の伝統色はたくさんあり、代表的なものに【藍(あい)】や【紺(こん)】があります。
【群青】と同じように、藍銅鉱(アズライト)に由来する日本の伝統色には、ほかに【紺青(こんじょう)】や【白群(びゃくぐん)】があります。
■【藍(あい)】
■【紺(こん)】
■【紺青(こんじょう)】
■【白群(びゃくぐん)】
【群青】に合う色は?
【群青色】に似た色として、【藍色】や【紺色】を思い浮かべる人もいるでしょう。藍色はやや黄みを帯びた青、紺色は紫がかった濃い青ですが、群青色はそれより鮮やかな青色。同じ青系統として、藍色や紺色と組み合わると、やわらかく落ち着いた印象になります。
青系統は、白色とも好相性。伝統色の【卯の花(うのはな)】【月白(げっぱく)】との組み合わせは、日本の秋の色を表す色目「花薄(はなすすき)」と似て、さわやかで心地よい雰囲気。秋の高く青い空に映えるススキの群れを思わせますね。
変わったところでは、【黄金色(おうごんいろ・こがねいろ)】との組み合わせも。とても貴重で高価な群青は、金ぱくとともに絵画に用いられることもありました。国宝に指定されている尾形光琳の「燕子花図屏風」は、深く濃い群青色と金ぱくの輝きが印象的です。
A traditional Japanese color "群青 Gunjo" is...
A traditional Japanese color "群青 Gun-jyo" is a deep blue with a purplish tinge. It has the meaning of a cluster of blues. This color was introduced to Japan from China in prehistoric times. The name comes from the blue pigment "群青 Gun-jyo", which is used in Japanese painting.
The natural pigment "群青 Gun-jyo" was made from natural blue ores such as azurite. Due to its limited production area and the amount of ore mined, "群青 Gun-jyo" has been very precious and expensive since ancient times. Therefore, it was used only for special purposes, such as Buddhist works and mandalas.
The pigment "群青 Gun-jyo" is still the main pigment for "blue" in Japanese paintings. The raw material, "azurite," got its name from the Persian word for "blue". It is the color that many painters have longed for in order to paint the "blue" of the sky, sea, and flowers.
まとめ
日本で古くから愛されてきた【群青】。現在は絵の具やクレヨン・色えんぴつなどでも比較的かんたんに再現しやすい色ではありますが、はるか昔に日本に伝わったときは、とても貴重な色だったんですね。お絵描きしている子どもに、「きれいな青だね、昔はね……」と話してあげるといいかもしれませんね。
(マイナビ子育て編集部)
参考文献
・『色名がわかる辞典』(講談社)
・『366日 日本の美しい色』(三才ブックス)
・『くらしを彩る 日本の伝統色事典』(マイナビ出版)
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