【忘年会・新年会】酒で宴会後にラーメンが恋しくなるワケは? 「二日酔い予防」に効果的って本当?
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12月から翌年1月にかけて、忘年会やクリスマス、新年会などでお酒を飲む機会が増えます。中には飲食店でお酒を飲んだ後、ラーメンやうどんなどの麺料理を食べたくなったことがある人もいるようです。なぜお酒を飲むと麺料理を食べたくなるのでしょうか。また、飲酒後に麺料理を食べると二日酔いになりにくいと主張する人がいますが、本当なのでしょうか。「戸塚西口さとう内科」(横浜市戸塚区)の院長で医師の佐藤孔信さんが解説します。
ラーメンで二日酔いの症状を抑えられる可能性も
お酒(アルコール)が体内に入ると、胃や小腸から吸収された後、肝臓で代謝されます。肝臓は代謝に関するさまざまな役割を担っており、糖分を蓄えて必要時に産生する働きのほか、体にとって有害な物質を解毒し、分解する働きがあります。
アルコールは、肝臓に蓄えられている糖の分解を促進するため一時的に血糖値を上げますが、十分に食事を取らずに飲酒をした場合、アルコールの代謝に伴い、肝臓の糖分を産生する働き(糖新生)が抑えられるため、血糖値が下がりやすくなります。その際、脳が糖分を補充するよう指令を出すため、糖分を欲すると考えられます。
また、アルコールの摂取により、脱水状態になりやすいため、体が水分、塩分を必要とします。アルコールには食欲を高める作用もあるため、糖分、水分、塩分を同時に取ることができて、手軽に満腹感が得られるラーメンなどの汁入りの麺料理を食べたくなるのではないかと考えます。
「二日酔い」といわれる症状がどのようなメカニズムで起きているのか、いまだにはっきりと解明されていません。「アルコールが体内で分解される際にできるアセトアルデヒドが体に残っているため」「電解質の異常や低血糖が起きているため」など、さまざまな要因が示唆されています。分かっているのは、お酒の飲み過ぎが原因で起こるということです。
要因の一つとして挙げられている「アセトアルデヒド」は、たばこの煙にも含まれる有害物質です。体内でアセトアルデヒドを処理する際は水が必要ですが、アルコールを摂取すると、利尿作用により体内から多くの水分が失われます。そのため、アセトアルデヒドを速やかに処理するためには水分補給が大切です。
飲酒後に麺料理を食べた場合、麺により糖分が補給できていることや、汁により脱水を多少防げていることで、二日酔いの症状が抑えられる可能性が考えられます。
ただし、お酒自体はそれなりにカロリーがあるほか、飲酒後に脂質や塩分の多いラーメンを食べてしまうとエネルギー過多につながりやすいです。特に飲酒の際に、揚げ物などの高カロリーなおつまみをつい食べてしまう人は注意が必要です。
そこで、飲酒後に麺料理を食べたくなった場合、うどんを選ぶとよいでしょう。ラーメンよりうどんの方が塩分を程よく含み、脂質も少ないため、消化に負担がかかりにくいからです。
飲酒をする際は肝臓に負担をかけないよう、揚げ物など脂質の多い食品は避けましょう。トマトや枝豆、野菜のおひたしなど、アルコールによって失われやすい電解質を含む物のほか、肝臓の働きを助けるたんぱく質が含まれた冷ややっこや刺し身などがお勧めです。
二日酔いの予防に効果的な食べ物として、みそ汁が挙げられます。みそ汁は低カロリーで、アルコールによって失われやすい水分や電解質、塩分を含みます。飲酒後の肝臓の働きを助ける食事としてお勧めです。ただし、飲み過ぎは塩分過多になるため注意してください。
一方、冷たい飲み物を摂取すると、胃腸の働きを低下させるため、消化不良につながります。そのため、飲酒時や飲酒後に冷たい飲食物を摂取すると、体に負担をかける可能性があります。
お酒を飲むときは、適度に食べ物を摂取して糖分を補給するとともに、飲み過ぎには注意しましょう。
オトナンサー編集部
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