「お雑煮」は“腸活”に役立つ! 彩り豊かにすれば満腹感も…消化器内科医が教える“お勧め食材”
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正月にお雑煮を食べる人は多いと思います。半蔵門 渡海消化器・内視鏡クリニック(東京都千代田区)院長で消化器内科医の渡海義隆さんによると、お雑煮は食材の選び方次第で腸活に役立つといいます。では、栄養や見栄えの観点でどのような食材を入れるのがお勧めなのでしょうか。お雑煮に入れるのにお勧めの具材について、渡海さんに聞きました。
食物繊維の摂取量が少ない人は急に食べ過ぎないこと
Q.そもそも、お雑煮にはどのような栄養素が含まれているのでしょうか。
渡海さん「お雑煮の中心は餅です。餅は『炭水化物(糖質)』がメインで、体と脳のエネルギー源になります。一方で、餅以外が少ないと『たんぱく質』『食物繊維』『ビタミン』『ミネラル』が不足しやすいのが難点です。ここを具材で補うと、満足感が上がり、餅だけでは補いきれない栄養素の摂取も可能となります。お雑煮による腸活の観点で意識したいのは、次の3点です」
・食物繊維(特に水溶性):腸内環境を整え、便通を良くする。
・たんぱく質:胃の滞留時間を少し長くし、腹持ちが良くなる。
・だしのうまみ:薄味でも満足しやすく、塩分過多を防ぐことができる。
Q.お雑煮に入れた方がよい食材について、栄養面、彩り、縁起物の観点で教えてください。
渡海さん「次の食材がお勧めです」
(1)栄養面「たんぱく質」
栄養素が餅の「炭水化物(糖質)」に偏るのを防ぎ、糖質と比較して腹持ちが良いため食べ過ぎ予防にもなります。次の食材を入れるのがお勧めです。
・鶏肉
だしが出て薄味でも満足しやすいです。脂身が少ない部位を選ぶと胃にも優しいです。
・ブリ、サケなどの魚
良質なたんぱく質が摂取できます。ただし、脂が多い魚は少量でも満足しやすい一方、逆流性食道炎の原因となり得るため、普段から胸やけが出やすい人は摂取量を少なめにしましょう。
・豆腐
胃腸に優しく、食べ応えもあります。食欲がない日にも使いやすいです。
(2)彩り:白、赤、緑で色鮮やかに
彩りが良いと「しっかり食べた」という気持ちになり、餅のおかわりを控えやすくなります。
・白:餅、ダイコン
・赤:ニンジン、かまぼこ
・緑:小松菜、ホウレンソウ、三つ葉
仕上げにユズを少量添えると香りが立ち、薄味でも満足感が向上します。
(3)縁起物としての定番
・レンコン:「先を見通す」
・ゴボウ:「根が深い=地に足がつく」
・里芋:「子孫繁栄」
・エビ:「長寿」
・昆布:「よろこぶ」
縁起物は全部入れる必要はなく、家族が食べやすいものを取り入れるのが現実的です。
(4)腸活におすすめ:食物繊維、オリゴ糖系
消化器内科医の視点で見ると、腸内細菌の“エサ”になりやすい食材を入れると、腸内環境が整い、便通が良くなります。
・シイタケやシメジなどのキノコ類
うまみが強く、減塩にもつながります。食物繊維も補うことができます。
・ワカメや昆布などの海藻
水溶性食物繊維を含み、腸活(便通・腸内環境のサポート)に役立ちます。昆布はだしのうまみで薄味でも満足感が出やすいのも利点です。ただし、昆布はヨウ素を多く含むので食べ過ぎに注意です。
・ダイコン、ニンジン
煮ると食べやすいです。ダイコンは消化の負担が比較的少ないです。
・ゴボウ、レンコン
かみ応えがあり、満足感が増します。ただし、おなかが張りやすくなる人は摂取量を少量にとどめておきましょう。
腸活に役立つ食材は「増やせば増やすほど良い」わけではありません。普段あまり食物繊維を摂取していない人が急に摂取量を増やすと、ガスが増えて張ることもあるため、普段の食事に1つ足す程度が良いです。
Q.お雑煮に入れるのを避けた方がよい具材やお雑煮と一緒に食べるのを避けた方がよい食べ物について、教えてください。
渡海さん「『絶対NG』というより、体調や持病、食べ方次第で控えた方が良いものがあります。年末年始はごちそうやお酒で塩分や脂質、刺激物の摂取量が増えやすく、その結果、高血圧や腎機能の悪化、むくみや下痢症状の出現などに影響する可能性があります。消化器的には、胃もたれと胸やけといった逆流性食道炎に起因する症状が現れやすくなります。逆流性食道炎は食べ過ぎや早食いのほか、脂質や刺激物、アルコールなどの摂取で起こりやすくなります」
・塩分が多い具材、濃い味付け
練り物や加工肉、濃い口しょうゆ、みそ仕立てを多く摂取すると塩分摂取量が多くなります。だしを効かせて薄味にし、しょうゆやみその摂取を控えめにしましょう。
・脂が多い肉や揚げ物
脂を多く摂取すると胃内に食事が長くとどまりやすくなり、その結果食道への逆流を起こしやすくなります。胸やけ症状が出やすい人は、鶏肉や豆腐など“軽めのたんぱく質”を摂取するのが無難です。
・刺激が強い薬味
唐辛子やニンニクを多用すると、胃の不快感や胸やけが悪化しやすくなります。代わりに香りを出したいときは、ユズや三つ葉など胃に優しいものを使用しましょう。
・食物繊維
ゴボウやキノコ、海藻の摂取を急に増やすと、おなかが張りやすくなる人もいます。腸活を目的として摂取するとしても、急に量を増やさないようにしましょう。
普段から胸やけ症状が出やすい人は、先述の注意点に加え、「食後すぐ横にならない」「遅い時間におなかいっぱい食べるのを避ける」「早食いしない」といったことにも注意しましょう。
Q.ちなみに、お雑煮は地域によって具材や味付けに差があるのでしょうか。
渡海さん「お雑煮の地域差は大きく、同じ地域でも家庭ごとに異なります。代表的には、関東はすまし仕立て(しょうゆベース)で角餅を使う一方、関西は白みそ仕立てで丸餅を使用することがよく知られています。他にも魚を主役にする地域、鶏肉や里芋で“煮物寄り”にする地域、海藻をよく使う地域、あん餅を入れて甘じょっぱく仕上げる地域など多彩です。お雑煮は、地域のだし文化と家庭ごとの味が色濃く表れる料理です」
オトナンサー編集部
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