船底に泡をブワワァァァ…! 「画期的な貨物船」瀬戸内海に登場 停泊中は“超静か!”
- 乗りものニュース |

内航船舶の研究会が打ち出したコンセプト船「SIM-SHIP」の最新鋭となる2隻目が、「バリシップ2025」で一般公開。見た目は普通のコンテナ船ですが、先進的な技術を形にしたものです。船底に「泡の膜」を作って進みます。
「泡がスゴイ」貨物船?
愛媛県今治市で2025年5月22日から24日にかけて開かれた国際海事展「バリシップ2025」に合わせて、499総トン型の内航コンテナ船「ちゅらさん」の一般公開が行われました。
バリシップ2025で一般公開された「ちゅらさん」(深水千翔撮影)。
同船は船舶業界の65者(5月現在)からなる内航ミライ研究会が、「SIM-SHIPプロジェクト」の一環として開発したコンセプトシップの2隻目「SIM-SHIP1 mk2」にあたります。環境負荷の低減と船員の労働環境改善を目指した先進的な技術を搭載しています。
「SIM-SHIPプロジェクト」は、研究開発の成果を実際の船として建造し、迅速に社会へ届けることを目的とした取り組みです。2023年には「SIM-SHIP1 mk1」として離着桟や荷役、停泊時の省エネ技術を搭載した貨物船「國喜68」(499総トン)が山中造船で建造されています。
今回、今治港で公開された「ちゅらさん」は和幸船舶と鉄道建設・運輸施設整備支援機構(JRTT)の共有建造船として発注され、矢野造船で2024年12月に竣工し、翌2025年1月に就航しました。省エネルギー化とCO2(二酸化炭素)の排出削減に加えて、省人運航の実現を目指して開発されており、航行中だけでなく、停泊、荷役、離着桟といった船舶の運航全体で、高効率、低排出、低負荷を実現しています。
同船の一番の特徴が「高度空気潤滑システム(ALS)」です。これは、船底に空気を送り込み、船体と海水の間に気泡の層を作ることで、船体の摩擦抵抗を低減する技術です。
「ちゅらさん」で採用されたのは、ナカシマプロペラと海上技術安全研究所が共同開発した「高度空気潤滑法AdAM(Advanced Air Lubrication Method)」を適用した新型ALS「ZERO」です。船速に応じて空気量や空気の吹き出し間隔を能動的に制御する「周期吹き出し」という新しいコンセプトのシステムで、従来型の連続して空気を吹き出す方法よりも、高い摩擦抵抗の低減効果が期待されています。
和幸船舶の安井和弥社長は「499総トンという大きさの中で(ALSを)積むとなると、スペース的な問題で、大型船と違って犠牲になる部分が生じる。ばら積み船、鋼材船だとその部分も大きい。今回、コンテナ船ということで積む荷物が限られているので実現できた」と話します。
そのコンテナ、貨物じゃなくて「バッテリー」です
内航ミライ研究会の専務理事を務めるSKウインチの曽我部公太社長は「運航効率を上げるには、エンジンを触ること以外で言ったら風を使うか、空気を使うかしかない」と話します。
甲板に載るコンテナ。実はバッテリーだ(深水千翔撮影)。
「コストは決して安くはないので、効率良く載せていく必要がある。これを陸上からプログラムを変えられるようにしたり、泡の大きさを変えるようにしたりということが考えられる。運航効率改善の効果があるところで、最大限効かせていきたい」(曽我部社長)
もう一つの特徴が、コンテナ型リチウムイオンバッテリーシステム「MIRAI-BATTERY」の搭載です。コンテナ型なので暴露甲板にも設置可能で、停泊時には、このバッテリーから船内電源や空気潤滑システムなどに電力を供給することで、発電機の使用を抑え、CO2排出量を大幅に削減します。
曽我部社長は「内航ミライ研究会や株式会社SIM-SHIPがやっているのは、機器と機器の組み合わせだ。空気潤滑システム単品だと、発電機から電気を取ってというロスの部分がある。バッテリーであれば陸電や余剰電力をうまいこと活用できる。バッテリーも空気潤滑システムも両方積まなくてはいけなかったので、船主さんとしてはチャレンジだったと思う」と述べました。
安井社長は「やはり機器が高いので、燃費などが削減できた分をチャーター用輸送費に還元してもらうというのが、最後の私たちの目標になる」と話しつつ、「これから色々と課題を洗い出して、次につなげたい。売れれば売れるほど、メーカーにとってもコストは削減されるので、そうしたら普及も進んでいくのではないか。第1船で終わらず、これからも続けていきたいと思う」と語っていました。
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