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物価高で子どもと旅行、レジャー無理…夏休みの体験格差、どう埋める? 近所の公園を“学び”に変える親の声掛け

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お金をかけずに子どもの好奇心や探求心を刺激するには?(画像はイメージ)
お金をかけずに子どもの好奇心や探求心を刺激するには?(画像はイメージ)

お金をかけずに子どもの好奇心や探求心を刺激するには?(画像はイメージ)お金をかけずに子どもの好奇心や探求心を刺激するには?(画像はイメージ)

 多くの学校が今日から夏休みに入りました。近年、物価高の状況が続いており、夏休み中に子どもと旅行やレジャーに行こうとすると、どうしても相応のお金がかかります。日常的な自宅での過ごし方や近場への外出を、子どもにとって特別な体験に変えるにはどうすればよいのでしょうか。

 お金をかけずに子どもの好奇心や探究心を刺激する方法について、探究型学習に特化した民間学童保育「ユレカアフタースクール」(東京都江東区)校長で、教育アドバイザーの鶴原頌太郎さんに聞きました。

お金をかけずに体験活動を行うことは可能?

Q.SNSで他家庭の海外旅行の投稿を見て「どこにも連れて行けなくて申し訳ない」と罪悪感を持つ親がいます。教育学的に見て、高額な旅と身近な体験とで、子どもの脳への刺激に差はあるのでしょうか。

鶴原さん「確かにお金のかかる海外旅行や遠くの地域への旅行となれば、言語や文化・食べ物など、何もかもが違う新鮮な体験を味わうことができ、その体験がお子さんや家族にとっての財産となるでしょう。とはいっても、近場のお金のかからない体験が、子どもにとって意味のない体験かというと、決してそんなことはありません。

文部科学省は、体験活動を『体験を通じて何らかの学習が行われることを目的として、体験する者に対して意図的・計画的に提供される体験』と定義しています。具体例の中にも、野遊びや地域の年中行事、自然観察、ボランティアなどが挙げられており、お金をかけて盛大に楽しむ体験だけが重要ではないことが分かります。

『行ったことのない場所へ行ってみる』『やったことのないことに挑戦してみる』『初めて会う人とコミュニケーションを取ってみる』など、家族にとって有意義な体験活動は、どれだけお金をかけたかではなく、その体験を通してどんなことを感じたか、という点が重要視されます。

『お金がないから遊びに行けない』と諦めるのではなくて、まずは身近にあるものや場所を探して、お子さんの興味や関心の持てるものを一緒に見つけていく、ということがお子さんを成長させるための体験活動として価値のある経験になってゆくでしょう」

「いつもの公園」を学びに変える問い掛け

Q.例えば「近所の公園での虫捕り」や「夜の散歩」「家でのカレー作り」といった日常の延長を、子どもの「好奇心・探究心」を爆発させる一流の学びに変えるための、親の関わり方や声掛けのコツを教えてください。

鶴原さん「お子さんの興味の持てるもの、楽しいと思うことを探している段階では、なかなか思うようにいかないと思うこともあるかもしれません。好奇心や探究心、つまり『やってみたい!』『もっと知りたい!』という気持ちを高めるためには、お子さんが『意味のある問い』に対し、主体的に考えられたり、選択肢を選ぶことができたりする機会をつくることをおすすめします。

例えば公園や散歩をして外を歩いているとき、『この近くでダンゴムシが多いのってどこだろう?』『あの標識、どういう意味なんだろう?』など、子どもが興味を持ちそうで、自分で選んだり答えを考えたりできるような問い掛けをしてみましょう。自分で考えて答えを出せた、というポジティブな経験につながります。

また、体験を終えた後に、『あのとき楽しかったね!』『また行きたい?』などの振り返りをすることも重要です。体験を通じてどう感じたか、好きだった、楽しかった、などの感想を共有すると、お子さんの興味関心の傾向がつかみやすくなりますし、お子さんにとっても自分の気持ちや好きなものを言葉として伝えたり、表現するための力が育ちます。

また、こうした体験をお子さんと一緒に楽しむためには、時間や心に余裕をもって楽しみたいですね。『せっかく来たんだから』『最後までやろうよ』などとお子さんの意思を確認せずに予定を進めてしまうと、お互いにとってよい経験として残りにくいですよね。基本的にはお子さんのペースに合わせてあげて、予定通りにいかないことがあったとしても、『まあ、楽しめたからいいか』など、完璧を目指さない心構えや余裕をもつことがとても大事です」

自由研究がスムーズになる「3つの質問ステップ」

Q.夏休みの思い出を、絵日記や自由研究といった学校の宿題にスムーズに落とし込むために、体験の最中や直後に親が子どもに問い掛けておくべき「質問」はありますか。

鶴原さん「絵や文章、自由研究は決められた答えがないので、『どうやったらいいの?』という最初の一歩を踏み出すのが難しいと感じるお子さんも少なくないと思います。

『書きたい題材がまとまらない』『どうやって表現したらいいのか分からない』などとお子さんが感じているようであれば、思い出や体験したことに対して、さりげなく質問をしたり感じたことをアウトプットできるように誘導してあげたりしてみましょう。

『それでどう思ったの?』『一番言いたいことはなに?』など、あまり問い詰めるような言い方をするとお子さんもやる気をなくしてしまうかもしれません。そのため、あくまで雑談の延長のような形で、『今日は〇〇に行ったよね。お母さん(お父さん)は□□がすごいな~と思ったけど、なにが一番好きだった?』など、自然なやりとりのなかから好き・楽しいなどの感想や、感じたことを引き出していきましょう。

その上で、ただ事実を羅列しただけの文章から一歩踏み出すには、『何が面白い・楽しいと感じた』『その理由はこう思ったから』という、『自分の気持ち』を含めることです。自分の気持ちを文章や絵に含めることは、個性や具体性が増していくだけでなく、お子さんが自分の感性や気持ちを整理するきっかけにもつながります」

* * *

 子どもにとっての「新鮮で思い出に残る体験」は、必ずしも金銭的な価値に左右されるとは限りません。印象に残る体験にするためには、お子さんが何に興味関心をもっているのかを把握するとともに、主体性を持って選択できる機会に恵まれることが重要です。

 また、自分で考える力を養うためには振り返りが大切ですが、絵日記・自由研究など「宿題のために」強制するのではなく、あくまで自然な流れで感想や意見を引き出すようにしましょう。

オトナンサー編集部

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