息子が中2でYouTuberに！ 海外で四男二女を産み育てた母も人気YouTuberになった今、尊敬していること

登録者数27.5 万人超のYouTube チャンネル「LiaLico Channel」で海外での日常を配信するLialico Mama（りありこママ）ことラスコットエバンス美穂さん。

6人の子育て、そして「子育て期」後を自分らしく幸せに生きるヒントを綴った書籍『もういいじゃん、私が楽しめば。 夫は英国人、6人子持ちアラカン母のエッセイ』（KADOKAWA）をご紹介します。

「もういいじゃん、私が楽しめば。 夫は英国人、6人子持ちアラカン母のエッセイ」

30歳で英国人男性と結婚し、夫の転勤で6カ国を移住しながら4男2女の6人の子どもを産み育てた美穂さん。55歳で空の巣症候群になり、夫婦関係や更年期にも悩んだ58歳ごろまでの3年間を中心に、新しい幸せを見つけるまでを綴った著書から一部をお届けします。

「できて当然」と思わない

長男のともやには私たち夫婦の期待をすべて押し付けてしまっていたように感じています。やりたかったゲームを制限したり、水泳、サッカー、ヴァイオリン、公文など、習い事をたくさんさせたり。そして、英語と日本語を完璧にさせたいという思いもあり、イギリス系のインターに通わせながら、毎日日本の進学塾にも通わせていたため、彼は小学校で読み書きが完璧でした。でも、当時の私たちはそれを「できて当然」くらいにしか考えていなかったのです。

あるとき、テストで良い点をとったともやから、「ママ、ぼくにすごいねって言って」と言われたのです。これにはドキッとしました。そういえばともやをほめてあげたことなんてかつてなかったかも…。この一件から、私はほめることを意識的にするようになりました。例えば「あなたみたいなハンサム、見たことないわ」とか、大げさなくらいにほめるようにしています。

一方ダディも、ともやに厳しく、時には殴り合いのけんかもしていました。ともやは中2でYouTuberになり、イギリスのゲームの会社と契約をするほど頑張っていましたが、銀行勤めのダディにはそれがなかなか理解できなかったようで、ともやの実績を認めようとしませんでした。

そこで、私はダディに「ともやがやっていることはすごいこと、普通はできることではないから、そこは認めてあげてほしい」と、YouTubeで成功することの難しさについて説明してきました。

ダディの態度は少しずつ軟化し、ともやの取り組みを認めるようになりました。そして、時々、「新しい動画、見たよ」「あの動画は良かった！」と声をかけるようになり、二人の関係も少しずつ穏やかに、そして良い方向に変わっていきました。

子どもが努力をしていることや成果を出したとき、それを「当然」と思わず、きちんと認め、ほめることがどれほど大切かを改めて実感しました。ほめられると脳内には「オキシトシン」という幸せホルモンが分泌され、親も子どもも幸せな気持ちになるそうです。それが自己肯定感につながり、自信のある子どもに育ちます。そんな小さな一言が、大きな力になるのだと思います。

一緒に成長する子育て

息子たちは中学生の頃から毎日動画を投稿し、スポンサーと交渉するなど、YouTubeを「仕事」として真剣に取り組んでいました。私自身、YouTubeを始めて、スポンサーとの交渉などするようになってから初めてその大変さを理解できるようになり、高校の時からこういう大変なことをこなしてきたのかと、YouTuberの先輩として尊敬の念まで持てるようになりました。

私がそのことに気づけたのは、YouTubeを始めたことで得られたこととして、私自身の収入が増えたことよりも、ずっと価値のあることでした。以前は彼に「ゲームばかり！」と怒っていましたが、今では二人のことを理解し、母と息子の関係はより近く、温かいものになりました。

さらに、YouTubeという共通の話題ができたことも私にとって大きな財産です。
「耳を傾ける」という小さな努力が、こんなにも良好な関係につながるなんて、かつての私に教えてあげたいくらいです。

子育ては「子を育てる」というより、「自己を育てる」ことかもしれません。特に長男とは手探りの連続で、彼には苦労をかけたこともあったと思います。でも、実際どう思っているのかが気になり、ある日長男に「ママが昔厳しかったこと、どう思ってる？」と聞いてみると、彼は少し照れて、「ママは僕のためにやってくれたってわかってるし、厳しかったおかげで、ボクは兄弟の中で一番天才に育ったし！」と、冗談まじりに感謝を伝えてくれました。

その瞬間、私は「ああ、この子の母でよかった」と心から思い、そして、子育てとは、ただ子どもを育てることではなく、親である私自身も一緒に成長していくことなのだと、改めて確信したのです。

「好き」は才能、そして本当の幸せ

子どもが好きで夢中になれること、それは紛れもなく才能です。好きなことに没頭する時間、それこそが成長の原動力になります。

長男ともやは、中学生の頃からゲーム配信に夢中になり、何年も休むことなく、毎日動画を投稿し続けるほどのめりこみました。

家族でバカンスに行こうと誘っても、「動画を作らなきゃ」と言って来なかったこともありました。それほどまでに、自分の「好き」に情熱を注いでいたのです。

そして、その「好き」を追い求めるうちに、動画配信から収益を得ることができるようになり、それが仕事として成り立つようになりました。

子どもたちは、受験勉強や試験勉強に追われて、自分が本当に好きなことに夢中になる時間を持ちにくいかもしれません。もちろん、受験勉強も必要ですが、「好き」が持つ本来の力を削いでしまっているのではないかと思うと、もったいなくて仕方がない気持ちになります。

好きなことに没頭する時間、それは単なる遊びではなく、未来へのパスポート。夢中になれるものを見つけ、それを大切に育てることができれば、きっとそれはいつか大きな力になります。だからこそ、大人は子どもの「好き」を否定せず、才能の芽を伸ばせる環境を作ってあげることが何よりも大切だと思っています。

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この続きは、是非書籍でご覧ください。

※本記事は、『もういいじゃん、私が楽しめば。 夫は英国人、6人子持ちアラカン母のエッセイ』著：Lialico Mama／KADOKAWAより抜粋・再編集して作成しました。

Lialico Mama（りありこママ）

ラスコットエバンス美穂／YouTubeチャンネル「LiaLico Channel」の動画配信クリエイター。

1966年広島県生まれ。アメリカのミネソタ大学を卒業後、東京で就職。30歳の時、英国人と結婚。夫の転勤などに伴い、6か国へ移住しながら、4男2女の6人の子どもを育ててきた。50歳の時、家族の日常を紹介する動画配信をスタートし、登録者数は27.5万人超（2025年3月現在）。バルセロナ在住。

YouTube：「Lialico Channel」
YouTube：「Lialico Mama’s Room 58歳6人子持ちだっていいじゃん」
Instagram：@leahrikophoto

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