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「やっぱ『グリペン』にする」北欧戦闘機なぜいま選ばれる? コスパだけじゃないその理由

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  • 乗りものニュース
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北欧製の戦闘機「グリペン」が売れています。新戦闘機の導入計画を見直し、グリペンに鞍替えするような動きも。一体どのような戦闘機なのでしょうか。選ばれる理由は性能やコスパの高さだけではないようです。

南米で導入相次ぐ「グリペン」最新型 なぜ南米?

 スウェーデン政府は2025年4月10日、サーブJAS39E/F「グリペンE/F」戦闘機のペルーへの販売を承認すると発表しました。また4月3日にはコロンビアのグスタフ・ペドロ大統領も、空軍の次期戦闘機にJAS39E/Fを採用すると発表しています。

Large figure1 gallery7単座型のグリペンE。RIAT2023のデモフライトで(画像:サーブ)

 JAS39E/Fは1980年代に開発されたJAS39「グリペン」の発展改良型で、JAS39Eは単座型、JAS39Fは複座型を意味しています。グリペンE/Fの外観はJAS39と大差無く見えるのですが、全長はJAS39の14.9mから15.2mへ、全幅も約20cmそれぞれ拡大されています。機体の拡大によって生じたスペースには燃料タンクを増設して、航続距離の延伸と、兵装搭載量の増加を図っています。

 JAS39のエンジンはカナダ空軍などが運用しているF/A-18「ホーネット」戦闘機に搭載されている「F404」ターボファン・エンジンのライセンス生産型ですが、最新型の「グリペンE/F」はF/A-18E/F「スーパーホーネット」と同じ「F414」ターボファン・エンジンのライセンス生産型を搭載しています。

 軽量な機体に「F404」よりもパワーの大きな「F414」エンジンを組み合わせたことで、グリペンE/FはF-22などと同様、アフターバーナーを使用することなく超音速で飛行する「スーパークルーズ」能力を備えています。

 またグリペンE/Fは広範囲の索敵と照準が可能なAESAレーダーが搭載されているほか、レーダーやIRST(赤外線捜索追尾装置)が収集した情報を融合し、コンピュータが自動的に整理してパイロットに表示する「データフュージョン」という能力も備えます。これは現時点で自由主義諸国が開発した戦闘機の中では、F-35とグリペンE/Fだけが持つ能力です。

 ペルーとコロンビアのグリペンE/Fの採用は、このような高い能力によるところにもあるのでしょうが、やはり南米の大国ブラジルで生産が行われている点が有利に働いたのではないかと筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は思います。

アジアでもライバルを下した「グリペン」

 ブラジルは2014年にグリペンE 28機とグリペンF 8機を採用していますが、このうちE型15機は2023年にブラジルのサンパウロ州ガビアン・ペイショートに所在する、エンブラエルの生産ラインで製造されます。

Large figure2 gallery8ブラジル空軍はグリペンEをF-39Eとして導入(画像:サーブ)

 筆者は2016年5月に、サーブの航空機部門の拠点が置かれているスウェーデン南部のリンシェーピンを訪れました。ここでは、この当時からグリペンE/Fの製造に携わるブラジル人エンジニアの教育が行われていました。

 サーブはラテンアメリカ諸国がグリペンE/Fを採用した場合、ブラジルの生産ラインで製造された機体を輸出する方針を明らかにしており、ペルーとコロンビアにもブラジルで製造されたグリペンE/Fが輸出されることになると思います。単に地理的に近い場所で製造されたというだけでなく、10年近く前からスウェーデンで教育を受けてきたエンジニアが多くいるため、万が一トラブルが発生した場合に迅速な対応が期待できることも、ペルーとコロンビアがブラジルで製造されるグリペンE/Fを導入する、大きなメリットになるのではないかと思います。

 また、グリペンE/Fは2024年8月にタイでも採用されています。

 タイ空軍は、グリペンE/Fの前モデルであるグリペンC/Dを運用していますので、運用実績の積み重ねによるサーブ社製軍用機への信頼や慣れも、グリペンE/Fに有利に働いたのかもしれませんが、それ以上に、競合機であるF-16Vに比べて燃料費や修理費などの運用コストが格段に安価であったことが決め手になったと見られています。

 高い性能と安価な運用コストを武器に、中進国で販路を拡大しているグリペンE/Fですが、フィンランド、カナダ、スイスなどの新戦闘機導入コンペでは、F-35Aの前に苦杯を舐めてきました。しかしここへ来て風向きが変わりつつあります。

今が追い風!世界を席捲か

 ポルトガル政府は新戦闘機にF-35Aを導入せず、代替案としてグリペンE/Fが候補に上がっていると、海外メディアで報じられています。

Large figure3 gallery9グリペンEの実大モックアップ。多彩な兵装を搭載できる点もグリペンE/Fの長所の一つだ(竹内 修撮影)

 また、カナダは導入する新戦闘機88機のうち、既に契約済みの16機についてはF-35Aを導入するものの、残り72機については、選定コンペで時点だったグリペンE/Fに切り替えられないか検討しています。

 2022年にF-35A 36機の導入を決定したスイスでも、“どんでん返し”の可能性が出てきています。2025年3月から4月にかけて行われた世論調査で「F-35Aを導入して欲しくない」という意見が実に66%を占めており、この結果を受けてスイス政府はF-35Aの導入を見直すのではないかと海外メディアで報じられています。

 ポルトガル政府のF-35Aを導入しないという判断や、カナダ、スイスで起こっている導入見直しの背景には、ロシア寄りに見えるウクライナ侵攻の調停や、カナダとグリーンランドの領有を公言するドナルド・トランプ大統領への反感とアメリカへの不信感があります。

 仮にポルトガルやカナダ、スイスでグリペンE/Fが導入されれば、それはグリペンE/Fの能力や価格もさることながら、トランプ大統領の「アシスト」に拠るところも大きいのではないかと筆者は思います。

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