1450人以上を救った“北海の守護神” 「現役最古の巡視船」が解体に向け最後の航海へ
- 乗りものニュース |

約半世紀にわたり海の安全を守り続けてきた海上保安庁の巡視船「そうや」が、ついに最後の航海へ。1450人以上の人命を救った「北の海の守り神」が歩んだ軌跡を振り返ります。
海上保安庁唯一の砕氷型ヘリ搭載巡視船として活躍
海上保安庁が運用する現役最古の巡視船「そうや」が2025年11月4日、退役前の最後の航海へと出港しました。
釧路海上保安部の職員の見送りを受けながら、釧路港を出る巡視船「そうや」(そむにあ撮影)。
1978(昭和53)年11月の就役以来、実に47年間にわたり北の海の安全を守り続けてきた「そうや」は、海上保安庁唯一の砕氷型ヘリ搭載巡視船として、流氷観測や海難救助に多大な功績を残してきました。
就役以来、一貫して北海道周辺の海を担当する第1管区海上保安本部に所属し、北海道東部の釧路港を拠点に活動してきました。「そうや」は累計で600件を超える海難に出動し、1450人以上を救助。今年(2025年)2月には、老朽化による退役を前に、オホーツク海での最後の流氷観測を無事に完遂しています。
まさしく「北の海の守護神」として多くの人々を救い、様々な任務に敢然と挑んできた「そうや」の航行距離は、地球を約48周する191万kmにもおよぶそうです。
最後となった4日、釧路海上保安部では出港式を開催。こうして解体先の北九州市(福岡県)へ向けて岸壁を離れた「そうや」の船体は、長年の激務を物語るかのように満身創痍でありながら、その姿は力強く、威厳に満ちていました。
「そうや」の退役により、海上保安庁の砕氷型ヘリ搭載巡視船の歴史は一旦区切りを迎えますが、今年度(2025年度)中に同名の新型船が就役し、その任務を引き継ぐ予定です。
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