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「キキクル」「フェーズフリー」「プラ1備蓄」で夏の災害から身を守る。防災アナ・奥村奈津美さんに聞いた

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Amazonランキングの7つのカテゴリで1位を獲得した『大切な家族を守る「おうち防災」』の著者で、フリーの防災アナウンサーとしてあらゆる防災情報を発信する奥村奈津美さん。インタビュー後編では、子どもがいる家庭でおさえておきたい防災のポイントを教えていただきました。

前編はこちら

夏に多い水害。日頃の情報収集と早めの避難で対策を

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――夏のこの時期は、水害が心配です。水害への備えとして、何が必要でしょうか。

奥村 「自分で主体的に情報をとっていくこと」をぜひ意識してほしいです。情報がどこからか送られてくると思って待っていては、逃げ遅れてしまいます。みなさん、日頃からアプリで雨雲レーダーなどを見て気象情報をチェックしているかと思います。こうしたアプリを日常的に、最大限に活用してください。

――奥村さんはどのようにアプリを活用していますか?

奥村 気象情報アプリでは、自宅付近だけでなく2~3カ所通知を受け取れる場所を設定できるものもあります。私は自宅と実家の2カ所を登録して、そこで何かあったら通知がくるように設定しています。

気象庁の「キキクル」もぜひチェックしておいてほしいサービス。このサービスでは、大雨による洪水、土砂災害、浸水の危険度を色分けでわかりやすく、リアルタイムで確認できます。自分の地域で雨が降っていなくても、近いところで雨が降っているときに見てみると、今後危険度がどう変わるのか把握できますよね。

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キキクル(出典:気象庁)

奥村 近くの河川の状況については、国土交通省の「川の防災情報」というサイトがおすすめです。平時からそうしたアプリ・サービスを活用して使い方に慣れておくといいですね。

――普段からチェックしておくことが大切なんですね。

奥村 そもそも、住んでいる地域や自宅が避難が必要な危険な場所なのか、あらかじめ自宅・地域の災害リスクを知っておくことも大切。土砂災害も洪水も早く避難すれば助かるものです。うちは大丈夫だと思って寝ていたら、夜になって浸水した例もあります。お子さんがいる場合は特に早めに避難をしてほしいですね。避難といっても、必ずしも避難所に行く必要はなくて。リスクが少ない場所に住んでいる親戚やママ友の家、ホテルなどに避難できるよう、準備しておくといいかと思います。とくに小さなお子さんがいると、避難所では気を遣うことも多いでしょうから。

子どもがいる家庭の防災は「おうち」から

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※画像はイメージ

――子育て中の家庭の防災で特に気をつけたいことは何ですか?

奥村 まず、住む場所の安全を考えてほしいですね。子育て世帯は住宅の購入を考える方も多いと思います。家の場所は、災害リスクの少ないエリアを選んでほしいです。場所だけでなく、家の工法にも注目していただいて。戸建てでも木造より壁式鉄筋コンクリートパネル組立造(WPC工法)がおすすめです。お金はかかりますが、長く住むこととランニングコストを考えると、頑丈な建物を選んだほうが安全です。

――すでに家を購入している場合はどうでしょう?

奥村 その場合は、家の中を安全な空間にしてほしいです。冷蔵庫やテレビなど倒れると困るものは必ず固定してください。意外と家具や家電を固定していない人が多い。そもそも倒れたら危ないものは置かない、置くにしても子どもが近寄らない場所にするなど、置く場所を変えるだけでも被害は減らせます。

――なるほど、まずは家ですね。

奥村 地震でも水害でも、災害時に家がどうなるのかわからないと、何を備えたらいいかわからないですよね。例えば在宅避難ができる場合は、おうちの中でライフラインが切断された中でも生活できるようにしておけばいい。一方で、津波や土砂災害、洪水で浸水の危険がある家の場合は、自宅用の防災グッズを備えていても使えなくなってしまう。その場合、持ち出し用のグッズを準備することが重要になります。まずは、自分の家がどちらなのか、知ってほしいです。わたしが監修に携わったサイト「pasobo(パソボ)」では、1分で防災診断ができます。

それから、ハザードデータはアップデートされていきます。だから、ハザードマップは毎年必ず見てください。それまでは浸水区域でなかったのに、最新の想定では入ってしまった、ということもありえます。

――ハザードマップは一度見て安心していました。毎年確認したいと思います!

日頃の備えにぴったりな「フェーズフリー」と「プラ1備蓄」

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――奥村さんが行っている日頃の備えも教えてください。

奥村 防災って、実は生活の中でできることがたくさんあって。わたしは「フェーズフリー」を取り入れるようにしています。

――フェーズフリー、初めて聞きました。

奥村 フェーズフリーは、普段の生活と非常時、どちらの状況でも使えるモノやサービスのこと。例えば、普段はふつうの電球として使え、停電時にはそれを自動感知し、電球内部のバッテリーを使って点灯してくれるものがあります。我が家はリビング・寝室をそれに取り換えていて、停電時でも明かりが消えない家にしていますよ。子どもは突然家の明かりが消えてしまうと動揺してしまうことが考えられるので、いつもと同じように明かりがついていることは、安心感にもつながります。

――電球を替えるだけでできますね。ぜひ取り入れたいです。

奥村 電動アシスト自転車のバッテリーをスマホの充電器として使えるアダプタも販売されています。災害用のポータブル電源は、しまい込んでいるといつの間にか充電がきれていたり、壊れたりすることも。普段から使っていないものは、災害時には使えないものです。

スマホのモバイルバッテリーも、日常生活で充電して使っていれば、災害時にも役立ちます。コードレス掃除機のバッテリーからスマホを充電できるアダプタを販売しているメーカーもありますし、いろんな企業がフェーズフリーなものを出しています。そうしたものを少しずつ生活の中に取り入れていくと、無意識でも災害に備えられている状態になりますよ。

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※画像はイメージ

――日常で使うものを変えるだけでも備えられるのですね。

奥村 「プラ1備蓄」もおすすめです。スーパーでいつもの商品を1つ買うのではなく、同じ商品を2つ買っておく。そして1つ使ったらまた1つ買い足す。そうすると、必ず家の中に1つ以上商品が残るようになります。調味料やお米、缶詰など、2つ買っておいても、賞味期限内に使い切れるものはたくさんあります。玉ねぎやにんじんなどは長く保存できるので、普段から2つ買うようにすれば常にストックがある状態に。缶詰やレトルトパウチはもちろん、プラ1備蓄なら生鮮食品でもできるんです。

――災害だけでなく、体調を崩したときにも役立ちそうですね。

奥村 そうなんです。子どもがいて体調を崩すと、買い物も行けなくなってしまいますよね。私は熱中症対策も兼ねて、経口補水液のゼリーを1ケースいつも冷蔵庫に入れています。以前、自分が39度くらい熱が出て動けなくなってしまったときに、当時幼稚園児だった子どもがそれを出して持ってきてくれたことがあって、本当に助かりました。経口補水液を備えておけば、急に熱中症になったときや発熱したときも、買いに行かなくていいのでおすすめです。

――プラ1備蓄、さっそくやってみたいと思います。

奥村 忘れないでほしいのは、プラ1備蓄したものを調理するためには、水とガスが必要ということ。水とカセットコンロ、ガスボンベは家族の人数分くらいは備えておいてほしいです。それから、意外と忘れがちなのがトイレ。トイレは災害時、使えなくなります。お子さんが小さいと、仮設トイレに並ぶのも大変ですよね。おうちで災害用トイレを使えるように備えておくのも大切です。

乳幼児やアレルギーの子がいる家庭は、約2週間分の備蓄をしてください、と国が推奨しています。ミルクやおむつ、ふだん使用しているお薬などは、1週間ではなく、2週間分。普段から多めに買っておき、1個使ったら1個買い足しておいてもらえたらと思います。

防災は「未来へのプレゼント」

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――防災の大切さは理解していても、なかなか実践できない方に対して伝えたいことはありますか?

奥村 防災は「未来へのプレゼント」だと思います。防災といわれると、どうしても後回しにしたい、やりたくないな、という気持ちが出てくる人もいるかもしれません。でも、家族や自分にプレゼントを贈る気持ちで備えてもらえたら。非常食も食べたくないものをたくさん買うのではなくて、自分が好きなものを多めに買っておけば、未来の自分が喜ぶじゃないですか。普段の買い物でも、何かをきらした!となってスーパーに走るのは、時間のロスにもなります。1個多めに買っておけばそれも防げるので、プラ1備蓄は未来の自分へのプレゼントになりますよ。

――「防災は未来へのプレゼント」、素敵な考え方です。ほかに、子育て家庭の防災において大切なことはありますか?

奥村 家族のコミュニケーションやスケジュール共有も大切にしてください。子どもにGPSを持たせていても、災害時はGPSが使えないかもしれません。子どもとの普段のコミュニケーションで、今日はどこ行くの、と聞いたりお母さんはここで仕事だよ、と言ったりしておくと、親も子どもも安心できます。そうして普段のコミュニケーションや日常をより豊かにしていくと、災害時にもそれが役立つと思います。

――日常を豊かにすることが、防災にもつながるのですね。日頃から備えたいと思います。

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(取材・執筆:佐藤華奈子、撮影:佐藤登志雄、編集:マイナビ子育て編集部)

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