「春キャベツ」と「冬キャベツ」の違いとは? 実は意外な栄養素も 管理栄養士が解説
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3月8日は「ギョーザの日」です。冷凍食品「ギョーザ」を製造、販売する味の素冷凍食品(東京都中央区)が、「み(3)んなでハ(8)ッピーギョーザの日」の語呂合わせから制定しました。
ギョーザの材料としてよく使われるキャベツですが、毎年3月から5月にかけて、「春キャベツ」が店頭に並びます。冬に販売される「冬キャベツ」とは、何が違うのでしょうか。キャベツに含まれる主な栄養素のほか、春キャベツのお勧めの調理方法なども含め、渋谷DSクリニック(東京都渋谷区)に在籍する管理栄養士の板橋瑠美さんが解説します。
春キャベツはシャキシャキした食感が特徴
キャベツは年間を通じて手に入りやすい野菜ですが、旬の時期は春と冬です。収穫時期によって分類されており、秋から冬にかけて種をまき、3月から5月ごろに収穫される「春キャベツ」、夏に種をまき、11月から翌年3月ごろに収穫される「冬キャベツ」が、それぞれよく知られています。これらは収穫時期以外にも、形や味わいなどに違いがあります。
春キャベツは小さめの円形で葉の巻きが緩く、ふわっと柔らかいという特徴があります。外葉は緑色ですが、中心は黄色っぽい葉となっています。葉が柔らかく水分量も多いため、みずみずしくシャキシャキした食感があります。それを生かし、生のままで食べるのもお勧めです。
一方、冬キャベツは楕円(だえん)形で葉がしっかり巻かれており、1枚1枚の葉が硬いのが特徴です。外葉は春キャベツ同様、緑色ですが、中心の葉は白っぽい色をしています。加熱しても煮崩れしにくいため、加熱料理や煮込み料理にもお勧めです。
春キャベツと冬キャベツとでは、含まれる栄養素に大きな違いはありません。春や冬の旬の時期に収穫されたキャベツは、他の時期に収穫されたキャベツよりも、栄養素がより豊富に含まれているといわれています。
店で選ぶときのポイントですが、春キャベツの場合は巻きが緩くふんわりして軽いもの、冬キャベツの場合は葉がしっかり巻かれていて重さがあるものがそれぞれお勧めです。また、カットされたキャベツの場合は、切り口がみずみずしく、変色していないものを選ぶと良いでしょう。
胃の粘膜の修復を促す「ビタミンU」が豊富
次にキャベツに含まれる主な栄養素について、解説します。キャベツの100グラム当たりのカロリーは約23キロカロリーと低く、ビタミンやミネラル、食物繊維など、さまざまな栄養素が含まれています。キャベツに含まれる主な栄養素は次の通りです。
■ビタミンC
野菜の中でも、キャベツにはビタミンCが豊富に含まれています。強い抗酸化作用を持ち、体内での活性酸素の発生を抑えるため、老化防止にも効果的です。シミの原因となるメラニンの生成を抑えたり、肌のハリや弾力を保つために必要なコラーゲンを作ったりするためには必須の栄養素となっており、紫外線が多くなる季節は特に積極的に取りたい成分です。
また、ビタミンCはストレス緩和や免疫力向上、疲労回復といった効果が期待できるといわれています。水溶性ビタミンとなるため、毎食小まめに取り入れるのがお勧めです。
■ビタミンU
胃の粘膜の修復を促したり、過剰な胃酸の分泌を抑え、胃炎などの症状を予防したりするビタミンUも豊富に含まれています。
ビタミンUは厳密にはビタミンではなく、ビタミンと似た働きをする「ビタミン様物質」と呼ばれています。また、キャベジンとも呼ばれており、胃腸薬の名前として聞いたことがある人もいらっしゃるかと思います。
トンカツなどの揚げ物にキャベツの千切りが添えられていることが多いですが、この場合、キャベツに含まれるビタミンUが胃の粘膜を保護し、揚げ物などの消化をサポートする働きが期待できます。ビタミンUは熱に弱いため、生の千切りキャベツと揚げ物の組み合わせは理にかなった組み合わせとも言えますね。
■カリウム
カリウムはナトリウムの排せつを促すため、高血圧の予防に効果的な栄養素といわれています。また、むくみの予防や改善にも効果が期待できるため、日頃から塩分の多い食べ物を食べている人は、カリウムの摂取をお勧めします。
■食物繊維
キャベツには食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は、腸内環境を整えるための腸内細菌のエサとなるため、便秘の予防や改善などにお勧めの栄養素です。
また、食物繊維が豊富な食材を先に食べることで、食後の血糖値の急な上昇を抑えることができるため、脂肪の体内への吸収を抑えることができるといわれています。
最後に春キャベツのお勧めの調理法について、紹介します。
春キャベツの柔らかさを楽しみたい場合やキャベツに含まれる栄養素をそのまま摂取したい場合は生で食べるのがお勧めです。
キャベツに含まれるビタミンCやビタミンUは熱に弱く、水溶性のため水に溶けやすい性質があります。千切りなどにしてから生で食べる場合も、キャベツを葉ごと洗ってから切ることで栄養素の流出を抑えることができます。生のまま千切りやサラダなどにして食べることで、春キャベツ特有のみずみずしさも感じることができます。
加熱調理なら、スープにしたり、電子レンジで加熱して温野菜などにしたりするのもお勧めです。スープにすることで、溶け出した栄養素をそのまま取り入れることができるほか、加熱することでカサが減って食べやすくなります。
また、春キャベツの外葉は硬いですが、加熱することで柔らかくなり、消化もしやすくなるため、胃腸が疲れているときにもお勧めです。
温野菜などにする際は、お湯でゆでるよりも電子レンジで加熱する方が、水溶性の栄養素の流出が抑えられ、調理時間を短縮できます。旬の春キャベツをおいしく味わいながら、栄養素をしっかり取り入れていきましょう。
オトナンサー編集部
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