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夫の趣味仲間に暴言「鉄オタキモい」…パートナーの周囲に「悪口」を言う人が気付いていない“夫婦の危機”

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パートナーの周囲の人に対して「悪口」…あなたは言ってない?
パートナーの周囲の人に対して「悪口」…あなたは言ってない?

 学生時代から仲のよい友達、一緒に仕事をしている職場の人、趣味仲間……パートナーの周りには、さまざまな人がいると思います。あなたが面識のある人も、そうでない人もいるでしょう。そうした「パートナーの周囲にいる人」に対して、あなたは悪口を言っていませんか?

「恋人・夫婦仲相談所」所長の三松真由美さんは、パートナーの人間関係について否定したり、悪口を言ったりする人は少なからずいるとし、悪口が夫婦にもたらし得る「最も怖いこと」について警鐘を鳴らします。自分の仲間の悪口を言われ、モヤモヤを抱えている人たちの実話をもとに、“悪口の危険性”を考えます。

妻の周囲に感謝できない「残念な人」

 パートナーの職場や、そこでの人間関係について、あなたはどのくらいご存じですか? 「全く知らない」人もいれば、「パートナーからいろいろ聞いているのでかなり詳しい」という人もいるでしょう。ただし、あまり踏み込み過ぎると、思わぬマイナス面をもたらすかもしれません。

 いずみさん(36歳、仮名)は職場結婚。3歳年下の夫は同じチームに配属された元同僚で、「新入社員時代の夫の指導社員がいずみさんだった」という自然な出会いです。

 2年間にわたる極秘の社内恋愛を経て、2人はゴールイン。2人が勤めていた会社内のルールにより、夫婦は同じ支店にいられないため、夫の方が転勤しました。しかし社内の様子はお互いに分かっているため、家でも会社の話が出ることが多いそうです。

「嫌だなあと思うのは、夫が私の周囲の人のことをいろいろディスってくることです。夫にしてみれば、私でなく自分が転勤させられた恨みも半分あると思うんですが」と、いずみさんは苦笑します。

「とにかく、元の支店のことが気になるみたいで、『◯◯課長は今でもズボラなの?』とか『△△主任は相変わらずクレームが多いんだろ?』とか言いたい放題。私にとっては、お世話になっている上司だったり、一緒にプロジェクトを進めている仲間だったりするので、夫の言い方がすごく不快です。この話題になると胸がザワザワして、リラックスできません。夫のことを『小さいやつ…』と思う自分がいます。

でも、夫とはギクシャクしたくないので強くは言えず、できるだけ、仕事や会社の話は避けて他の話題を出しています。これって、この先いつまで続くんでしょう」

 相手を見下すことで、マウントを取って己を鼓舞するタイプの人もいるとはいえ、元職場の人に対して、「妻がお世話になっている人たち」という感謝の気持ちを持つことができないのは「残念な人」といえるかもしれません。

鉄オタ仲間の人格を否定する妻

 晴斗さん(42歳、仮名)が鉄道の魅力に目覚めたのは40歳のとき。子どもの頃から筋金入りの鉄道ファンである会社の同僚に連れられて、冷やかし半分で鉄道のイベントに参加し、無人駅の魅力に取りつかれました。そこからは、お盆や年末年始などに全国の無人駅を探しては出かけているそうです。

「今までは、鉄道オタクなんて“陰キャラ”の集まりだと、内心バカにしていました」と、本音を教えてくれた晴斗さん。

「でも、鉄オタにも、撮影がメインの『撮り鉄』、録音がメインの『音鉄』、たくさん乗車をするのがメインの『乗り鉄』などいろいろあって、めちゃくちゃ奥が深いんですよ。で、実際に付き合ってみるといい人が多いし、普通の人たちですよ。

でも、嫁は結構厳しくて、『鉄オタキモい』とか『自分が鉄オタだなんて、会社とか周囲の人に言わない方がいいわよ。絶対に嫌われるから。うちに連れて来ないでよ』とか、暴言を吐くんですよ。別に鉄道を好きになってほしいとは言わないですが、偏った考え方で僕や周りの人の人格を否定するのはやめてほしいです」

 晴斗さんの妻にしてみれば、結婚時には思いもよらなかった夫の変化に戸惑っているのかもしれませんが、「鉄道が好き」というだけで露骨に変人扱いするのも、固定観念に縛られた考え方といえるでしょう。

 夫の周りにいる人や、妻の周りにいる人の悪口を言うことはそのまま、自分の価値を下げることにつながると意識してください。聞いている側がそう思っていない場合、胸の奥で「僕(私)のことも外で悪口を言っているのでは」と勘繰られます。

 他者を自分より下に置くことでコンプレックスを拭い去ろうとするのは、相手から見ると“イタい”感覚になります。そして、「悪口を言う人」というレッテルが付くと、たとえ結婚した相手とはいえ、愛情が薄れていくでしょう。間違ったストレス発散の方向であると肝に銘じてください。

 最も怖いのは、相手につられて自分も悪口を共有する人になってしまうことです。悪口に「そうだね」と共感しているうちに、思考回路がそちらに傾く可能性はあるでしょう。夫婦は似てくるといいますし、緩やかに状況が変化していくことに気付かず、対応を誤ってしまうことを示す「ゆでガエルの法則」は家庭でも起こり得ることです。じわじわと、自分も「悪口を言う人」にならぬよう、パートナーの悪口キャラを制御してあげてください。

 もし、悪口を言いたくなったら、その人のよい点を1個でも思い出して変換してみてください。「◯◯部長は厳しいけど、ヘアスタイルはすてきじゃない」のような明るい会話を目指しましょう。結婚生活を明るい方に向かせることができる夫婦は会話上手です。

「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美

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