なぜロシア生まれの新車、日本で買えるの!? 無骨な4WD車の知られざる理由「案外イイですよ」
- 乗りものニュース |
![](https://trafficnews.jp/wp-content/uploads/2025/02/250206_uaz_01.jpg)
ウクライナ戦争で、ロシアとウクライナの両陣営で用いられるUAZ「2206」。同車は設計が古く、快適装備も少ないですが、悪路走破性はかなりのもの。しかも今でも日本で新車購入可能な数少ない「ロシア車」です。
ウクライナ戦争のやられメカUAZ「2206」
2022年2月28日にロシアがウクライナに侵攻してから、もうすぐ丸3年が経とうとしています。この戦争によるロシア軍の犠牲は大きく、深刻な車両不足に陥っているようです。最近のロシア軍は歩兵主体の攻撃が増加しており、戦車や装甲車の代わりに民生用のバンやトラック、乗用車、オートバイ、非装甲の全地形対応車を攻撃に用いるケースが増えています。
ロシアのサンクトペテルブルク市内を走るUAZ「452」の救急車(画像:パブリックドメイン)。
そのようなロシア軍が使用している非装甲車両のひとつに、「ブハンカ」(ロシア語で食パンの意味)ことUAZ「2206」に代表されるワンボックスバン/トラックがあります。このクルマは1965年から基本設計を変えることなく60年近く生産が続いている長寿車です。日本では馴染みの薄いUAZ車ですが、ロシアなどの旧共産圏では軍民問わず幅広く活用されており、その生産数は侵攻前には月産4000台の規模を誇っていました。
メーカーの正式名称は「ウリヤノフスク自動車工場」といい、その頭文字を取ってUAZ(ウァズ/ワズ)と呼ばれています。そのルーツは1916年に設立された「モスクワ自動車工場」で、1941年に独ソ戦が始まるとドイツ軍の侵攻を前にして生産拠点をボルガ河流域のウリヤノフスク市に疎開させました。
戦後、工場の所在地に因んで現在の社名に改名した同工場は4WD車の専門工場へと姿を変え、1958年にはキャブオーバー型の商用車であるUAZ「450」の生産を開始。軍用だけでなく民間向けの車両も製造するようになります。
その後、UAZ「450」は「451」へと改良されたのち、1965年にはベース車両をUAZ「469」へと変更された「452」へとモデルチェンジ。さらに1985年には、現行型「2206」へとマイナーチェンジを受けました。1991年に旧ソ連が崩壊すると、UAZは民営化され、冷戦期から生産が続くモデルに改良を施したうえで現在でも継続生産されています。
ロシア製からカザフスタン製になって現在の日本でも買える!
日本へは、2005年に東京都新宿区の「岩本モータース」が輸入代理店契約を結び日本仕様のUAZ「3909」の輸入を開始したのが端緒です。しかし、2012年に新基準の排出ガス規制にUAZ車が対応できないことから同社による輸入販売は終了。しかし、UAZ車がユーロ6規制に対応したことから東京都渋谷区の「ルパルナス」が輸入代理権を取って販売を開始したほか、愛知県名古屋市の「オートリーゼン」が並行輸入車の取り扱いを始めました。
2005~2012年にかけて岩本モータースが輸入したUAZ「3909」。エンジンは排気量3リッターの直列4気筒OHVにキャブレターを組み合わせた日本仕様の初期型(山崎 龍撮影)。
ただ、それから10年後の2022年に冒頭に記したように、ロシアによるウクライナ侵攻が始まったことから同年7月に日本政府がロシアに対して経済制裁を発動。この影響でロシア製のUAZ車は輸入がストップしています。しかし、西側の制裁回避を目的にUAZ社がカザフスタンに生産施設の一部を移したことで、現在ではカザフスタン製のUAZ「2206」として、ジープ型の「ハンター」とともに日本への輸入が再開しています。
筆者(山崎 龍:乗り物系ライター)は「岩本モータース」が輸入したUAZ「3909」を3~4回ほど試乗した経験があります。
UAZ「3909」のシャシーやサスペンション、パワートレーンなどの基本メカニズムはジープ型の「ハンター」と共用しており、違いは丈夫なラダーフレームの上に架装されたボディ形状ぐらいです。両モデルを日本車で例えると、ちょうど三菱自動車の「パジェロ」と「デリカ・スターワゴン」と同じ関係といえるでしょう。
サスペンションは前後とも頑丈なリーフリジットが使われていますが、スプリングは薄いリーフを12枚重ねたものを用い、シャックル部分はゴムを用いた可動式のリンクとすることで、不整地での走破性と乗り心地の両立を実現しています。
筆者が運転したのは3リッター直列4気筒OHVエンジン搭載車(現在は排ガス規制に対応した、インジェクション化された2.7リッター直列4気筒DOHCエンジンに換装)で、ギアボックスは4速MTです。4WDシステムはパートタイム式なので、シフトレバーの横にはハイ&ローと2WD&4WDの2つのレバーを持つ副変速機が設置されていました。
耐久性は抜群で走破性も高い!
実際に運転してみるとステアリングを含めて操作系はどれも重く、シフトレバーを殴るかのように力一杯操作しなければギアチェンジはできません。しかし運転そのものはクセがなく、そう難しくありませんでした。
UAZ「3909」の右サイドビュー。ヒンジ式のリアドアはこちら側にしか備わらない(山崎 龍撮影)。
現代のクルマでは、付いていて当たり前といえるような快適装備はいくつかないものの、乗り心地はサスペンションが前後リーフリジットと考えれば良好で、悪路の走破性能は極めて高く、車内空間はワンボックス車のため広大。クルマとしての成り立ちは古典的ですが、実用車としては非常に良くできています。
このクルマは複雑な電子部品が存在しない枯れた技術で作られており、長期の製造で不具合を起こすような箇所には、すでに改良の手が入れられ対策済みです。例えるならAK-47自動小銃と同じで、丈夫で故障は少なく信頼性については問題ありません。なお、ロシア生まれということで、極寒地での使用も考慮して耐候性に難のあるゴム部品を極力排し、金属パイプを多用していることからオイル漏れなどのマイナートラブルも少ないようです。
実際にステアリングを握ってみると、筆者はこのクルマをとても気に入りました。たしかに基本設計は古く、運転感覚は昭和30年代の商用車そのものですが、仕上げは雑なところはあるものの基本設計はなかなか優秀です。
悪路走破性はトヨタの傑作四輪駆動車「ランドクルーザー70」あたりと比べても遜色なく、車内は広く、丈夫で実用性の高さはかなりのもの。新車で買えるクラシカルなクロカン4WDを求めている人にはオススメできる1台だと思います。
前述したように、2025年現在、日本国内に入ってきているUAZはカザフスタン製のため補修用のパーツ供給も問題なく安定していることから、購入するなら新車がオススメです。
昨今の国際情勢から、どうしても色眼鏡で見られがちなUAZ車ですが、その点では「非ロシア車」として見るのが良いでしょう。
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