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バブル期に生まれたJRの高級客車「夢空間」 20年の生涯で残したもの 内装担当は百貨店

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  • 乗りものニュース
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1989年に登場以来、約20年にわたり寝台車、食堂車、ラウンジカーの3両1組で運行された高級客車「夢空間」。従来の客車とは違う、凝ったデザインや内装は、現代の豪華クルーズトレインの先駆けといえる存在でした。

3両1組で高級ホテル並みの設備がそろう

「夢空間」は、JR東日本が1989(平成元)年に製造した高級客車です。「デラックススリーパー」、「ラウンジカー」「ダイニングカー」の3両1組で運用され、それぞれ青、赤、緑を基調とした鮮やかな外観で、日本のそれまでの客車とは一線を画しており、特に「ダイニングカー」は、最後尾に連結する展望レストランとして異彩を放ちました。おもに上野~札幌間の寝台特急「北斗星」に連結されて「夢空間北斗星」として運行されたほか、団体列車や臨時列車に連結されていました。

「夢空間」は、文字通り「夢のような空間」を備えていました。

Large 200528 yume 01函館駅に停車中の「夢空間北斗星」。隣のホームには「北斗星」も停車中(鈴木周作撮影)。

「デラックススリーパー」は2人用個室を3室で構成する寝台車でした。最上級の「エクセレントスイート」は平屋タイプで14.6平方メートル。バスルームのほか、リビングとベッドルームの2間からなり、リビングにはソファ3脚とテーブル、ベッドルームにはセミダブルベッドが2台ありました。

 ほかの2室は「スーペリアツイン」です。6.5平方メートルのワンルームで、シングルベッドが2台と2人掛けソファ1脚。各部屋はトイレとバスタブ、それにテレビとカード式公衆電話を備えます。車両は日本車輌が製造し、内装は大阪発祥の老舗百貨店、高島屋がデザインしました。

「夢空間」誕生はヨーロッパの「オリエント急行」由来?

「ラウンジカー」は車掌室を除き、くつろぎとおもてなしの空間「クリスタルラウンジ スプレモ」でした。ラウンドタイプのバーカウンターとソファ、自動演奏ピアノを備え、家具や内装はおもに木製で曲線を多用したデザイン。ゴールドの装飾とガラスが、無数のライトを反射して輝き、豪華な空間でした。車両は富士重工業(現・SUBARU)製、内装は東京・銀座の老舗百貨店、松屋が担当しました。

Large 200528 yume 02「夢空間北斗星」のラウンジカー(鈴木周作撮影)。

「ダイニングカー」は展望食堂車です。最後尾の展望窓のほか、側面にも同じ高さの大きな窓が採用されました。定員4人の個室と18人分のテーブル席があります。こちらもラウンジカー同様にゴールドの装飾と多数のライトを設置し、絢爛豪華できらびやかな空間を演出していました。車両は東急車輌(現・総合車両製作所横浜事業所)が製造、内装も系列の東急百貨店が担当しました。

 JR東日本が「夢空間」を企画した理由は「次世代の寝台車の方向性を提案する」ためだったといいます。1988(昭和63)年に、ヨーロッパの豪華列車「オリエント急行」をパリ発ユーラシア大陸、香港経由東京行きとして走らせるイベントがあり、実物のオリエント急行の客車がJR山陽本線と東海道本線を走行しました。その豪華な内装に触発される形で「夢空間」は誕生したそうです。

寝台列車は「便利さ」より「楽しさ」 背景にバブル景気

「夢空間」のデビューは線路上ではなく、1989(平成元)年に開催された「横浜博覧会」のJR東日本展示エリアでした。1989年といえばバブル景気が最高潮に達したころです。前年に青函トンネルが開通し、寝台特急「北斗星」が運行開始。個室の種類が多く、フランス料理のフルコースを提供する食堂車が連結されて人気でした。

Large 200528 yume 03「夢空間北斗星」ダイニングカーの朝。DD51形ディーゼル機関車のボンネットが低いため、景色はそれほど塞がれていなかった(鈴木周作撮影)。

 一方そのころ、食堂車の営業がなくなり、B寝台が中心の東京~九州間を走るブルートレインは、斜陽を迎えていました。これからの寝台列車は実用性よりも「楽しさ」が重要。このような背景があって「楽しさ」を強く押し出す客車を造ってみたわけです。

「夢空間」は1991(平成3)年1月の臨時列車「北斗星トマムスキー号」で営業列車としてデビューしました。翌1992(平成4)年の年末にはテレビ番組とタイアップし、函館発門司港行きの「めぐり愛エクスプレス」に組み込まれます。このときはパノラマサロン客車「スーパーエクスプレスレインボー」も連結された豪華版でした。その後は団体貸切列車や臨時列車「夢空間北斗星」などで運行され、2008(平成20)年に引退しました。

「夢空間」について、寝台特急「北斗星」に450回以上も乗車し、「夢空間北斗星」も体験したイラストレーターの鈴木周作さんに話を聞きました。

いまも「夢空間」の車両に会える 保存されている場所は?

「ラウンジカーはソファの形状や壁面のガラスレリーフなど、3両のなかでも最も『オリエント急行らしさ』を感じた車両で、朝陽が差し込むときの車内の美しさが印象的でした。バーカウンターは、実質的には車販基地や売店のような使われ方でした。専属バーテンダーが立っていたら良い雰囲気だったのですが。

 ダイニングカーの食事は朝、夜とも北斗星と似たようなメニューでした。デラックススリーパーは、車内で仲良くなったご夫婦のご厚意で見学しました。『とにかく広い』という第一印象です。北斗星の個室ロイヤルの内装は重厚感のある色調だったので、夢空間の明るく開放感のある色調を新鮮に感じました」(鈴木周作さん)

Large 200528 yume 04「夢空間北斗星」ダイニングカーの夜。青函トンネル区間のED79形電気機関車は、「ドラえもん海底列車」塗装(鈴木周作撮影)。

 設備は豪華絢爛、でも、食事などのサービス内容はコンセプト通りとはいかなかったようです。しかし、この経験をふまえて、JR東日本は1999(平成11)年から豪華寝台列車「カシオペア」を運行し、現在の「TRAIN SUITE 四季島」へ継承します。約20年間も運行した「夢空間」は、「次世代の寝台車の方向性を提案する」役目をしっかり果たしたといえます。そして、他社のクルーズトレインにも影響を与えたことでしょう。

「夢空間」の3両は引退後、すべて保存されています。ラウンジカーとダイニングカーは、埼玉県三郷市のショッピングセンター「ららぽーと新三郷」に展示。デラックススリーパーは東京都江東区のレストランに設置され、予約制の個室として利用されています。オーナーシェフがオリエント急行のシェフだったという縁だそうです。

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