霞んでゆく新型旅客機「ボーイング797」計画 なぜ開発断念濃厚? その概要や経緯
- 乗りものニュース |

ボーイングが新たに開発を予定していた「NMA」、いわゆる「ボーイング797」が計画を中止する流れが濃厚です。この「NMA」、どのような飛行機で、そしてどういった原因で計画中止になりつつあるのでしょうか。
220席から270席程度 小回りもきく「ボーイング797」
アメリカの航空機メーカー、ボーイングの「NMA(New Midmarket Airplane、新中型機)」計画が撤退、もしくは大幅な見直しとなりそうです。同社はデビッド・カルホーンCEO(最高経営責任者)が就任した直後の2020年1月から、この計画を見直すことが発表されています。
「NMA」はいわゆるボーイングが787シリーズの次に開発しようとしていた旅客機で、メディア関係者を中心に「ボーイング797」と呼ばれるモデルです。
ボーイングで大型の単通路機となる737-900ER型機(画像:ERIC SALARD[CC BY-SA〈https://bit.ly/35lJqSx〉])。
2019年10月時点で、ボーイングのランディ・ティンゼス マーケティング担当副社長はNMAのスペックを「大型の単通路機と、いちばん小さい複通路機の中間にあたるもので、ふたつのモデルを用意する予定です。座席数は220席から270席程度で、需要は4000機から5000機が見込まれます。順調にいけば2020年代中盤にもデビューする見込みです」と紹介しています。
そしてNMAの航続距離は、最大で9000kmを上回る程度とされており、これは小回りが利きつつ10時間程度のフライトも可能なモデルです。
ボーイングでいえば現在生産、運航されているなかで「最も大型の単通路機」は180席から220席を配する737-900ER型機、「いちばん小さい複通路機」は210席から250席を配する787-8型機が該当します。
かたやライバルであるヨーロッパのエアバスは、2019年の「パリ航空ショー」でA321XLR型を披露します。その座席数は180席から224席で、航続距離は約8700kmと、座席数は「NMA」のほうが上回るものの、その狙いはNMAとよく似たものといえるでしょう。
このようななか、なぜボーイングは、デビューを目指していたNMAを、一転して断念せざるを得なくなってしまったのでしょうか。
ライバル機がデビューするも見直しを余儀なくされた理由
もっとも大きな理由は、ボーイングのロングセラー機である737シリーズの最新モデル、737MAXが相次いで同じ原因と見られる航空事故を起こしてしまったことです。それらは失速を防ぐ「自動失速防止システム(NCAS)」が誤作動してしまい、パイロットの意に反した挙動をとってしまったことが原因といわれています
先出のランディ・ティンゼスマーケティング担当副社長も、「まずは737MAXの問題を解決したのち『NMA』について検討することになる」としていましたが、結果、737MAXの生産を2020年1月から一時停止することになり、前CEOもその責任を負い交代を余儀なくされるという事態におちいります。
NMA計画縮小の一因といわれているモデル、737MAX(画像:Jeroen Stroes Aviation Photography[CC BY-SA〈https://bit.ly/2xmm7eG〉])。
そしてそののち就任したデビッド・カルホーンCEOは早々に、737MAXで問題となった操縦システムを見直す必要性が生じたことや、それまでの市場環境の変化などを理由に「NMA」をいったん白紙に戻す方針を明らかにしています。
そしてこの白紙状態をより深めたのが、2020年2月ごろから世界的に広がった新型コロナウィルスの感染拡大の影響です。航空業界はこの影響を大きく受け、旅客の需要は大きく減退、カルホーンCEOは、現地時間4月27日(月)に株主総会で、感染拡大以前の航空需要まで戻るには数年の時間が必要であることを現地メディアに明かしています。これにより一層、737MAXの問題をいち早く解決し、生産や運航を続けることに注力する一方、NMA計画が改めて動き出す見込みはますます薄くなったといえるでしょう。
なお、737MAXシリーズにはこれまでの737シリーズのなかでは最長の胴体と、最大の席数をもつ、737-MAX10型機もラインナップされており、先述の問題がなければ2020年内にもデビューする予定でした。その席数は188席から230席とされています。
誤字を修正しました(5月2日18時10分)
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