これで国道8号「県内ほぼ“4車線化or立体化”」実現! 市街地の“現道拡幅”まもなく完成 隣の区間は「まるで高速」そうならなかったワケ
- 乗りものニュース |

石川県内の国道8号で対面通行区間となっていた「加賀拡幅」事業が、まもなく完成します。隣の区間は“ほぼ高速道路”の規格ですが、この区間が現道を拡幅することになったのには理由がありました。
“ほぼ高速道路”区間の先に残っていたボトルネック解消へ
石川県内を走る「国道8号」の「加賀拡幅」が、まもなく完工し、2025年度内に供用を迎えることになります。これにより、同県の国道8号はほぼ全線が4車線以上もしくは立体道路となります。
「加賀拡幅」事業区間の東端、「松山町」交差点。いったん山側に拡幅したのち、現在は工事が行われている中央線側を対面2車線で供用していた(植村祐介撮影)
国道8号は新潟市から京都市まで、日本海に沿って走る大動脈です。古くから片側2車線化を主体とする整備が行われてきましたが、並行する北陸自動車道が開通した後も、一部に残った対面交通の区間では平日朝夕や休日の日中など、交通量の多い時間帯にはボトルネックとなっていました。
そのため現在まで各所で改良工事が続けられ、近年開通したバイパス区間では信号のない“ほぼ高速道路”となっているところもあります。
供用が間近となった加賀拡幅は、対面2車線のまま残されていた石川県加賀市箱宮町から同加賀市黒瀬町までの延長6.4kmを、中央分離帯のある対向4車線へと拡幅する事業です。
この区間の東側の国道8号は、能美市からはじまる「小松バイパス」が、前述の“ほぼ高速道路”状態で、加越山地の山すそに沿って走っています。
ただ事業区間の東端の箱宮町では、この小松バイパスと、小松市街からの片側2車線の旧国道8号(現国道305号)とが合流したあとで片側1車線となるため、道路容量が不足し、混雑が避けられない状態でした。
一方、西側は福井県あわら市との県境となる「牛ノ谷峠」を片側1車線で越えた国道8号が、いったんは加賀市内で片側2車線となるものの、事業区間の西端の黒瀬町で再び片側1車線となり、流れが滞る形となっていました。
この事業の完成により、東側は小松バイパスと国道305号との合流後もスムーズな流れが実現し、また西側からは石川県内に入り片側2車線となった快適な道が、そのまま小松市方面に続くことになります。
住民参加で決まった「現道拡幅」
この区間の拡幅の構想自体は古く、計画線調査がはじまったのは1973年ですが、事業化されたのは2003年で、2007年に着工しています。
小松バイパスは完全立体交差の“ほぼ高速道路”だ(乗りものニュース編集部撮影)
その後、2010年には事業区間の松山交差点以東の2.0kmが開通し、小松バイパスと国道305号のスムーズな合流が実現。2016年から2017年にかけては加茂交差点付近以西の2.2kmが順次開通しています。
こうして工事が進んだ結果、残されたのは事業区間の中央、松山町から加茂町にかけての2.2kmとなっていました。しかし2025年10月現在、この区間の拡幅、舗装工事もほぼ終わり、供用を待つのみとなっています。
この加賀拡幅が事業化に至るまでは、けっして順調な滑り出しではありませんでした。一般的に沿道の商業へ影響があるとされる中央分離帯設置への反対など、さまざまな意見、要望が出されたといいます。
そこで全国ではじめて、住民と行政が一体となって計画を策定する「PI(パブリック・インポルブメント)方式」を採用、都市計画決定前の1999年度から2001年度にわたり、のべ1300人超が参加し、「現道拡幅案」のほか複数の「バイパス案」を含めた5案について検討を重ねることになりました。
その結果、まず「現国道の賑わいを活かしたみちづくり・まちづくりを行う」という方針にもとづき当初の5案から、「現道拡幅案」と、「近接バイパス案(山側案)」の2案に絞り込まれました。さらに「まちづくりの実現性」を重視し、最終的に「現道拡幅案」に決定したということです。結果的に、この区間は東側につながる小松バイパスのような“ほぼ高速道路”規格にはならなかったのです。
もう一つの住民参加の賜物とは?
さて、こうした関係者の努力の末、供用を迎えることになった加賀拡幅の事業区間について、2025年10月、実際にクルマを走らせてみました。
福井県境の牛ノ谷峠前後は2車線ながら信号はほぼ無し。並行してトンネルが計画されている(画像:金沢河川国道事務所)
福井県から前述の牛ノ谷峠を下りたところからはじまる片側2車線区間では、クルマの流れは順調で、そのまま加賀市内へと進んでいきます。そして加茂交差点を過ぎたあたりで車線は絞り込まれ、その先に真新しい舗装をパイロンで区切った片側1車線の道路となります。
工事そのものは、西島交差点から桑原交差点までが北側に車線を追加、桑原交差点から松山交差点までは南側に車線を追加して拡幅していますが、すでに拡幅そのものは終わっていたことから、上下線とも中央分離帯側にパイロンを並べ、中央分離帯にかかわる設備の最終的な整備が行われている状況でした。
また歩道もかなり余裕を持って作られ、松山交差点から黒瀬交差点までは、歩道と並行して自転車道の設置が進む状況も見てとれました。この自転車道も、前述のPI方式による要望を受けてのものだということです。
一方、小松バイパス側からは、小松バイパスの“ほぼ高速道路”から国道305号との合流を経て片側2車線の平面交差のある道路となり、その先で片側1車線という形で、徐々に流速が落ちる構造でした。これが加賀拡幅により、流速を落とすことなく加賀市を抜け、福井県境手前まで走れることになるはずです。
今回の加賀拡幅の供用が行われると、石川県内の国道8号はほぼ全線で4車線化もしくはバイパス化が完成したことになります。さらに、小松バイパスに残る暫定2車線部の4車線化も進められているほか、福井県境部の牛ノ谷峠も改良事業が始まっており、新たにトンネルが掘られる計画です。
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