梅雨の頭痛&だるさは「漢方薬」で改善できるけど…実は逆効果の人も 薬剤師に聞く“服用時の注意点”
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梅雨の時期に漢方薬を服用すると症状を改善できる?(画像はイメージ)
梅雨は頭痛やめまい、倦怠(けんたい)感などの症状に悩まされる人は多いのではないでしょうか。近年、ネット上では漢方薬がこうした症状の改善に効果的といわれており、注目されています。梅雨の時期におすすめの漢方薬や服用時の注意点などについて、薬剤師の真部眞澄さんに聞きました。
体質に合わない漢方薬を服用すると副作用の恐れ
Q.そもそも、漢方薬はどのような人におすすめなのでしょうか。また、漢方薬の服用を避けた方がよい人はいますか。
真部さん「まず、漢方薬は検査で症状の原因をはっきり特定できず、軽度の不調が長引いている人におすすめです。
具体的には、季節の変わり目や天候に体調が左右される人、冷えやだるさなどの、命に関わるものではないが、じわじわと苦しめられる症状がある人、不調の原因が体質的なものの人などで、症状の改善や解消を目的としている人には漢方薬が合っていると思います。
なお、漢方医学には『証』という考え方があり、患者の自覚症状や体質、体力、抵抗力、寒熱などを総合的に分析して、本人に合ったものを選ぶことが大切です。同じような症状でも『証』が違えば処方される薬も異なります。体質に合わないと副作用を招くことがあるため注意してください。
漢方薬の服用を避けた方が良い人は、急な痛みや症状がある人です。急性の痛みは原因が分かることが多いので、自己判断で漢方薬を服用する前に、まずは医師の診断を受ける必要があります。症状によっては医師が適した漢方を処方してくれる場合もあるかもしれません。
また、妊娠の可能性がある人や妊娠中の人、併用薬がある人、持病がある人、体力が極端に低下していて薬の影響が強く出る可能性がある人などは、自己判断での服用を避けていただきたいです。これらに該当する場合、体質などの要素も含めて、医師や薬剤師に相談していただくのが良いと思います」
頭痛やめまいは漢方薬で改善できる?
Q.梅雨に起きる頭痛やめまい、だるさといった症状は、漢方薬で改善できるのでしょうか。
真部さん「漢方薬は梅雨の不調を改善するのに効果的です。気圧の変化や湿気で体に余分な水分がたまる状態を、漢方医学では『水滞』や『水毒』と呼びます。これを除くことが不調の改善につながると考えられており、漢方はこのタイプの不調に向いています。そのため、梅雨の時期の不調には体内の水分バランスを整える漢方薬がよく使われるのです。
そもそも、梅雨になぜそのような症状が起きるのかというと、気圧の低下と高い湿度が自律神経のバランスを崩すからです。近年は気象病、頭痛の場合は天気痛などと呼ばれていますが、低気圧による頭痛は気圧を感知する内耳が刺激されて自律神経が過剰に反応することで引き起こされます。
気圧が低いと、外からの圧力が下がって血管が拡張して頭が痛くなったり、水分が排出されにくくなって内耳のリンパがむくみ、平衡感覚のコントロールに影響が出てめまいが生じたりするようになります。また低気圧が続くと体がリラックスする副交感神経が優位になり、眠気やだるさを招くこともあります。
さらに、梅雨は湿度が高いので体温と水分がうまく調節されなくなります。湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体温が適切に調節されず、体内に熱がこもることで倦怠感につながります。余分な水分が排出されず、むくんで血流が悪くなることで頭重感が出ることもあるでしょう。
梅雨は日照不足で太陽光を浴びる時間が減り、気分を安定させるセロトニンが減少傾向にあり、気分が落ち込んだり自律神経が乱れたりしがちです。太陽光はうつ症状にすごく効き目があるといわれているため、朝はカーテンを開けて太陽光を浴びていただければと思います。
梅雨に頭痛やめまいなどの症状が出やすいのは確かですが、自分では梅雨のせいだと思っていても、重大な病気が隠れているケースもあるため、不調が長引くようであれば必ず受診していただきたいです」
おすすめの漢方は?
Q.どのような漢方薬がおすすめなのでしょうか。
真部さん「漢方薬は個人の体質などに合わせて選ぶことが重要なので、必ずしも全員におすすめというわけではありませんが、代表的な漢方薬をご紹介します。
まず、めまいやふらつき、頭重感、動悸(どうき)、のぼせが主な症状の場合には『苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)』がおすすめです。立ちくらみが伴うふわふわとしためまいや頭痛によく用いられ、体の上部に滞った水の巡りを良くする働きがあります。
次に、もともと胃腸が弱く、冷え性でだるさや頭重感が強い人には『半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)』がおすすめです。さらに、胃腸が弱くて疲れやすく、だるさや食欲不振の症状が強い場合には、胃腸の機能を整えてくれる『六君子湯(りっくんしとう)』がよいでしょう。
また、夏の湿気や暑さで弱り、だるさや疲れやすさがメインの症状の人には『補中益気湯(ほちゅうえっきとう)』がおすすめです。気を補って元気を出す薬で、夏バテの人に医師が処方するケースもあります。
そして、喉の渇きがあって尿量が少なく、雨の日に頭痛やむくみ、体が重いという症状がひどくなる人におすすめなのが、気象病対策として最もポピュラーな『五苓散(ごれいさん)』です。利尿作用があって体内の余分な水分を排出し、体の水分バランスを調節するので、二日酔いで顔がむくんでいる場合などにもよく飲まれます」
漢方薬を服用する際の注意点とは?
Q.梅雨の時期に漢方薬を服用する際の注意点について、教えてください。
真部さん「まず、先述のように漢方薬は体質に合っていないと効きません。漢方は症状だけではなく、体格や体質、冷え、体力、胃腸の強さも加味して選ぶことが重要です。
合わない漢方薬は効かないだけでなく、胃が弱い人は胃がもたれたりなど、副作用が強く出ることもあるため注意してください。迷ったら自己判断せずに、薬局にいる薬剤師に相談してから購入するのが良いと思います。
次に、漢方薬には即効性があるものとないものがあるため、即効性のない漢方を1回飲んで効かないと決めつけないことが大切です。比較的早く効くので頓服としても飲める五苓散や、足がつったときに効く『芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)』などは即効性がありますが、体質改善系の漢方薬は数週間から1カ月程度の継続が必要となります。
しかし、飲んでいても症状がひどくなる場合、または何も変わらない場合は漢方が効いていないということなので、服薬を中止して受診してください。
さらに、梅雨は水分代謝が悪い状態なので、水分の取り方にも注意していただきたいです。気温が高い日もあり冷たいものを一気に飲みがちですが、運動した後に冷たいものをたまに飲む程度にとどめ、クーラーの効いた部屋にいるときなどは常温で小まめに水分補給をするようにしてください。
また、漢方薬の飲み方にも気を付けていただきたいです。体内での吸収を考慮すると、通常は食後から2時間くらいたった空腹時、いわゆる食間であったり、食事の約30分前に水またはさゆで飲んでいただくのが望ましいですが、飲み忘れた場合は食後でも構いません。食後でも効き目が完全になくなるわけではないため、食後だからもう飲まないと考えるのではなく、1日量を考慮して飲んでいただければと思います。
なお、漢方薬を市販薬と併用して服用する場合は、甘草などの成分の重複や利尿作用の重複などに注意が必要なので、必ず確認してから購入してください。また、処方薬がある人も相互作用を確認してくださいね」
* * *
漢方薬は梅雨の時期の不調を解消できることが分かりました。自分の体質に合ったものを選ぶことが重要なので、漢方薬選びに迷ったら自己判断せずに薬剤師や医師に相談しましょう。
(オトナンサー編集部)
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