【しょうゆ】「こいくち」は万能 では「うすくち」は? キッコーマンに“違い”と“使い分け”を聞く
- オトナンサー |

年末年始に、魚や肉の刺し身、煮物、鍋などを楽しんでいる人も多いのではないでしょうか。そんな和食に欠かせないのが「しょうゆ」です。スーパーやコンビニなどで「こいくち」「うすくち」「たまり」といった文字を見たりしますが、特に違いを意識せずに、使用しているという人もいるのではないでしょうか。そこで、300年以上にわたって、しょうゆづくりを行ってきたキッコーマン(千葉県野田市)で、現在、広報を担当する五味義幸さんに、「こいくち」「うすくち」の違いなどについて、聞いてみました。
うすくちの方が食塩の量が多い
Q.まず、「こいくち」しょうゆの特徴を教えてください
五味さん「日本のしょうゆ生産量の8割以上を占め、日本全国で親しまれているしょうゆです。塩味のほかに、うま味、甘味、酸味、苦味を合わせ持ち、透明感のある明るい赤橙色をしています。調理、つけ、かけ用と幅広く使える万能調味料で、しょうゆらしい芳醇(ほうじゅん)な香りが特徴です。寿司(すし)やそばといった江戸で発展した料理、ステーキやすき焼きなどの肉料理にもよく合います。

Q.では、「うすくち」しょうゆの特徴を教えてください
五味さん「色が淡く、香りのおとなしいしょうゆで、一般的に食塩の量はこいくちしょうゆよりも多いです。色や香りが抑えてあるので、素材の持ち味を生かす炊き合わせや、うどんでだしと合わせるのもおすすめです。

Q.ずばり、「こいくち」と「うすくち」で何が違うのか、教えてください。
五味さん「『こいくち』は大豆・小麦・食塩をいったり、むしたりした後に、こうじ菌としょうゆ菌を加え『もろみ』を作ります。その後、もろみに酵母と乳酸菌が加わり、圧搾した『生揚げしょうゆ』を火入れして完成します。一方の『うすくち』は大豆・小麦・食塩に、米を加えます。『こいくち』の製法に、米の米こうじ、甘酒といった成分が加えて、作り上げます。お伝えした通り、味が異なっているのに加え、製法も違うというわけです」
Q.しょうゆの種類として「たまりしょうゆ」というものもあります。「こいくち」「うすくち」とは、また違うものなのですよね?
五味さん「色が濃く、とろみがあってうま味が強く、独特な香りがあるしょうゆです。ほぼ大豆だけでつくられています。加熱すると赤みがかったきれいな色が出るので、てりやき料理におすすめです」
しょうゆの違いを知っていると、料理に合わせてひと工夫しやすくなりますね。年末年始では、刺し身や鍋料理などさまざまな食事を楽しむと思います。使い分けながら旬のメニューを楽しんでみるのは、いかがでしょうか。
オトナンサー編集部
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