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3回目の育休を1年間取得したパパが語る「いかに“育児のいいとこ取り”をしていたかに気づいた」

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  • マイナビウーマン
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育児休業を経験し、子育てに奮闘している当人の声を聞いていくインタビュー連載・「男性育休取ったらどうなった?」。今回は3人目の誕生で一年間の長期育休を取得したパパにお話を詳しく聞きました!

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パパが1年間の育休を取得した玉川ファミリー

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今回のパパ
玉川陸さん/36歳/大日本印刷株式会社 総務部 総務課 課長

●ご家族
妻:亜里奈さん/36歳/ダンス講師
長男:碧くん/9歳
長女:まつりちゃん/7歳
次女:あまねちゃん/1歳

●玉川家のパパ育休
2023年11月に第三子となる次女が誕生。翌年11月まで1年間の育休を取得した。自身は第一子(2016年誕生)、第二子(2018年誕生)のときも、ともに1カ月半の育休を取得。今回が3回目の育休取得となった。

玉川さんの育休中のタイムスケジュール

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■振り返ったときに後悔しない時間を過ごしたかった

――玉川さんが育休を取ろうと思われた理由を教えてください。

玉川さん もしもの話なんですが……何十年後かの自分の未来に神様が現れて、「あのときの子どもたちともう一度1年間一緒に過ごさせてあげよう」と言われたら、どんなものを投げ打ってでも「お願いします!」と答えるだろうな、と思ったんです。自分の人生をあとで振り返ったときに、子どもたちが小さい間の家族の時間はそれくらいかけがえのないものになるはずだと感じていました。

今回の育休は1年間ですが、実は長男(2016年生まれ)・長女(2018年生まれ)のときも、それぞれ1カ月半ずつの育休を取得したんです。当時はまだ男性育休を取得するのが珍しい時代でしたが、とてもいい経験となりました。今回は第三子ということもあり、もしかすると子どもが生まれるのは人生で最後になるかもしれない。だからこそ、できる限りの長い時間を家族と共に過ごしたいと思いました。

――上司にはいつご相談されたのでしょうか?

玉川さん 妻が安定期に入った頃です。僕の勤めるDNPは「男性育休100%宣言」に賛同していて、育休の説明会などの社内啓発も積極的に行われています。2024年度末には男性の育休取得率が96.4%にまで達していて、すでにグループ全体として文化が根付いており、自分が上司に報告したときも、むしろ上司のほうから「育休はどうする?」と聞いてくれました。

――その時点で「1年取りたい」とお伝えされたんですね。

玉川さん はい。上司も快く受け入れてくれました。ただ、男性が育休を取るのは一般的になってきたとはいえ、1年間という長期はまだ珍しいケースです。僕はずっと総務部に所属しているのですが、実際に育休の取得が決まってからは「総務だからできるんでしょ」と言われることもありました。でも正直、それはあまり関係ありません。自分はどの部署に所属していても、子どもが生まれるなら同じように1年間の育休を取っていただろうと思います。

一方で、その上司からは「総務部に所属しているからこそ、先陣を切って長期育休を取得してほしい」とモデルケースとなる期待を込めて、背中を押してもらいました。また「玉川さんが男性社員であろうと女性社員であろうと、育児を担う仲間である以上は同じ対応をする」と言ってもらえたことも本当に心強く、嬉しかったですね。

■子育ては人間の本能。やらないのはもったいない!

――育休を取られた背景には、ご実家が遠いなどの事情もありましたか?

玉川さん いいえ。私と妻は共に東京出身で、妻の実家は自宅から歩いて5分ほどの距離です。

――それだけ近ければ「産後は妻の実家にお願いする」というケースも多いと思います。それでも、一人目のときから男性育休を取ろうと考えられたのは、何かきっかけがあったのでしょうか?

玉川さん 特に大きなきっかけがあったわけではありません。ただ、人間としての本能というか……。「子育てってこんなにおもしろそうなものを、やらないのはもったいない!」という思いが、一人目が生まれる前からずっとあったんです。

とはいえ、長男のときの育休は正直あまりうまくいきませんでした。初孫ということもあり、祖父母も積極的に関わりたかったと思うし、妻にとっても自分の親に任せるほうが安心だったはず。そんな中、私は「やりたい!やりたい!」と気持ちだけ先走ってしまって……。結局はそんなにできることが少なく、結果的に「自分は今、何のためにここにいるんだろう?」とすごく考え込んでしまいました。

だからこそ、2人目の長女のときは「同じことを繰り返さないように」と、私たち夫婦と妻の実家との役割分担を事前に決めました。「ここは自分がやる」「任せるところは任せる」と整理したことで、育休生活もスムーズに進んだと思います。

そして迎えた3回目。今回は基本的に自分たちでやってみることに。私は母乳が出ない分、上の子たちのお世話を担当し、妻は下の子を中心に見る。その分担がうまく機能しました。

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「日中、子どもたちのことを全力で対応するために、自分のスマホタイムは寝かしつけ後か早朝の子どもたちが起きてくる時間までと決めてました。朝だと子どもたちが意外と早く起きてくるんで、あっという間なんですけどね(笑)」

■“ママになりたい!”くらいの意気込みで、育休に臨んだ

――育休中は具体的にどんなことを担当されていましたか?

玉川さん 主には上の子のケアですが、とにかく「母乳以外は全部やりたい!」という気持ちでした。「ママになりたい!」くらいの意気込みで、育休に臨んだんです。

例えば予防接種の付き添い。それまでも予防接種を受けに子どもを小児科に連れて行ってはいましたが、問診票を書くのは初めてでした。「出生時に異常がなかったか?」「今の体重は?」となんて聞かれますよね。以前の僕はと言えば、妻が記入してくれた用紙を持参するだけで、自分は書かれた内容もよく把握していませんでした。でも今回は、その準備からすべて担当することに。

日常の場面では、それまでよくやっていた育児についても気づくことがたくさんありました。例えば、お風呂って一緒に湯船に浸かるだけがお風呂じゃない。乗り気でない子どもを脱衣所に連れてきて服を脱がせ、一緒に髪や体を洗って湯船に浸かり、ワンオペの場合、出たら自分はびちょびちょのまま子どもを拭いて着替えさせる。自分のことをちゃんと拭くのはいちばん後だったりします。

僕はスキンヘッドなので楽ですが、長い髪を濡らしたままの女性も多いはず。こういった苦労は、以前から理解していたつもりでしたが、実際に経験して初めて実感し、これまで自分がいかに“いいとこ取りの育児”しかしてこなかったことに気づかされたんです。

■娘の髪を結ぶのに苦戦。綺麗なポニーテールができたときは嬉しかった!

――育休中に初めて挑戦したことは他にもありましたか?

玉川さん 長女の髪を結ぶのに初挑戦しました。YouTubeでいろいろ調べて、かわいく仕上げようと頑張っていたんですけど……結び方がゆるいのか、帰ってくる頃にはボサボサになっちゃうんです。毎回「ごめんね」と謝って、長女は「いいよ」とやさしく言ってくれるんですけど、妻に結んでもらったときの嬉しそうな顔を見て、「あ、これは敵わないな」と感じました。

――髪を結ぶのって、見た目よりずっと難しいですよね。

玉川さん そうなんですよ。だから、あれこれ手を出すんじゃなくて「ポニーテールだけは極めよう」と決めました。僕、自分に髪がないから(笑)、最初は力加減が全然分からなくて……。長女が痛いんじゃないかと思って、怖かったんですよ。

でも妻に「もっと強めで大丈夫だよ」と教えてもらって、思い切ってぎゅっと結んでみたら……びっくりするくらいきれいにできたんです。それがもう嬉しくて! それ以来、長女のポニーテールは僕が担当でした。でも、ほかの髪型にする必要があるときは、妻にお願いするようにしたんです。

そういうふうに「自分ができることはやる、できないことは頼む」って大事なんだなとあらためて気づきました。全部ができるようにならなくてもよかったんだ、と思えたんです。

――自分ですべてやってみたからこそ、その結論に至ったんですね。

玉川さん そうですね。自分はポニーテールしかできないし、実は問診票のような書類の記入をするのも苦手で…妻に教えてもらいながらなんとかやっていました。しかし、子どもの宿題や荒れているときの対応にとことん付き合うのはわりと得意なんです。

例えば、長男は不安を感じたり「理不尽だ」と思ったりすると、すごく強く反応するタイプで、大嫌いな予防接種の注射のときは、先生の前で癇癪を起こすことも。でも僕は「無理しなくていい」と思うので、「先生すみません、後にさせてください」とお願いして、周りの人に「ごめんなさい!」と頭を下げながら、病院の隅で落ち着くまでずっと一緒にいます。でもそういうのは全然苦にならないし、この対応は多分長男にも合ってるんだろうなって。だから妻には今でも「長男の気持ちが落ち着かないときは、僕が全部担当するから」と伝えています。

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「育休中に迎えた次女のハーフバースデー。子どもたち全員、おしゃれして、公園で記念の写真を撮ってもらいました!」(玉川さん)

■育休から戻った後、管理職に

――復職後のことを教えてください。

玉川さん 戻ってみると、メンバーがすごく成長していて驚きました。育休に入る前の僕は管理職ではないものの、部内では年長者だったんですね。その自分が一年いなくなることで、後輩に不安を与えてしまった部分がとても多くあったようで……。もちろん、引き継ぎはかなり丁寧にしたつもりですが、やっぱり僕の不在の間は迷惑をかけてしまったこともあったそう。だけど、一度も連絡が来なかったんですよ。おそらく、意図的にそうしてくれたんだと思います。

そして迎えた復職。1年も経っているわけですから、戻ったときに正直「僕がいなくても全然回ってる!」と思いました。ネガティブな意味ではなく、ポジティブな意味でそう思えましたし、いなくても回っている方が戻りやすいと感じました。

――先ほど「当時は管理職ではなかった」とのお話でしたが、現在は課長ですね。復職後に管理職になられたんですか?

玉川さん そうなんです。

――ということは、長期の育休が職位が上がることの足かせになることはなかった、と。

玉川さん はい。僕自身は、まず「役割や職位のことは考えず、家族を優先しよう」と思って長期育休を取ったので、まさか復職後にそういうお話をいただけるとは思っていませんでした。「うちの会社ってやっぱりすごいな!」と素直に思いましたし、管理職になるにあたって「こんな本を読んでみるといいよ」といった提案もされて、すごくワクワクしたのと同時に、身が引き締まる思いでした。

■会社に出社する前夜に家族一人ひとりに手紙を書いた

――復職後のことを教えてください。1年間ずっと家にいたパパが、会社に毎日通うようになって、それはそれでお子さんたちにとっては寂しかったのでは?

玉川さん 実は復職するにあたって、家族にお願いしたことがあるんです。前夜に「パパありがとう」みたいなのはナシにしてくれって。当日も、みんなで「いってらっしゃい!」と盛大に送り出すんじゃなくて、いつも通りに過ごして、いつも通りに寝て、朝起きて出勤する。そんな普通の1日として迎えたかったんです。

でもその代わり、家族一人ひとりに僕から手紙を書いて置いていきました。前の日にみんなが寝たあと、ボロボロに泣きながら書いたんですけど(笑)。そしたら、長女が数日後にお返事をくれて。「パパが会社に行っちゃって寂しいよ」と書いてありました。その手紙は本当に嬉しくて、今でも僕の宝物です。

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「娘からのお返事。宝物です!」(玉川さん)

■妻と2人のときは、恋人時代の新鮮な感覚

――今回の1年間で、亜里奈さんとの関係もより深まったのではありませんか?

玉川さん そうですね。お互いを助け合うパートナーとしての絆が、すごく深まったと思います。

――亜里奈さんはどんな方なんですか?

玉川さん 僕から見ると、とにかく家族のことを全力で考えられる人ですね。あくまで僕の場合、愛情が100あるとすると、それを妻や子どもの人数で分け合っていくような感覚なんです。でも妻は、一人ひとりに100、100、100でいけちゃう人。子どもたちそれぞれに100の愛情を注ぎながら、僕にも100の気遣いをしてくれる。本当にすごいなと思います。

――愛情深い方なんですね。

玉川さん 実は一人目が生まれる前は「子どもに妻を取られちゃうんじゃないか」と漠然とした不安がありました。母と子の絆ってすごく強そうに見えるじゃないですか。でも実際は僕もどんどん子煩悩になっていって! 生活の中心は子どもになったけど、子どもが学校に行っている間や、預けて夫婦2人だけになる時間があると、それがすごくいい時間なんです。

僕たち夫婦って、高校生のときに出会っているんですね。20年くらい一緒にいて、今は話す内容はほぼ子どものことですが、2人でいるとふと以前の恋人同士の感覚がよみがえる。育休の間は、そういう瞬間が当たり前のようにありました。

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「子どもたちに『育休でパパがいて良かった?』みたいなことは尋ねませんでした。きっと気を遣わせてしまうし、僕が取りたくて取った育休だったから!」(玉川さん)

■ママやパパの思うような育児をすればいい

――最後にこれからママやパパになる方たちに向けて、メッセージをお願いします。

玉川さん 今の時代ってこうあるべきとか、これはしてはいけないとかって情報が世の中に溢れていますよね。もちろん、悪いことではなくて、皆さん善意でその情報を発信されてるんですけど、正直、自分たち親も子どもも一人ひとりがまったく違うじゃないですか。

だから、本当に思うがまま……ママやパパがやった方がいいと思うならやればいいし、やらざるべきだと思うならやらなくていいと思うんです。人は世間の当たり前に自分を縛ってしまいがちだけど、強いストレスになりますし、自分たちの家庭にどういうやり方がマッチするかなんてわからないので、もっとやりたいようにやった方がいいと思います。

――夫婦で「こうしたい」が異なることについてはどう思われますか?

玉川さん ありますよね。夫婦のその差異って育児の中でいちばんストレス。だから、基本的にはお互いのことを聞く、傾聴の姿勢が大事だと思いますね。

例えばパパの立場で言えば、ママが今日起きたことやこれからやっていきたいことに対して、「こうした方がいいよ」なんて“解決思考型のアドバイス”をするんじゃなくて、「そうだったんだ、そんな気持ちなんだ」とまず受け止めることが大事だと思います。もちろん、それって忙しい日々の中ですごくエネルギーのいる話なんですけど。でも、パパがそうした方がきっと家庭もうまく回るんじゃないかな。

ママ側も……例えば、パパが気を利かせておむつ替えたり、ワンオペしたときって、ドヤ顔で「やったよ」と伝えちゃうじゃないですか。それを聞いて、ママは「それ私は毎日やってるから!」ってイラっとしがちだと思うんですよ。

その気持ちはわかるんですが、パパとしてはただ承認してもらいたいだけで、もちろん、ママよりやってるとはまったく思っていないはずです。だから、「やってくれたんだ、ありがとう」と、一言言ってあげればいいんじゃないかな。もちろん、パパもママに日頃から「ありがとう」と伝えて、お互いに承認し合えれば、円満な家庭になるんじゃないかなって、そんなふうに思いますね。

(取材・文:江原めぐみ、イラスト:ぺぷり)

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