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大臣も名指しで激怒! 三菱商事「洋上風力撤退」で暗雲ただよう“船業界” 「責任は極めて大きい」

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  • 乗りものニュース
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三菱商事を中心とした企業連合が洋上風力発電事業から全面撤退。それにより暗雲が立ち込めているのが造船メーカーや船社です。経済産業大臣が「責任は極めて大きい」と名指しで批判する、その影響を探ります。

「さらなる撤退防ぎたい」 三菱商事の“洋上風力”撤退

「我々としては、なんとかして洋上風力発電からのさらなる撤退を防ぎたい」

Large figure1 gallery25洋上風力発電所のタワーを運ぶDCVの例。写真のAegirは5000トン吊りクレーンを搭載(深水千翔撮影)。

 2025年9月に千葉県内で行われた風力発電展(WIND EXPO)の講演で資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部の古川雄一風力政策室長は、三菱商事を中心とした企業連合が秋田県と千葉県で進めていた洋上風力発電事業から全面撤退したことに言及。「洋上風力が重要な電源であるという政策上の重要性は変わらない」と述べ、さらなる制度整備を進めていく方針を強調しました。

 2050年カーボンニュートラルを掲げる日本政府は洋上風力発電について「我が国の再生可能エネルギーの主力電源化に向けた『切り札』」と位置付けており、今年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画では「2030年までに10GW(ギガワット)、2040年までに浮体式も含む30―45GWの案件形成を目指す」ことが明記されています。

「最近はデータセンターの建設やDX(デジタル・トランスフォーメーション)、AI(人工知能)の普及といった動きの中で、そもそもの電力の需要が全体的に増えるのではないかという予測もある。従来のように原発か火力か、もしくは再エネのような対立構造ではなく、パイが増えるような状況で、原発も再エネも両方しっかり整備していく」(古川室長)

 洋上風力は、事業規模が数千億円から1兆円規模と試算されており、そのプレイヤーも発電事業者から風車メーカーや基礎メーカー、据え付け、運用、維持管理など幅広い経済波及効果が見込まれます。巨大な構造物を海上に建設することから、ブレード、ナセル(風車の中心部)、タワー、基礎などを運び設置を行う大型の船舶や、港と風車を往復するCTV(作業員輸送船)など大小さまざまな船が必要です。

 このため、特に造船所や船社は、需要の増加に大きな期待を寄せていました。しかし、そうした洋上風力発電の普及に大きな逆風が吹いています。

懸念が現実に

「世界全体でインフレによる資材価格の高騰、サプライチェーンの逼迫、金利上昇などの影響を受けて、洋上風力発電の開発コストが大幅に上がっている。それに伴ってプロジェクトの撤退が発生しており、昨年から日本でも同じことが起きる懸念があった」(古川室長)

Large figure2 gallery26洋上風発への人員・物資輸送船(SOV)の模型。CTVと共に日本の中小造船所でも需要拡大が見込まれていた(深水千翔撮影)

 これを防ぐため経済産業省では、入札後に起きた物価変動の影響を反映する価格調整スキームの導入など環境整備を進めていましたが、懸念は的中することになります。

 三菱商事は2025年8月27日、「秋田県能代市・三種町・男鹿市沖」「秋田県由利本荘市沖」「千葉県銚子市沖」の3海域(計約1.7GW)で進めていた洋上風力事業から撤退することを発表。当然ながら、その翌月に開催された風力発電展に、同社らの姿はありませんでした。

 そもそも三菱商事と中部電力子会社のシーテックらのコンソーシアムは、一般海域における洋上風力開発の第1回公募(第1ラウンド)で破壊的ともいえる低価格で落札をしていました。例えば由利本荘市沖では、政府が示した売電価格の上限が29円/kWhに対して、11.99円/kWhの供給価格を提示しています。

 2021年12月にこれが公表された当初から、造船所や船社など関係者からは採算性を疑問視する声が上がっており、大型案件であるにもかかわらず「儲からない」「安すぎて仕事にならない」と冷ややかな視線を向けていました。

そうは言っても「成り立たない」

 加えて第1ラウンドはFIT(固定価格買取制度)による入札であることから、事業環境の変化によるコスト増があっても、応札価格より高い値段で売電することはできません。さらに三菱商事の中西勝也社長は会見で「入札時の2倍以上の価格になっても成り立たない。何千億円を投資してマイナスのリターンになるものを継続することは民間企業としてはできない」と風力発電の事業環境の厳しさを語っていました。

Large figure3 gallery27風力発電展で登壇する資源エネルギー庁の古川雄一風力政策室長(深水千翔撮影)

 三菱商事の事業撤退を受けて武藤容治経済産業大臣は「最初の案件がこのような結果になったことはたいへん遺憾。途中で放棄する責任というのは極めて大きい。日本を代表する企業として責任を重く受け止め、地元の方々に対しても、最大限の真摯な対応を行っていただきたい」と述べています。

 武藤経産相が憤るように第1ラウンドから三菱商事らが撤退したことで、エネルギー基本計画で掲げられた洋上風力の導入が大きく遅れる可能性があります。建設会社や海運の関係者からは「2030年目標の達成は厳しい」との声もささやかれます。

 古川室長は「国としては出来るだけ速やかに再公募を行っていきたい」としながら、「今までと同じような制度では同じ事態が繰り返されかねない」と話し、年内をめどに公募制度の見直しや事業環境の整備などに一定の整理をつけるとの方針を説明しました。

「洋上風力事業の案件は実績を作っていかなければ将来的なコスト低減はいつまでたっても図れない。本当は第1ラウンドの事業にそういった役割を期待していたが、続く第2、第3ラウンドなどの皆様に事業をやり遂げていただきたいと思っている」(古川室長)

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