10年間「国家目標」達成できませんでした――死亡事故急増で「世界一安全な交通ニッポン」計画倒れに 警察トップの考えは
- 乗りものニュース |

国や地方が5か年の長期計画で進めてきた交通事故死者数の削減目標が、達成まで2か月を残して未達に。“計画倒れ”は2回連続で、10年間未達です。道路環境や行政連携も書き込まれていますが、最大の目的は死者抑制の目標達成だったはずです。
政府の数値目標は希望か、実現目標か?
国や地方が5か年の長期計画で交通事故被害者を1人でも減らそうとしています。ところが、達成まで2か月を残し、計画倒れに終わることが確定しました。
交通事故死者数を減らす国家目標は未達に終わることが確定。写真はイメージ(画像:PIXTA)
全国の交通事故死者数は、平日に前日までの発生数が集計されます。2025年11月最初の3連休があけた4日、赤間二郎国家公安委員長が閣議後会見で交通事故死者数について言及しました。
「本年10月末現在の交通事故の死者数は2005人でございます」
年間の交通事故死者を2000人(24時間以内死者数)以下に抑える――2000人にこだわらなければならない理由は、ここにあります。数値目標は内閣総理大臣を会長とする「中央交通安全対策会議」で12省庁すべてが同意した「交通安全基本計画(第11次)に盛り込まれました。
交通基本計画は5年間の長期計画で、達成の最終年を2025年に設定していました。
「2024年同期比で123人、確かに5.8%の減少となっておりますが、残念ながら、第11次交通安全基本計画の令和7年までに死者数を2000人以下にするという目標は、達成できなかったところでございます」
交通基本計画の未達は今回たまたまではありません。2016年~2020年を実行年とする第10次計画でも削減目標を達成できないまま11次計画に突入しました。今回の計画を検討した2020年の交通事故死者数は2839人でした。10次計画は未達でしたが、これを2000人に抑制し『世界一安全な道路環境を実現を目指す』ことを掲げました。しかし、2025年末まで残り2か月あり、まだまだ死者数は増えると見込まれます。
交通安全基本計画は事故を減らすためのインフラ整備や技術開発、交通取り締まりなどの指針にもなるものです。世界一安全な道路環境を作るためのインフラ整備はできたのかもしれませんが、被害者軽減という最大の目的のための結果は伴っていなかったではないでしょうか。経済指標であれば、次回計画に反省を生かせば済みますが、そうではありません。
ある交通事故の遺族は、こう話します。「事故死者数は生身の人間の不幸(の数)だから、真剣に取り組んでほしい」。
「世界一安心安全な都市」も計画倒れに
一人でも交通事故死者を減らすよう「引き続き、強力に交通安全対策を進めていかなければならないと認識をしている」と赤間委員長は話します。残り2か月を見据えた事故傾向を次のように話します。
強力に交通安全対策を進めなければならない、と話す赤間国家公安委員長(中島みなみ撮影)
「特に、夜間における歩行中の死者数、さらには飲酒運転による死亡・重傷事故が増加するといった特徴がみられると認識しております。これらを踏まえて、警察では関係機関・団体と連携して、歩行者に対する反射材の着用促進、運転者に対する薄暮時の早めのライト点灯を呼びかけるとともに、飲酒運転の取締りを踏まえながら、いわゆる飲酒運転対策をより一層推し進めなければならないと思っております」
10月末日現在、全国でいちばん事故死者数が多いのは東京都です。国の第11次計画に基づき、東京都も独自に交通事故の削減計画を立てています。その内容は「死者数110人以下」「世界一安全安心な都市実現のため、世界主要大都市の中で最も少ないレベルの交通事故死者数を目標」に掲げました。
しかし、東京都の交通事故死者数は10月末日時点で114人。国の計画同様、すでに削減目標を超えています。
事故死者数削減の結果を見る限り、目標当事者の交通事故防止に対する関心は決して高いとは言えません。毎年1月に国家公安委員長は前年の死亡事故状況を振り返りコメントを出しますが、2025年1月の内容では、すでに第11次計画の達成を目指す言葉は消えていました。
高市政権で新しく就任した赤間大臣は就任以来10回以上の会見を重ねていますが、一度も交通事故について語りませんでした。このことについて赤間委員長はこう話します。
「就任後の記者会見において、様々な事柄を発言する機会、他の案件等もございました。決して交通事故、また、さらにその対策、事故原因究明を、次の交通安全基本計画においてそれを脇に置くという認識はございません。当然、この時期のみならず、さらなる交通事故、また、それにより亡くなる方がいないよう、しっかりと我々は心して取り組むこと、このことに変わりはございません」
2000人の事故死者数は、年末にかけて確実に増加します。2024年は2か月で約500人増えました。国や都道府県が立てる交通安全基本計画に盛り込まれた削減目標は、単なる理想なのか、それとも実現すべき文字通りの目標なのか。長期計画の意義が問われています。
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