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一般道で50キロオーバー、一発アウト? 今日から激変する「危険運転」の新たな基準とは【弁護士が解説】

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速度をどの程度超過すると危険運転の対象に?(画像はイメージ)
速度をどの程度超過すると危険運転の対象に?(画像はイメージ)

速度をどの程度超過すると危険運転の対象に?(画像はイメージ)速度をどの程度超過すると危険運転の対象に?(画像はイメージ)

 「改正自動車運転死傷処罰法(および道路交通法の一部)」が2026年7月21日から施行されます。これまで曖昧だった危険運転致死傷罪の基準に対し、アルコール濃度や速度に関する具体的な数値基準が新たに設けられました。速度をどの程度超過すると危険運転に該当するのでしょうか。佐藤みのり法律事務所の佐藤みのり弁護士に聞きました。

「危険運転」とは?

Q.そもそも、危険運転とはどのような行為を指すのでしょうか。危険運転と過失運転致死傷罪とを比べた場合、どちらの方が罪が重いのでしょうか。

佐藤さん「これまで危険運転致死傷罪に問われてきた、危険な運転行為は次の通りです」

(1)アルコールまたは薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為

(2)その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為

(3)その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為

(4)人または車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人または車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

(5)車の通行を妨害する目的で、走行中の車(重大な交通の危険が生じることとなる速度で走行中のものに限る)の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転する行為

(6)高速自動車国道または自動車専用道路において、自動車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転することにより、走行中の自動車に停止または徐行(自動車が直ちに停止することができるような速度で進行することをいう)をさせる行為

(7)赤色信号またはこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

(8)通行禁止道路を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

 これら8つの行為によって、「人を負傷させた者は15年以下の拘禁刑に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期拘禁刑に処する」と定められています。死亡させた場合の最高刑は拘禁刑20年です。

 これに対し、過失運転致死傷罪は、自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合に成立し、法定刑は、「7年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金」です。

 危険運転致死傷罪とは、危険・悪質な運転の結果、人を死傷させた者を、傷害罪・傷害致死罪に準じた重い法定刑によって処罰するものです。危険運転により人を死亡させた場合の最高刑が拘禁刑20年、過失運転により人を死傷させた場合の最高刑が拘禁刑7年ですから、大きな差があり、危険運転致死傷罪の方が明らかに重い罪と言えます。

危険運転の基準は?

Q.今回の法改正で指定最高速度を何キロ以上オーバーすると危険運転に該当するのでしょうか。

佐藤さん「今回の法改正で、高速度類型が新設されました。具体的には、指定最高速度が時速60キロメートル以下の道路の場合は『指定最高速度+時速50キロメートル以上』のスピード、指定最高速度が時速60キロメートル超の道路の場合は『指定最高速度+時速60キロメートル以上』のスピードをそれぞれ出して自動車を運転し、人を死傷させれば、原則として一律で危険運転致死傷罪の対象になります。

また、これらの数値基準を満たさなかったとしても、これらに準ずる速度であって、道路および交通の状況に応じて重大な交通の危険を回避することが著しく困難な高速度で運転し、人を死傷させれば、危険運転致死傷罪の対象になります。法務省の国会答弁によると、数値基準を時速10キロメートル程度下回っていたとしても、多くの児童が下校中であったり、路面が凍結したりしている場合は、対象になり得るとのことです」

Q.なぜこれまでの「危険運転」の基準は曖昧だったのでしょうか。数値化されることで裁判や取り締まりはどう変わるのでしょうか。

佐藤さん「先述のように、危険運転致死傷罪の刑は、上限が拘禁刑20年です。これは、故意に人を殴るなどして死亡させた傷害致死罪と同じです。従って、危険運転致死傷罪は、故意犯である傷害致死罪と同程度の悪質性のある事案に適用すべきであり、悪質性の判断は、個別具体的な事情により変わり得るので、曖昧さのある規定になっていたものと考えられます。

しかし、実際には、基準の曖昧さのせいで、悪質な事故であっても、過失運転致死傷罪の適用にとどめてしまった事案があるのではないかという批判が社会の中で高まり、今回の改正につながりました。

数値基準が設けられたことにより、基準を超えた速度で運転し、人を死傷させれば、一律に危険運転致死傷罪が適用されることになります。取り締まりも、裁判も、数値基準にのっとって行われることになります」

Q.このほか、今回の法改正で「ドリフト走行(意図的にタイヤを滑らせる行為)」などが新たに罰則の対象になると聞きましたが、本当なのでしょうか。

佐藤さん「本当です。ことさらにタイヤを滑らせ、または浮かせることにより、その進行を制御することが困難な状態にさせて自動車を走行させ、人を死傷させた場合、危険運転致死傷罪の対象になります」

オトナンサー編集部

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