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「ランクル」激似の新型4駆をフランス軍が大量調達のワケ プジョーの後継 伝説また1つ

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  • 乗りものニュース
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フランス軍が2017年から配備を進めている新型4駆「マステックT4」は、国内企業製とされているものの、トヨタ「ランドクルーザー」にそっくりです。調べてみると、よく似ているのにはワケがありました。

人気の「ランクル70」がベース

 フランス陸軍は現在、いわゆる乗用車クラスの小型支援車両について、テクナム社製の「マステック T4」の導入を進めています。この車両、それまで主力として用いられていたプジョーP4が旧式化したため、その更新用として2016(平成28)年に採用されたもので、導入は翌2017(平成29)年から始まりました。

 プジョー車の後継とはいえ、このクルマは100%フランス製ではありません。とくに側面のシルエットは日本でもよく見るクルマにそっくり。実は「マステック T4」は、トヨタ「ランドクルーザー」をベースに所要の改造を施したものなのです。

Large 210202 landcruser 01フランス陸軍が現在、導入中のテクナム社製「マステックT4」(画像:フランス陸軍)。

「マステックT4」のベースに用いられているのは、歴代の「ランドクルーザー」シリーズのなかでも人気の高い、70系と呼ばれるモデルです。型式名「HSJ76」の5ドア仕様で、排気量4164ccのターボ・ディーゼルを搭載するタイプとされています。

「ランドクルーザー70系」は現在、日本では新車販売されていませんが(逆輸入車を除く)、1984(昭和59)年から2004(平成16)年までの20年間にわたって扱われました。2014(平成26)年にはガソリンエンジン搭載モデルが期間限定で再販され、大きな話題となったことからも、フロントマスクの“知名度”はかなり高いといえるモデルです。

 この「ランクル70」が、フロントグリルやバンパーの換装、ライトガードの増設といった改良が施され、「マステックT4」としてフランス陸軍に大量に納入されました。

プジョーP4はベンツ230Gがベース

 なぜ、そこまでフランス陸軍は「ランクル」改造の「マステックT4」を大量調達し、既存のプジョーP4を急速に置き換えたのでしょうか。

Large 210202 landcruser 02フランス陸軍が1980年代に大量調達したプジョーP4。ベンツGクラスの構造を流用している。

 そもそもプジョーP4は、1981(昭和56)年にフランス陸軍に採用されると翌1982(昭和57)年から生産がスタート、1984(昭和59)年までに約1万3500台が納入されました(後半の製造はパナールが受託)。

 同車はプジョー製とはいえ、ベースはメルセデス・ベンツ「230G」、いわゆる「ベンツGクラス」でした。230Gの車体にプジョー504のエンジン、同604のトランスミッションを組み合わせたものので、約半数の部品に関して230Gと共通のものを用いています。

 そのため、フランス以外の国への輸出には様々な制限がつき、なおかつ輸出するにしても230Gのライセンス料が上乗せになるため、性能的には230G、すなわち「ベンツGクラス」と大差ないのに価格は割高で、民間仕様も含めて海外販売は振るいませんでした。

 当時はプジョー自体の経営不振もあり、生産ラインも1990年代初頭に閉じられます。結果、フランス陸軍は乗用車クラスの小型4輪駆動車に関しては車両更新ができず、整備しながら使い続けることになったのです。

 このような状況が長く続いたことで、2010年代に入るころから、明らかに実用に耐えられない個体が多く出るようになり、フランス陸軍は急きょ後継車両の選定に着手。結果、悪路走破性や耐久性が高く、整備性にも優れ、短期間での大量調達も可能ながら単価を抑制できる車種として、「ランクル70」がベースのテクナム社の提案モデルを採用したというわけです。

アイルランドやポルトガルも「ランクル」を愛用

 とはいえ、トヨタ「ランドクルーザー」が正規軍の支援車両に採用されるのは、フランスが初めてではありません。世界を見渡すと、発展途上国などを始めとして世界各国の軍事組織(準軍事組織含む)などで、市販の「ランドクルーザー」がそのまま用いられているのを見かけます。

 ヨーロッパ域内に目を転じても、たとえばアイルランド軍は「ランドクルーザー・プラド」150系をほぼそのまま導入しています。ちなみに同国軍は日産「サファリ」(輸出名「パトロール」)や三菱「パジェロ」もボディカラーを濃緑色にしたうえで使用しています。

 フランスと同じくNATOに加盟している国では、ポルトガル陸軍やデンマーク陸軍、クロアチア陸軍などが「ランドクルーザー」を小型支援車両として大量運用しています。なおポルトガル陸軍は、ほかにもトヨタ「ハイラックス」の4WDモデルを2019年に導入しています。

Large 210202 landcruser 03アイルランド国防軍に配備されているトヨタ「ランドクルーザー・プラド」150系(画像:アイルランド国防軍)。

 もともと、トヨタ「ランドクルーザー」は、警察予備隊(陸上自衛隊の前身)向けの小型支援車両として開発された経緯があります。警察予備隊はトライアルの結果、アメリカ製「ジープ」のライセンス生産モデルである、三菱「ジープ」を正式採用したため、「ランドクルーザー」は民生用および外国輸出がメインになったものの、着実な進化によって実績を積み重ね、いまやトヨタを代表するブランドになったのは周知のとおりです。

 そのような車両が、自動車先進国であるフランスを始めとした世界中の国々で採用されているのは、それだけ「ランドクルーザー」が性能的にも、コストパフォーマンスの面でも、優れている証左といえるのではないでしょうか。

※一部修正しました(2月7日8時50分)。

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