近距離切符を一掃! 自動改札機普及のきっかけとなった「イオカード」を覚えていますか
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変わりゆく駅改札の光景
東京の「最先端」を感じられる場所は数あれど、最も身近なのは鉄道駅ではないでしょうか。
地方は県庁所在地の都市でも有人改札が少なくありませんが、東京ではもはや過去のもの。駅員が改札鋏をカチャカチャさせて立っている「ラッチ」も、改修工事で撤去され見られなくなりました。
有人改札だった東急池上線の五反田駅や、乗り換えの切符を有人窓口で購入していた西武新宿線の高田馬場駅の風景も、今や人々の心の中に残るのみとなりました。
そればかりではありません、切符に続く「乗車カード」も次々とその姿を変えています。
当時、メディアからも大注目
SuicaやPASMOのような、あらかじめチャージするタイプの乗車カードは、今や東京での生活に欠かせません。そんな乗車カードが普及したのは1991(平成3)年から。JR東日本が山手線の一部駅間で使用を開始した「イオカード」です。
ちなみ「イオ」の名前は、デジタル信号を意味する「1」「0」を、英語の「i」「o」にデザインしたことに由来します。

JR東日本が、切符不要の前払い式カードを発売すると発表したのは前年の1990年でした。
国鉄時代の1985(昭和60)年にはオレンジカードも発売されていましたが、こちらは前払いで購入したカードを使って自動券売機で切符を購入するもの。それが、自動券売機に並ぶことなく、自動改札機を直接通ることができるとなれば、注目が集まるのは必然です。
そのインパクトたるや、メディアに、
近距離切符を一掃する新兵器(『読売新聞』1991年1月5日付朝刊)
と書かれるほどでした。
改札業務の効率化・省力化を行うため、この頃、前払い方式の乗車カードを普及させる動きは首都圏の鉄道各社で進んでいました。
これには幾つかの段階があります。
まずは、裏に磁気の入った切符を販売する自動券売機の導入。続いて、その切符に対応する自動改札機の整備。そして、カードの導入というものです。これにいち早くたどり着いたのがJR東日本だったのです。
予見されていたクレカ連動機能
1991年の状況を見ていきましょう。
営団地下鉄は全駅配備のめどを1990年から1995年までとし、自動改札機の導入を本格化。京王線は1991年から2年間で全駅配備を計画、西武線も1991年の3月から着手。東急はJRと同方式の自動改札への更新を開始。小田急・京成・東武・京浜急行もそれぞれ自動券売機の導入を始めました。
これにより、鉄道が始まってからの伝統だった硬券(厚紙の切符)も姿を消していくことになります。
JR東日本は1990年度に硬券の全廃を発表しています(記念乗車券を除く)。自動券売機が普及したことで硬券は既に数を減らしていましたが、これを契機として、完全に過去のものになっていきます。

ここで興味深いのは、クレジットカードと連動する交通カードが既に開発されていたことです。
この開発に先行していたのは、東海道新幹線を持つJR東海でした。前述の『読売新聞』では
「銀行などのCDカードとクレジットカードの機能に、列車や乗車区間、座席指定など切符の全機能を上乗せできる画期的なもの。このカードが1枚あれば、利用者は街角のIC専用電話に差し込んで直接、新幹線を予約したうえ、自動改札を通り、車内販売はもちろん、旅先のホテルの支払いまでOKで、切符も現金も不要になる」
としています。
今やクレジットカード連動どころか、カードそのものがスマホアプリのひとつとなり、切符の購入や支払いに利用できるようになっていますが、まだ自動改札機すら普及していない時点で、そこまで先進的なものが開発されつつあったことには驚きを隠せません。
イオカードの最盛期は2001年
こうして始まったイオカードは、爆発的に普及していきました。
しかし、肝心の利用者はカードにまだ慣れていませんでした。というのも、次にいつ使うのかわからないのに3000~5000円を最初に払うのはばからしいと当時は思われていたからです。
またテレホンカード同様に、「落としたら困るから買わない」という人が、まだ当たり前に存在していました。そうした足踏みを突破したのが、イオカードだったというわけです。
1992(平成4)年9月には発売枚数約11万7700枚、売上額約4億3900万円で、前年度比200%超という数字を記録しています(『朝日新聞』1992年10月31日付夕刊)。
とりわけ需要が高かったのは企業で、その理由は、交通費の処理が楽になったり、外回りをする社員の行動範囲がわかったりするからというもの。まとめ買いして社員に配っていました。

こうして最盛期の2001年には約868億円の売り上げを記録したイオカードですが、さらに便利なSuicaが登場したことで、2005年3月にその役目を終えました。
今や、その名前は忘れ去られつつあるイオカードですが、「もうわざわざ切符を買わなくていいのか……」という純粋な驚きは、今でも忘れることはできません。
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