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「安心して乗って」はこう作られる ANA新鋭機「737MAX」驚きの“鬼チェック”品質管理術 「世界初」の“特別仕様”も!?

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メーカー任せじゃない! ANAの「すご腕」専門チーム

 日本の航空会社を代表するANA(全日空)が、ボーイング社の最新鋭旅客機「737 MAX(737-8)」の導入を進めています。その製造拠点であるアメリカ・シアトルのレントン工場では、ANAの専門チームによる機体の受領に向けた最終チェックが着々と行われています。通常、航空機はメーカーが製造した完成品を受け取るのが一般的ですが、ANAのスタイルは全く異なります。製造の最終段階から深く関わり、専門家の目で厳しくチェックする「受領点検」とは、一体どのようなものなのでしょうか。

Large figure1 gallery9レントン工場の屋外エリアに駐機されたANAカラーの最新鋭機(中山 智撮影)。

 ANAには、機体の受領点検を専門に行う「インスペクター」と呼ばれるプロフェッショナルたちがいます。整備士資格を持つ約300人の中から選抜された10~15名ほどの精鋭で、彼らのミッションは、新しい機体がANAの求める高い安全基準をクリアしているか、製造段階から見極めることです。

 彼らは単に日本で待っているのではありません。機体の完成がおよそ3か月後に迫るタイミングでシアトルの工場へ渡り、製造ラインの最終段階からデリバリー(引き渡し)まで、つきっきりで品質をチェックします。この徹底したプロセスが、ANAの安全運航を根底から支えているのです。

 インスペクターによる点検は多岐にわたります。製造中の機体で行われる「Call Inspection(呼出検査)」では、内装パネルなどが取り付けられる前に、普段は見えなくなる機体の隅々までミラーやライトを駆使して確認します。

 737 MAXの機体には約30万本ものリベット(鋲)が使われていますが、インスペクターたちは、それらが正しい位置に、適切な力で打ち込まれているか、傷や変形がないかを、文字通り1本1本、手作業でチェックしていきます。これは4名のチームで膨大な時間をかけて行われる、非常に根気のいる作業です。

 さらに、製造工程を抜き打ちでチェックする「Surveillance Inspection(監視検査)」や、初度飛行(B1フライト)に立ち会う「Ground & Flight Test Inspection」などを経て、機体はあらゆる角度から厳しく評価されます。

オーダーメイド仕様も妥協なし

 737 MAXは、導入する航空会社の要望に応じて仕様を変えられる「オーダーメイドの飛行機」です。ANA仕様の737-8では、車いすを利用する乗客が利用しやすいよう、従来よりも広いバリアフリー対応のラバトリー(大型お手洗い)を737 MAXとして世界で初めて採用しました。こうした独自の仕様が、設計図通りに、そしてANAの品質基準を満たして正確に組み込まれているかを確認するのも、インスペクターの重要な役割です。

Large figure2 gallery10ボーイングCQSマネージャーのイッツェル・ラクシナ氏(中山 智撮影)。

 もし点検中に品質基準を満たさない箇所が見つかれば、インスペクターは「これではダメです。やり直してください」と、時には作業をストップさせることもあります。単に「こうしてください」とお願いするのではなく、不具合がなぜ起きたのか、その根本原因の究明と再発防止策の提示までボーイング社に求めるのがANAのスタイルです。すべては、最終的に乗客の安全を確固たるものにするためなのです。

 ANAの厳しい要求に応え、緊密に連携しているのが、ボーイング社の「CQS(Customer Quality Support)」という専門チームです。CQSは、機体の最終組立からテスト飛行、そして日本へのデリバリーフライトまで、あらゆる場面でANAチームをサポートします。

 ボーイングCQSマネージャーのイッツェル・ラクシナ氏は、ANAのインスペクターを「常に建設的で、細部にまで注意深い素晴らしいパートナー」と評価します。ANAとボーイングのパートナーシップは70年以上に及び、経営トップ同士の「ERM(Executive Review Meeting)」や、品質担当者間の「QRM(Quality Review Meeting)」といった会議を通じて、常に品質向上を目指しています。

 近年では、互いのエンジニアや品質保証担当者を一定期間交換する「エクスチェンジ・プログラム」も実施。ANAのインスペクターが日本の整備現場で培ったノウハウをボーイングに共有し、それが737 MAXだけでなく787など他機種の製造プロセス改善にも活かされています。

「間違いなく安全な機体」と断言できるワケ

 ANAでこのプロジェクトを担当する、ANA整備センター 品質保証室 航空機製造委託品質チーム マネジャーの桐澤直矢氏は、「最新鋭のテクノロジーと製造品質が両立してこそ、最高の翼が生まれます。この徹底したプロセスを経るからこそ、我々が受け取る機体は間違いなく安全だと確信を持って言えますし、お客様にも安心してご搭乗いただけます」と語ります。

Large figure3 gallery11ANA整備センター 品質保証室 航空機製造委託品質チーム マネジャーの桐澤直矢氏(中山 智撮影)。

 ANAの受領点検は、単に自社の機体をチェックするだけにとどまりません。航空会社として現場で培った知見をメーカーであるボーイングにフィードバックすることで、製造品質そのものを向上させ、それが最終的に乗客一人ひとりの安全と安心につながっていくのです。

 数えきれないほどのチェック項目をクリアし、インスペクターたちの厳しい目に磨き上げられた最新鋭機。12月に予定されているデリバリーを経て、日本の空へやってくる日が待たれます。

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