運転士の“うっかり”で電車が燃えた! いったい何が? 重要な「切換」ポイント 実は関東が最多
- 乗りものニュース |

JR七尾線で、走行中の列車から出火するトラブルがありました。運転士が交直切換を失念したことにより、車両の屋根上にある機器を焼損したのです。これは同線のように、電化方式が異なる区間をまたがって走る列車特有の事象といえます。
走行中に交直切換が必要なJR七尾線
2025年1月25日、JR西日本の七尾線で、走行中の列車から出火するトラブルがありました。運転士が切換操作を失念したことにより、車両の屋根上にある機器を焼損したことが原因なのですが、この「切換」とは何でしょうか。
JR七尾線で使用されている521系電車100番代(画像:PIXTA)
七尾線は能登半島(石川県)の南側を走る路線です。1991(平成3)年に電化され、ディーゼルカーから電車に移行しました。
当然ながら電車を走らせるには電気を供給する必要がありますが、七尾線は直流1500ボルトで電化されました。七尾線はIRいしかわ鉄道(元・JR北陸本線)へ直通し金沢駅まで運行されますが、金沢駅から七尾線が分岐する津幡駅(石川県津幡町)までは交流2万ボルトで電化されています。
このため、車両には直流と交流の両方に対応した交直流両用電車を使用しているほか、津幡駅と中津幡駅のあいだに交流と直流の突き合わせ箇所を設けて、列車を走行させながらそれぞれの切換を行っています。
この突き合わせ箇所に電気は流れていません。こうした箇所は「デッドセクション」と呼ばれますが、今回の出火トラブルはここで発生。運転士が交流から直流に切換を行わなかったために起きたのです。
交直流電車の仕組みとは
交直流両用電車は直流と交流の両方の電気で走ることができますが、実際には直流で走る仕組みを基にしています。
交流電化区間を走る場合は、交流で得た電気を車両側で一旦直流に変換しています。逆に直流電化区間を走る場合は、交流を直流に変換する必要はありません。交直流両用電車は直流と交流の切換を行う「交直切換器」を屋根上に備えています。
切換は運転台にあるスイッチによって運転士が行いますが、JR東日本の常磐線などでは切換を自動で行う仕組みを設けているほか、JR西日本では運転士支援装置により、運転士に切換を促す仕組みを備えています。
切換を忘れたら、どうなる?
さて、ここで問題となるのは、切換を忘れたり機器が故障していたりした場合です。仮に交流の機器に直流電源を加えたり、直流の機器に交流電源を加えたりすると、いずれも機器が破損して使用不能となってしまいます。こうした事態を防ぐべく、鉄道では直流や交流の電気を検知して、機器を保護する仕組みを備えています。
特急「しらゆき」などで使用されている交直流両用の特急形電車E653系の屋根。パンタグラフの周辺に交直切換のための機器を備えている。新潟車両センターでの一般公開の際に撮影(2018年10月、柴田東吾撮影)
まずは、直流の設定のまま交流電化区間に入ってしまった場合です。直流の電気がなくなったことを検知することで、車両が走行するための電気回路に電気が流れない仕組みになっています。この場合は、運転台のスイッチで交流に切換を行うことで、通常通り運転できます。
直流電化区間の場合は厄介
一方、交流の設定のまま直流電化区間に入ってしまった場合は、車両が走行するための電気回路をカットすることは仕組み上できません。これに備えて、車両は交流の回路にヒューズを入れることで保護するようになっています。
誤って直流電化区間に入ってしまった場合は、ヒューズが溶けて回路をカットすることで車両の被害が大きくならないようにしています。ただ、こうなると溶けてしまったヒューズを交換しない限り、列車を運転することができません。七尾線でのトラブルは、交直切換がなされないまま交流電化区間から直流電化区間へ入ってしまったために、溶けたヒューズが火災のようになってしまったのでした。
全国にある交直デッドセクション
デッドセクションは全国に点在しています。JR東日本では常磐線の取手~藤代間(茨城県)、水戸線の小山~小田林間(栃木県)、東北本線の黒磯~高久間(栃木県)、羽越本線の村上~間島間(新潟県)に、JR九州では山陽本線の下関~門司間の門司方(福岡県)にあります。また、JRから経営分離した路線でも、えちごトキめき鉄道日本海ひすいラインの糸魚川~梶屋敷間(新潟県)、パピラインふくいの敦賀~南今庄間(福井県)にあります。
E653系の屋根上機器。交直切換器で直流と交流の切換が行われ、写真では「直流」の位置に入っている。交流のまま、誤って直流電化区間に進んだ場合には主ヒューズが溶断して機器を保護する仕組み。新潟車両センターでの一般公開の際に撮影(2018年10月、柴田東吾撮影)
首都圏の私鉄では、つくばエクスプレスの守谷~みらい平間(茨城県)にもありますが、交直切換は自動で行われています。
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