令和時代に一体なぜ? 浅草「演歌の聖地」に女性が詰めかけるワケ
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比較的新しい音楽ジャンル
かつて、歌番組の司会者の決まり文句は「歌は世につれ世は歌につれ」です。
時代に寄り添いながら今も残る詩歌や民謡、さらには戦後彩った「懐メロ」、そして1980年代の歌謡番組で歌われたヒット曲など、全てが時代を映し出す流行歌でした。
そんな流行歌の中で、現在でも一定の支持を集めているのが「演歌」です。
演歌と聞くと、ずいぶんと古くからある音楽ジャンルと想像されがちですが、誕生したのは高度経済成長期にあたる1960年代後半で、意外にも新しい音楽なのです。
ロックやラップのような反骨精神
ただ、この演歌という名前自体は、明治生まれです。当時の自由民権運動の活動家が、反政府的な言葉を音楽にまぶし、リズムをつけて歌い、民衆に訴えたのが始まりです。
当時の演歌は「演説歌」であり、現在で言うところのロックやラップのような存在だったわけです。しかし社会が安定するに伴い、演歌の役割も廃れ、時代の流れに埋もれていきます。
しかしこの演歌が新しい役割をまとい、高度経済成長期の社会に再び登場します。
その役割は、時代に取り残された社会的弱者の戸惑いと恨みとねたみ、そして旧来のしきたりを懐かしむ心情を癒す「鎮魂歌」としてでした。
時代の不条理に対して抱く切なさを、これでもかと声をビブラートさせて強調する、いわゆる歌唱法「コブシ」もこのときに確立されました。
「純烈」「パク・ジュニョン」の存在感
そんな演歌の「聖地」が、浅草は雷門近くの、老舗レコードショップ「ヨーロー堂」(台東区浅草)です。

ヨーロー堂の歴史は大正時代に始まり、いまや全国の演歌ファンやテレビ、音楽業界の関係者から一目置かれる存在。浅草の「演歌の殿堂」と言える「浅草公会堂」(同)と並ぶランドマークとなっています。
そんな同店の4代目・松永好司さんによると、現在の演歌は以前と異なり、女性ファンによる体験型コンテンツに変化しているといいます。
女性ファンはTシャツやうちわなどのグッズを自作し、ライブ会場でそれらを使って応援しているとのこと。体験型コンテンツ化のきっかけとなったのが、現在大人気の男性歌謡コーラスグループ「純烈」と2012年デビューの韓国人歌手「パク・ジュニョン」の存在です。
「ジュニョンは演歌界で初めて、会場のファン全員とハグして触れあうスタイルを取り入れました。しかもデビュー時から握手会ではなく、ハグ会なんです。10年前の演歌歌手なら到底できなかったことではないでしょうか」(松永さん)
先駆けは「氷川きよし」
そんな彼らの先駆けとなったのが、近年イメチェンで話題の「氷川きよし」だったと松永さんは言います。
「1990年代は、演歌がダサイと言われていた時代です。しかし2000年に氷川きよしさんがデビューをして、雰囲気が突然変わりました」

そんな氷川きよしのデビュー間もなく、藤あや子や伍代夏子、長山洋子などといった美人演歌歌手のブームが到来。バトンが次の世代へ渡っていったといいます。
その後、氷川きよしを目指す若い男性演歌歌手が次々と現れ始めます。
「そこで出てきたのが、山内恵介さんです。歌の内容は従来の演歌と違い、人生や生き方、母親など、『日本人の心』を前向きに歌い上げていて、すごく新鮮でした」と松永さん。
失恋してもおしゃれな現代女性
それに伴い、若手の男性歌手が歌う内容もこれまでの「しみじみ路線」ではなく、前向きでクールな女性の生き方を応援する内容が多くなったとのこと。これも女性の社会進出に伴う、時代の変化なのかもしれません。
「ひと昔前、失恋した女性は『堪え忍ぶ』でしたが、現在は失恋してもおしゃれなんです。主人公のイメージは六本木や麻布のカップルですし、わざわざ海峡や岬で泣かなくても、気持ちを切り替えて明日も仕事を頑張ろうという感じでしょうか」(松永さん)
かくして、演歌は「鎮魂歌」から「応援歌」へ変身。そんな演歌に引かれて、同店を訪れる演歌ファンの中には女性が増えているそうです。

男女を問わず若手の演歌歌手に関しては、全アイテムを置いているというヨーロー堂。同店フロア2階にはライブスペースもあり、前出の人気歌手にも新人時代にデビューライブを行った歌手が少なくなく、彼らにとって同店はスター街道の「一里塚」としての思い入れもあります。
そんな新しい演歌の魅力が発見できる浅草の聖地巡礼で、あなたも時代の空気を体感してみてはいかがでしょうか。
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