【漫画】大学生が足を踏み入れた「ギャラ飲み」の世界　港区女子の“リアル”に「考えさせられる」「泣けた」【作者取材】

　漫画家のうみの韻花さんの漫画「人生もっとうまくやれたのに」が、Xで合計2000以上の「いいね」を集めて話題となっています。

　大学生になって上京した主人公は、周囲との差を感じるようになります。そんな主人公は、友人の勧めで「ギャラ飲み」という世界に足を踏み入れ…という内容で、読者からは「考えさせられる話でした」「知らない世界をのぞくことができた」「また読み返したい」などの声が上がっています。

知られざる“ギャラ飲み”の世界

　うみの韻花さんは、Xやインスタグラム、ブログ「うみの韻花の山あり谷あり人生マンガ」でエッセー漫画などを発表しています。2024年に『14歳で整形した私』（KADOKAWA）、2025年に『人生もっとうまくやれたのに～港区女子の絶望と幸せ～』（同）を出版しました。うみの韻花さんに作品について話を聞きました。
※この漫画は「人生もっとうまくやれたのに～港区女子の絶望と幸せ～」の一部を紹介しています。1話目からはXやKindleで読むことができます。

Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。

うみの韻花さん「幼少期から漫画家になりたいと思っていました。20代半ばのとき、出版社に持ち込みをしましたが芽は出ず、会社勤めで漫画を描く時間もなくなり、創作から離れました。退職したのを機にXでエッセー漫画を投稿し始め、改めてそこから漫画家を本気で目指すようになりました」

Q.今回の漫画を描いたきっかけを教えてください。

うみの韻花さん「Xで担当さんから、『若さと市場価値をテーマにした、セミフィクションを描きませんか？』とお誘いをいただき、描くことになりました」

Q.取材の中で生まれた漫画ということですが、元々「ギャラ飲み」については知っていましたか。

うみの韻花さん「『ギャラ飲み』というワードは耳にしたことがありましたが、具体的なことは知りませんでした。『パパ活』とはまったく違うものであること、女の子の容姿や人気に応じて給与が変わる仕組みがあることなどを知り、驚きました。実態を知るうちに、現代社会の闇を垣間見たような気持ちになりました」

Q.この主人公に共感できる部分はありますか。

うみの韻花さん「主人公の『もっと認められたい』『もっとぜいたくをしたい』という純粋な願望が、エスカレートしていく様子は非常に共感できます。特に周囲と比較したときに生じる『うらやましさ』や『焦り』は、誰もが一度は経験したことがあるのではないでしょうか」

Q.もし「ギャラ飲み」の誘いが来たら、やってみたいですか。

うみの韻花さん「夜職の経験はありますが、ギャラ飲みの誘いが来ても飛び込む勇気はないです（笑）。ただ、安全が保証されているなら、社会勉強として少しだけのぞいてみたい気持ちはあります。『創作の糧になる発見があるかもしれない』という好奇心は尽きません」

Q.主人公の心情をリアルに描くために、工夫したことはなんでしょうか。

うみの韻花さん「私自身が夜職をしていとき、『自分は特別だ』『ずっとこの仕事を続ければいい』などの甘い考えと若さの勢いだけで生きてきたので、その心情を主人公に反映させました。さらに、私も広島から上京したので、都会への憧れなどリアルな感情を描きました」

Q.今回の作品について、どのようなコメントが寄せられていますか。

うみの韻花さん「『一気読みして、気付いたら泣いてた』『ギャラ飲みのシステムや裏側が丁寧に細かく描かれていて、リアルで面白かった！』『自分が絶対知ることがない世界を知れた』『男性ですが、すごく共感しました』といった感想をいただき、大変うれしく思っております！」

Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことを教えてください。

うみの韻花さん「普段は整形のエッセー漫画や体験談を描くことが多いのですが、今回の漫画のような、現代社会の光と影や、人々の複雑な心の内をテーマにした作品をまた描けたらいいなと思います。読者の皆さまにとって、価値観や生き方を考えるきっかけになればうれしいです」

オトナンサー編集部

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