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「うば捨て山」伝説…高齢者批判は過去の話 先進各国の高齢者の“保障”はどうなってる?

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  • オトナンサー
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先進各国の高齢者の保障はどうなってる?
先進各国の高齢者の保障はどうなってる?

 日本の65歳以上の高齢者の人口が約3割を占めているといわれています。そんな中、SNSでは、高齢者を批判するような投稿や高齢者福祉の削減を求めるような投稿に、数万の「いいね」が付くなどします。社会保障の削減や増税などにより生活に苦しむ現役世代は多く、不満の矛先が高齢者に向かっているようにも受け取れます。とはいえ、高齢者に対する否定的な感情は近年において突然高まったわけではなく、日本だけでなく、各国においても高齢者の扱いは時代ごとに大きく異なりました。

人権意識が乏しい時代...高齢者は必ずしも尊敬の対象ではなかった

 子どもの頃、よく「お年寄りを敬いなさい」と教えられた人も多いかと思います。しかし、近年、「老害」という言葉が社会的にある程度受け入れられる傾向にあるほど、高齢者への敬意は失われつつあるように思います。

 とはいえ、高齢者に対する風当たりの強さは昨今において始まったわけではありません。現代社会では高齢者を敬うべきとする考え方とそうでない考え方が混在していますが、この傾向は過去の多くの国や時代でも同様に見られました。

 例えば、日本でも江戸時代には「うば捨て山」伝説にいえるように、口減らしのために高齢の親を捨ててもよいというお触れが出たことがありました。同時代でも高齢者は尊敬かつ、保護の対象でもあり、庶民においては長屋の独居老人のケアは近所の人が担っていましたし、国の政策を担う重要な役職に就く80歳代も珍しくありませんでした。

 また、古代ギリシャでは高齢者に対する見方はさまざまでした。例えば、プラトンは高齢者を尊敬していました。命令を下す者は最も年を取った者が好ましく、命令を受ける者は最も若い者が好ましいと考えていました。一方、アリストテレスは老いについて知恵や政治の能力を保証するものではないと考えていました。

 ルネサンス期にも高齢者は憎まれも尊敬もされました。例えば、トマス・モアの『ユートピア』には多くの高齢者が社会から蔑まれている様子が描かれています。また、マルティン・ルターは宗教改革の契機となった「95か条の論題」を34歳のときに提出しましたが、彼の支持者は主に同世代です。とはいえ、イングランドのチューダー王朝では年齢や経験が重んじられ、高齢者に重要な役割が任されていました。

先進国における高齢者福祉 日本でも取り入れたい制度も…

 人権意識が高まった今、多くの国で高齢者には手を差し伸べようという考え方が根付いています。ここでは、アメリカやポルトガル、フランスにおける高齢者を対象とした制度を紹介します。

 2020年時点のアメリカでは、65歳以上の人口が全体の16.2%を占めています。同国において国民の健康保険の加入率は低く、貧困層を中心に多くの人が適切な処置を受けられません。しかし、65歳以上の人にはメディケアという公的医療保険が適用されます。

 また、アメリカでは高齢者宅への食事の無料、もしくは低コストでの配達サービスが充実しています。身体が十分に動かない高齢者は買い出しや外食の負担を抑えられます。

 ポルトガルでは、2020年時点で65歳以上の人口が全体の21.8%を占めています。2016年、65歳以上の人に対し、対面サービスを提供するすべての公的および私的機関に優先サービスを義務付ける法律が通過しました。銀行やスーパーマーケットなどでは、65歳以上の人が優先されます。また、65歳以上には遊興費や交通費において25%から50%の割引が適用されます。

 フランスでは2020年時点で65歳以上の人口が全体の21%を占めています。フランスには“高齢になっても住み慣れた我が家で暮らしたい”と考える人が多くいます。

 同国では高齢者が孤独を感じず、自宅で暮らすためのさまざまな取り組みが行われています。例えば、市町村の委託で運営されている家族団らん食堂(Foyer-Restaurant)では地域の高齢者が食事をにぎやかに楽しめます。さらに、高齢者の心を癒すための制度が多々あり、傾聴型の電話サービス、自宅に話し相手を派遣するサービスなどがあります。

 フランスでは高齢者の医療制度も充実しています。医療費や通院時のタクシー代を保険でカバーできる他、眼鏡の買い替えも利用限度数の範囲内であれば保険適用の対象です。

「老いは誰もがたどる道」であることを忘れてはならない

 人類の歴史を紐解くと、高齢者に批判的な眼差しが向けられていた時代があることが分かります。しかし、人権を重んじるようになった今の世の中では、高齢者は守るべき存在とするのがスタンダードな考えです。また、多くの人が高齢者になることを考えると、若い人にとっても高齢者に優しい社会は安心できるのではないでしょうか。

 日本は世界的に見ても高齢者が住みやすい国ですが、今の制度が未来永劫続くかは分かりません。高齢者に対する保証の手厚さは日本のよさの1つであるため、今後も変わらないでほしいと思っています。

西田梨紗

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