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“男性が育休なんて”から価値観が180度変わったパパ。「育休を取った従業員は貢献度が上がる!」

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  • マイナビウーマン
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育児休業を経験し、子育てに奮闘しているパパの声を聞いていくインタビュー連載・「男性育休取ったらどうなった?」。今回は転職をきっかけに男性育休に対する考え方が大きく変わり、自らも男性育休普及の啓発活動を行っているパパにお話を聞きました!

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パパが3カ月の育休を取得した満川さんファミリー

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今回のパパ
満川アーサーさん/36歳/シーメンスヘルスケア株式会社

●ご家族
妻:りささん/35歳/育休中
長女:ローラちゃん/5歳 
長男:ルークくん/0歳 
※ご本人を含め、お名前は仮名です。

●満川家のパパ育休
2024年10月に第二子となる長男が誕生。育休+有休などを組み合わせて年末まで休職し、1月に復帰。社内の有志団体であるERG(従業員リソースグループ)の中で、社員の成長を応援する“StepUp”に所属し、自身の育休経験を活かして社員約70名を前に講演するなど、男性の育児参加に関する啓発活動等を行う。現在は主に在宅勤務で家庭と仕事を両立。妻のりささんは育休中。

満川さんの育休中のタイムスケジュール(現在)

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■転職後「男性は育休は取らなくていい」から「男性も必ず取るべきもの」へと意識が変化

――満川さんが育休を取得した経緯を教えてください。

満川さん 昨年、第二子の誕生にあたり育休を取得しました。第一子のときは、まだ前職の日系企業に勤めていたのですが、その会社には男性の育休取得を支援するような雰囲気はまったくなく、私自身も「男性は育休を取らないのが当たり前」だと思い込んでいました。実際、出産には立ち会えたものの、その前後に業務や海外出張が重なっており、長期の休暇を取るという発想すら持っていなかったんです。

 その後、2020年に現在の勤務先であるシーメンスヘルスケア(以下、SHS)へ転職しました。SHSは入社当初から、従業員を大切にする文化を強く感じられる会社で、社内報などでも男性社員が当たり前のように育休を取得した体験をシェアしていました。おかげで自分も自然と「男性も育休を取るのが当たり前」という考え方に変わっていきました。

 そんな中で、自身の意識がさらに大きく変わるきっかけとなったのが、“StepUp”というERG(Employee Resource Group=従業員の自主的な活動グループ)への参加です。
StepUpは男性・女性にかかわらず、SHSがより良い会社にステップアップするために、ワークライフバランスや男性育休、女性活躍をキーワードに、イベント企画や講演会の開催を行っています。

 その活動の一環で専門家の方を招いた講演会があったのですが、これが非常に印象的でした。それまで私にとって男性育休は「なんとなくいいもの」というぼんやりとしたイメージでしたが、その講演では、育休のメリットが定量的なデータや科学的なエビデンスをもとに語られたんです。

 たとえば、男性が育休を取ることは、単に家族と過ごす時間を増やすだけでなく、パートナーのメンタルとフィジカル両方の健康維持や、職場復帰の促進、さらには多子世帯の増加にもつながる――そんな複合的な意義があることを知りました。そこから、育休は「取ったほうがいいもの」ではなく、「取るべきもの」だと強く思うようになりました。

ーー転職を皮切りにどんどん意識の変革が起きていったんですね。第一子のときは、里帰り出産をされていたんですか? 

満川さん 妻の母は早くに亡くなっているため実家には頼れず、私の両親も海外に住んでいるので、里帰り出産はしませんでしたが、私の母と妻の叔母がそれぞれ1週間ずつサポートに来てくれました。

 妻は今でも「振り返るとあのときは、ほとんど一人で全部やっていた」と話しますし、私もそう思います。とくに印象に残っているのは、生後まもなく私が海外出張に出る直前、住んでいた賃貸住宅のトイレが詰まってしまったことです。焦る中で「フライトに間に合わない!」と、すべて妻に任せて、急いで家を出てしまったんです。仕方ないとはいえ、今振り返るともう少し何かできなかったかなと思うことがあります。

 当時の私は、「赤ちゃんや家のことは女性がするもの」という考え方にどっぷり浸かっていました。でも転職した今は「男性も育休を取るべきだし、取ったほうが絶対にいい」というマインドに変わり、会社の文化が個人の意識に与える影響の大きさを実感しています。

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「会社からは少し距離のある海に近いエリアに住んでいますが、現在も在宅勤務が基本であるおかげで、育児と仕事の両立がうまくできています」(満川さん)

■自分の育休が次の誰かへとつながるように…

――“StepUp”には入社してすぐに参加されたんですか?

満川さん いえ、入社して2~3年経った頃からです。SHSはもともと、役職に関係なく意見を言いやすいフラットな社風があり、ERGの活動もとても活発です。StepUpは主な目的として女性の活躍を推進していますが、「男性育休の取得率を高める」ことも大きな目標の一つで、私が参加した当時もすでに、メンバーの積極的な活動により、SHS全体で男性の育休取得率がかなり高い水準にありました。

 私はStepUp初の男性メンバーとして合流し、「さらに育休が取りやすい雰囲気をつくりたい」という思いで活動してきました。実際、私自身の育休取得も、家族や自分のためであると同時に、「次の誰かにつなげたい」という意識が強かったんです。StepUpの活動で男性育休の重要性を発信している立場として、自分が育休を取らなかったり、短期間の取得にとどめたりするのは、説得力がなかったと思います。

――「男性育休を取得するのも当たり前」という社内の雰囲気の中、育休を伝えたときの周囲の反応はいかがでしたか?

満川さん 皆さん温かく受け入れてくれました。心の底から「おめでとう!」と祝福してくれましたし、「しっかり取ってね!」「3カ月だと短いんじゃない?」というような、素敵な言葉をかけてもらいました。また中には「その経験をぜひ次につなげられるように」と話してくれる方もいましたね。チームのメンバーはいつもサポーティブで、本当に感謝しています。会社全体でワークライフバランスを重視し、従業員やその家族を大事にする雰囲気が醸成されているだけのことはあると感じました。

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「子どもが生まれてからも、妻との関係の変化はいい意味でありません。これまでと同じように今でも非常に仲良しにしています。よく子どもの誕生を契機に夫婦関係に変化が生じると言われますが、そうならないように計画的に準備し、積極的に家事分担をしてきました」(満川さん)

■育休は所属企業へのエンゲージメントを育む

――満川さんはどのようなお仕事をされているのでしょうか? どのように引き継いだかも教えてください。

満川さん 業務内容としては、いわゆる営業企画のような立ち位置です。実際はオールラウンダー的なポジションで、新しいサービスの企画や制度設計、データ分析、カスタマーリレーテッドマネジメント、マーケティングのほか、外資系企業なので本社との窓口業務も担っています。

 育休前の引き継ぎについては、詳細な引き継ぎ書を作成し、それぞれの業務をお願いする担当者とミーティングを重ねました。最初は一緒に実務を行い、徐々に任せていくというステップを踏みました。途中で困ることがないよう丁寧に引き継いだつもりですが、それでも想定外の業務が発生したと思います。しかし、そこは皆さん優秀なメンバーなので、カバーしてくれました。

 また、HR(人事・総務関連の部署)にも大変お世話になったと思います。誰しもが気になるのが休業中の手当だと思いますが、制度はどんどん変わっているので、非常にわかりづらかった。ただ、担当者が非常に親身に相談に乗ってくれ、最も適切な取得方法についてアドバイスをくれたおかげで、とても助かりました。

 個人的には温かく育休をとらせてくれたチーム、育休をバックアップする社風のある組織に非常に感謝するようになり、組織へのエンゲージメントや貢献したいという思いが増したと思っています。「育休を取った従業員は貢献度があがる」、この事実は我が社に限らず、多くの経営者やトップマネジメント層にぜひ知ってもらいたいです。

■「育休=休み」じゃない! 予想以上に大忙しな毎日

――ここからは育休中のお話を聞かせてください。育休に入ってから、大変なことはありましたか?

満川さん 大変なことだらけでした(笑)。どうしても「育休=ちょっとしたお休み期間」みたいなイメージって、ありますよね。正直、StepUpで男性育休の普及に取り組んでいた自分でさえ、どこかそんなふうに思っていたんです。でも、実際には予想よりもハードな日々でした。

 新生児のお世話に加えて、上の子の対応も必要ですし、我が家には犬もいるんです。とにかく、やることが山積みで……。振り返ってみると、あまりに忙しくて3カ月があっという間。体感では「2日で終わったんじゃないか?」ってくらい一瞬でした。

――上のお子さんのお世話は、パパ担当になることが多かったですか?

満川さん 自然とそうなりましたね。妻は帝王切開で、術後の痛みが強かったんです。くしゃみをするだけでも傷に響くと言っていましたし、夜間授乳もあるので朝はフラフラ。だからこそ、私は夜中は寝かせてもらい、日中はしっかり長男の世話をしたり、長女の保育園の送り迎えや相手をしたりしていました。

――家事や育児の分担はどのようにされていましたか?

満川さん 基本的には当時も今も「気づいたほうがやる」スタイルです。料理もよく作っていましたし、今もしますよ。もともとはコロナ禍に料理関連のYouTubeを見てハマったのが始めたきっかけなんですが、おかげで自炊のベースができました。料理って、結構ゲーム感覚なんですよ。パズルの組み合わせのように「この調味料を加えるとどうなる?」と考えたり、工程を工夫して攻略したり。男性ってそういう“やり込み要素”があるものにハマる人も多いですよね。料理もその一つだと思いますよ。

 あと、個人的な意見ですが、「自分は仕事ができる」と思っている人にこそ、育休を取ってほしいと思っています。育休って、複数のタスクをマネジメントしていく感覚が仕事とすごく似ている。だからこそ、仕事に自信がある人ほどチャレンジしてみる価値があると思います。

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「絵本を読むのが夜の日課です。他にも長女とお絵描きをしたり、一緒にアニメを見たりして過ごすことが多いですね」(満川さん)

■「どちらでも対応できる」が我が家のスタンス

ーー復帰後はどのように仕事と家庭のことを両立されていますか?

満川さん 上の子の保育園の送りは私の担当です。ただ日中は仕事があるので、下の子の育児は育休中の妻にお願いしています。私は基本が在宅勤務なので、お昼休みの時間は下の子を見たり、仕事以外の時間ではできるだけ負担のかからないよう家事は積極的に分担しています。また、妻はサーフィンが趣味なので、週末のどちらかは半日ほどサーフィンに行けるように、私が子どもたち2人を見るようにしています。

 「育休を終えたから役目は終了。復職後の家庭は後回し」なんてかっこ悪いと思うんです。育休を経てレベルアップしたからこそ、家庭にも仕事にもより一層エネルギーを注いで向き合うようにしています。

ーー素晴らしいですね。そんな中でお子さんの体調不良など、急な対応が起きたらどうされていますか?

満川さん そのときの夫婦のスケジュールなどで、臨機応変に対応する感じですね。手が空いていたら私が、会議や出社日で難しい場合は妻が、といった具合です。

 我が家では「どちらがやる」と決めすぎず、どちらでも対応できるようにしておくことが大事だと考えています。そういう意味でも夫側が“丸投げで何もできない”状態ではなく、普段から一通りこなせるようにしておくのが、一番だと思います。

ーーファミサポなど、外部のサービスを頼ったことはありますか?

満川さん ありません。もちろん、ファミサポやベビーシッターの補助が自治体にあるのは知っているのですが、電話や紙での申し込みが必要だったり、スマートフォン表示に対応していないなど、手続きがわかりづらいし頼みづらいと思ってしまいました。平成元年生まれゆとり世代の私ですらそう思っているのですから、さらに下の世代……例えばZ世代などはもっとそう思っているのではないでしょうか。アプリやLINEですべて完結できるような仕組みを作ってもらえるとうれしいですね!

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「私はパスタなど洋食系、妻は私の作らない和食系を作ってくれることが多いです。最近は長女も時々手伝ってくれます」(満川さん)

■パパの育休は社会全体にとっても価値ある選択

ーー育休中によかったこと、うれしかったことはどんなことですか? 

満川さん うれしかったエピソードは数えきれません。3カ月間、毎日忙しくて大変でしたが、それ以上に楽しく、充実した日々でした。中でも一番よかったと思うのは、上の子が下の子のことを本当にかわいがってくれて、いつも気にかけている姿をそばで見られたことです。下の子もお姉ちゃんが大好きで、姿を見るたびにニコニコ笑うんですよ。姉は「弟と一緒に早く公園で遊びたい!」と話しているので、弟が歩けるようになる日がとても楽しみです。

ーーパパがお仕事を休んで自分のことをしっかり見てくれたからこそ、お姉ちゃんも素直に弟くんを可愛がってくれたのかもしれませんね。最後にこれから育休取得を検討している方へのメッセージをお願いします。

満川さん 育休はぜひ多くの男性に取ってもらいたいですね。私自身は、男性が育休を取ることが、企業や社会を前進させる力になると信じています。日本の景気が低迷する原因の一つは、皆さんご存じの通り、少子高齢化です。子どもが増えれば将来の労働力が増え、消費も拡大し、経済が回ります。そして実際に、男性の積極的な育児参加が第二子以降の出生率を高めるというデータもあります。

 また「働き手が足りない」と言われる今、育休がパートナーの早期復職や社会復帰を後押しすることで、女性の活躍も後押しできます。だからこそ、男性の育休取得は家庭だけでなく社会全体にとっても価値のある選択だと思います。

 育休を通して家族との時間を大切にしつつ、日本の未来も元気にしていきましょう!

(取材・文:江原めぐみ、イラスト:ぺぷり)

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