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ANAグループ、AIRDO・ソラシドを完全子会社へ…狙いは? 今後2社はどうなる? 担当者が語る”再編計画”の全容

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2027年4月に完全子会社化目指す

 ANA(全日空)などを傘下に持つANAホールディングスが2026年10月29日、北海道を拠点とするAIRDO、宮崎を拠点とする航空会社ソラシドエアの2社をグループ企業とする持株会社「リージョナルプラスウイングス」の完全子会社化に向けた基本合意書を締結したと発表しました。これにより、どのような変化が起こるのでしょうか。

Large figure1 gallery2ANAの旅客機(乗りものニュース編集部撮影)。

 これまでもANAグループは、AIRDOやソラシドエアと資本関係やコードシェア(共同運航)を通じて協力関係にありました。今回の完全子会社化に向けた動きの背景には、国内航空事業を取り巻く環境の大きな変化があります。

 本格的な人口減少やビジネス需要の低下、さらに燃油費や人件費といったコストの高騰など、航空会社の経営は厳しさを増しています。こうした状況を受け、国土交通省は持続可能な国内航空ネットワークを維持するため、2026年5月に大手航空会社による特定既存航空会社への出資規制を廃止しました。この規制緩和が、今回の動きを後押しした形です。

 今回の子会社化により、ANAグループが全体の機材数や配置を検討し、機材や燃料などの調達費用の削減を目指します。空港施設についても、利用や維持管理の効率化を図る方針といいます。

「(今回の子会社化で)数機分になると思いますけども、機材と乗員リソースを捻出できるのではないかと考えております。ここでできたリソースを活用し、成長分野である国際線に振り向けることで、より収益性の高い事業をANAグループとして目指していきたいというふうに考えております」(ANAグループの担当者)

 では、利用者がすぐに感じる変化はあるのでしょうか。説明会では、当面の間はAIRDOとソラシドエア、それぞれのブランドを維持する方針が示されました。運航便名やANA便名の付与といったコードシェアも継続されます。たとえばAIRDOの「My AIRDO(マイエアドゥ)」やソラシドエアの「ソラシドスマイルクラブ」といった独自のマイレージサービスについても、現時点では変更の予定はないとのことです。まずは両社のブランドを残しながら、経営上の機能を一体化していく道筋が示されました。

 一方で、将来的には路線や便数、運航機材、運賃についてはANAグループが主導する形で「最適化」が図られます。

ブランドや路線、運賃はすぐに変わる?

 同社の担当者は「まず大前提として、路線便数の調整や運賃の調整は、公正取引委員会様から企業結合審査のご承認をいただくことで初めてできるようになる」としたうえ、次のように話します。

「路線便数の最適化の一例を挙げますと、例えばソラシドエアさんが保有するボーイング737-800(174席または176席)が最適な路線が日本中のどこかにあるはずですので、そこにANAグループとして機材を当てていく、ということを試みてまいりたいと考えております」

 その一方でAIRDOは北海道、ソラシドエアは九州に根ざした航空会社でもあります。そこについて担当者は次のように説明します。

「少なくとも当面、ブランドを維持して運航する間に関しましては、基本的には今活躍いただいている地域で路線便数の最適化を図ることを現時点では想定しております。ですので、例えばあまり突飛なところにソラシドエア様が飛ぶといったことは、あまり考えていないと捉えていただければと思います」

 またANA側は現時点で特定の地方路線の廃止や減便が決まっているわけではないとし、変更する際には地元の理解を得るため丁寧に説明するともしていました。

 一方でANAホールディングスは、中期的な戦略として、AIRDOとソラシドエアの「ANAブランドへの統合」も視野に検討を進めるとしています。

将来は「ANAブランド」へ? 課題は

 これについてANAの担当者は次のように説明します。

Large figure2 gallery3決算会見で報道陣に2社の完全子会社について説明するANAホールディングスの芝田浩二社長(乗りものニュース編集部撮影)。

「ブランド統合のタイミングは、まだ明確には決めきれておりません。最初から何かを決めてかかるというよりも、地元の皆様のご理解も含めて何ができるのか、何を残すのか、時間をかけて議論させていただきたいと考えております。従業員の感情の問題や、地元の株主様との関係もございますので、もし変更する場合でも、十分な説明時間を尽くすべきだと思っております。時期については決まったタイミングで改めてご説明することになるかと思います」

 また、羽田空港の発着枠への影響も考えられます。説明会では、AIRDOが持つ23枠、ソラシドエアが持つ26枠について、それぞれ10%を超えない範囲で回収される可能性があるとの見解が示されました。時期については「おそらくですが、2027年の冬ダイヤから回収される可能性が高い」と担当者は話します。

※ ※ ※

「両社は独立した経営主体ですので、路線・便数計画もそれぞれで立てております。また、座席の販売に関しても、コードシェアはしておりますが、羽田発着路線ではコードシェアの座席買取割合が50%以下に制限されております。両社ともに、提供座席数のうちANAが販売しているのはトータルで見て3割から4割ぐらいが現状です」

「これを100%我々が販売できるようになると、ANAの販売力で、自分たちの売り方ができるようになります。それによって、レベニュー・マネジメントがより効いて収益力、収入の面積を広げられるのではないかというのが、一番大きい効果ではないかと考えております」(ANAの担当者)

 まずは両ブランドを維持しつつ、事業計画や調達、販売といった機能の統合を進めることで、国内事業の収益基盤を強化する今回の計画。利用者や地域にとって「維持するもの」と「変えるもの」が具体的にどうなるか、今後の協議が注目されます。

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