肌に合わない「保湿クリーム」は赤み、かゆみの原因に　“肌タイプ”に合った賢い選び方とは【薬剤師解説】

　朝晩を中心に気温や湿度が低く、肌が乾燥しやすい日が続いています。肌の乾燥が気になり、すでに保湿クリームを使ってケアしている人もいれば、これから購入する人もいると思います。保湿クリームを購入するときは、どのような製品を選ぶのがお勧めなのでしょうか。乾燥肌や敏感肌など、肌のタイプに合った製品選びのコツや使用上の注意点などについて、薬剤師の真部眞澄さんに教えていただきました。

敏感肌の人は「尿素」に注意

Q.そもそも、どのような成分が入った保湿クリームがお勧めなのでしょうか。肌のタイプ別に教えてください。

真部さん「肌のタイプに合ったお勧めの成分について、解説します。

まずはセラミドです。肌のバリアー機能を補修し、水分を閉じ込めてくれます。次に、ヒアルロン酸やグリセリン、アミノ酸です。これらの成分は高い保湿力で水分を補給してくれます。尿素は皮膚を柔らかくし、角質層の保湿を助けます。ただし、尿素に関しては、敏感肌の人は注意が必要です。

スクワランやホホバオイルも、肌の表面を滑らかに保護してくれるのでお勧めです。併せて、ヘパリン類似物質油性クリームは肌内部の角質層まで浸透し、保湿効果を高める作用があります。ただ、出血しやすい人はこのクリームの使用前に医師や薬剤師に相談してください。敏感肌や肌荒れしやすい人は、抗炎症作用があるトラネキサム酸やグリチルリチン酸などを含むものがお勧めです。

以上の内容を踏まえると、乾燥肌の人はセラミドとヒアルロン酸、グリセリンを含むものが良いでしょう。敏感肌の人はセラミドとアミノ酸が含まれるものがお勧めです。

混合肌、脂性肌の人はヒアルロン酸とアミノ酸を含むものが良いでしょう。エイジング肌の人はセラミドとヒアルロン酸が含まれるものがお勧めです」

Q.市販の保湿クリームは毎日使い続けても問題はないのでしょうか。

真部さん「市販の保湿クリームは、基本的に毎日使用し続けても問題ありません。しかし、次の3点には注意しましょう」

（1）成分を確認する
刺激が少なく、肌に合った成分の製品を選びましょう。

（2）使用感に注意する
かゆみや赤みなどが出た場合は使用を中止し、医師や薬剤師に相談してください。

（3）適切に保管する
開封後は清潔に保ち、品質が劣化しないように注意しましょう。

このほか、湿疹やかゆみなどがある部位については、しっかり治療してから保湿クリームを付けてください。

Q.市販の保湿クリームが肌に合わない場合、どのような症状が出ることがあるのでしょうか。また、保湿クリームの使用を控えた方がよいケースはあるのでしょうか。使用上の注意点も含めて、教えてください。

真部さん「先述の内容と重なる部分もありますが、市販の保湿クリームが肌に合わない場合、肌の赤みやかゆみ、刺激感、ヒリヒリ感、湿疹、腫れといった症状が出ます。すでに肌に炎症や傷がある場合や、過去に同じ成分でアレルギー反応が出た場合は保湿クリームの使用を控えるべきです。

使用前はパッチテストを実施した方が良いです。初めて使う場合は、少量を腕の内側で試すようにしましょう。また、清潔な肌に使用することも重要な注意点です。塗る前に肌を清潔に保つようにしてください。

このほか、保湿クリームの保管方法にも注意が必要です。直射日光や高温多湿を避けて保管し、品質を保ちましょう。気になる症状が続く場合は、使用を中止し医師に相談してください」

＊　＊　＊

　基本的に、保湿クリームは毎日使い続けても問題ありませんが、「成分を確認する」「使用感に注意する」「適切に保管する」といった点に注意する必要があります。使用時に肌に赤みやかゆみなどが出た場合はすぐに使用をやめ、皮膚の状態に応じて皮膚科を受診しましょう。

オトナンサー編集部

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