小まめに水分摂取しても…夏に「便秘」悪化する“NG行為”とは? 専門医が教える落とし穴&改善法
- オトナンサー |

夏は便秘になる人が増える季節といわれています。SNS上では「最近、便秘がひどい」「水分を小まめに摂取しているのに便秘気味」「ここまでひどい便秘は初めてかも」などの声が上がっています。暑い時期に便秘になった場合や便秘が悪化した場合の対処法やNG行為などについて、日本橋人形町消化器・内視鏡クリニック(東京都中央区)院長で消化器内科医の石岡充彬さんに聞きました。
体の冷やし過ぎに注意
Q.そもそも、夏のような暑い時期は便秘になりやすかったり、便秘が悪化したりしやすいのでしょうか。原因も含めて、教えてください。
石岡さん「夏は普段は快便の人でも便秘になりやすく、もともと便秘の人は症状が悪化しやすい季節です。その背景にはいくつかの原因があります。
まず、暑い時期は汗をかく量が増え、体から多くの水分が失われます。理想的な便とされる、いわゆる『バナナ便』は約75%が水分で構成されていますが、体内の水分が不足すると腸内の便からも水分が奪われ、硬くなって排出しづらくなります。これが、夏に便秘が増える最大の原因の一つです。
さらに、夏によく食べられるそうめんやかき氷など、食べやすく消化が良いメニューは総じて食物繊維や油分が少なく、便をつくる材料が不足しがちです。便のかさを増やす主役は食物繊維であり、白米やパンなどに含まれている炭水化物や、肉や魚などに含まれているタンパク質は体内で消化吸収されるため、便の量を直接増やす働きはほとんどありません。
食物繊維は消化されずに腸まで届き、水分を吸収して便の体積を増やすとともに、腸の動きを刺激してくれます。日々の食事で不足しないよう意識することが大切です。
また、冷たい飲み物やアイスを頻繁に取ることによって腸が冷え、血流や動きが鈍くなることも便秘を悪化させる原因になります。加えて、猛暑を避けるために外出や運動の機会が減ると腸の動きが低下し、便の停滞を招きます。旅行や帰省で生活リズムが乱れることも、排便の習慣を崩しやすい原因です。
このように、夏は脱水や食生活の偏り、冷たい飲食物の影響、運動不足、生活リズムの乱れといった要因が重なり合い、便秘の発症や悪化が起こりやすい時期といえます」
Q.では、暑い時期に便秘になった場合や便秘が悪化した場合、どのように対処すればよいのでしょうか。
石岡さん「暑い時期に便秘になった場合は水分や食事、運動、生活リズムの4つの面から見直すことが大切です。まず水分補給は、一度に大量に飲むのではなく、小まめに分けて行うのが効果的です。冷たい飲み物ばかりでは腸の働きを鈍らせることがあるため、常温の水や麦茶を中心に取るとよいでしょう。特に汗をたくさんかいた日には、塩分やミネラルを補えるスポーツドリンクを活用するのも有効です。
食事の面では、野菜や果物、海藻、キノコ類などに豊富に含まれている食物繊維を意識して取ることが重要です。不溶性食物繊維は便のかさを増やし、水溶性食物繊維は便を柔らかくする役割があります。どちらも偏らずに取ることで、腸内の動きがスムーズになります。また、便の滑りを良くするために、オリーブオイルやナッツなどの良質な油分を食事に取り入れるのも効果的です。
運動不足の解消も便秘対策に欠かせません。炎天下での無理な運動は避け、朝や夕方の涼しい時間帯に軽いウオーキングを取り入れるだけでも腸の動きが促されます。腹部をやさしくマッサージするのも有効です。
さらに、便意を感じたら我慢せず、できるだけ早めにトイレに行くことが重要です。旅行や外出など環境が変わると便意を我慢してしまいがちですが、その積み重ねが直腸の感覚を鈍らせ、便秘の慢性化につながることがあります。
もし便秘が2週間以上続いたり、血便や強い腹痛を伴ったりする場合は、大腸ポリープや大腸がんなどの病気が隠れている可能性も否定できません。そのようなときは自己判断せず、早めに消化器内科を受診するのをお勧めします」
Q.暑い時期に便秘になった場合や、便秘が悪化した場合にやってはいけない行為はありますか。
石岡さん「便秘のときは早く楽になりたいあまり、自己判断で誤った対策を行いがちです。こうした誤った対策がかえって症状を悪化させることがあるため、注意が必要です。
代表的なのが、刺激性下剤の使い過ぎです。市販の便秘薬の多くは腸の神経や筋肉を直接刺激して排便を促すタイプですが、長期間にわたって使い続けると、腸の自発的な動きが弱まり、薬がないと便が出にくくなる『下剤依存』に陥る恐れがあります。
また、暑いからといって冷たい飲み物や氷を大量に取るのも注意が必要です。先述のように、腸が冷えて血流や動きが低下し、便秘をさらに悪化させることがあります。
さらに、夏は食欲が落ちて朝食を抜いてしまう人も少なくありませんが、これも便秘を悪化させる大きな原因です。食事は腸を動かすスイッチの役割を果たすため、特に朝食を抜くと腸のリズムが乱れてしまいます。便秘でつらいときこそ、朝食を取り、排便の習慣を守ることが改善への近道となります」
Q.暑い時期に便秘が悪化しないようにするにはどうしたらよいのでしょうか。予防法について、教えてください。
石岡さん「夏の便秘を予防するためには、腸にとって快適な環境を保つことが大切です。まず欠かせないのは水分補給です。理想は1日当たり1.5〜2リットルを目安に、小まめに分けて飲むことです。運動や外出で大量に汗をかいた日には、それ以上の量の摂取を意識する必要があります。麦茶や水を基本にしつつ、長時間の外出や炎天下での活動時には、塩分やミネラルを補えるスポーツドリンクを取り入れると安心です。
食生活では、野菜や果物を毎日取り入れ、腸内環境を整える発酵食品も意識すると効果的です。ヨーグルトや納豆、みそ汁は手軽に継続して食べやすく、善玉菌を増やして腸を元気にしてくれます。果物は朝食や間食に取り入れると習慣化しやすく、水分と食物繊維を一度に補える点でもお勧めです。
また、夏特有の注意点として『体を冷やし過ぎないこと』が挙げられます。冷房の効いた部屋に長時間いると腸の血流が滞り、働きが鈍くなります。おなかを直接冷やさないよう薄手の羽織を用意したり、1日のうちで温かい飲み物を取り入れたりするなど、冷え対策を心掛けましょう。
さらに、生活リズムを崩さないことも大切です。夏は旅行や帰省などで生活が不規則になりやすいですが、腸は規則正しいリズムに敏感です。起床や就寝の時間をできるだけ一定に保ち、特に朝は軽い食事を取って腸に『動き出す合図』を与えることで、自然な排便習慣が維持できます。
便秘は『なってから治す』より『ならないように予防する』ことが重要です。日々の小さな工夫を積み重ねることで、夏の厳しい環境でも腸の働きを快適に保つことを心掛けましょう」
オトナンサー編集部
実は損している?
ニュースを読んでポイントが貯まるサービスがあるのを知っていますか?ポイントサイトのECナビでは好きなニュースを読んでポイントを貯めることができるのです。(※ECナビはPeXの姉妹サイトです。)今日読んだニュースが実はお小遣いになるとしたら、ちょっと嬉しいですよね。
ポイントの貯め方はニュースを読む以外にも、アンケート回答や日々のネットショッピングなど多数あるので、好きな貯め方でOK!無料で登録できてすぐに利用できます。貯まったポイントはPeXを通じて現金やAmazonギフトカードなどに交換できます。
運営実績も15年以上!700万人以上の方がポイントを貯めています。毎日好きなニュースを読んでお小遣いを貯めてみませんか?
簡単無料登録はこちらYOUの気持ち聞かせてよ!
いいね | ![]() |
|
---|---|---|
ムカムカ | ![]() |
|
悲しい | ![]() |
|
ふ〜ん | ![]() |
