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日本のF-2後継は本当に2035年に間に合う? 次世代機開発の首脳が語った「絶対に遅らせられない理由」とは?

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  • 乗りものニュース
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GCAP首脳が明かす次世代機の現在地

 2026年7月20日に開幕したファーンボロー国際航空ショーで開かれた記者会見では、日英伊3か国が共同開発する次世代戦闘機「GCAP」の関係者が、「2035年」という就役時期を繰り返し強調しました。

Large figure1 gallery2航空自衛隊で運用されているF-2。GCAPの有人機は同機を置き換えるものになっている(画像:航空自衛隊)

 2035年は、日本では航空自衛隊のF-2戦闘機が退役を始める時期と重なります。GCAPはその後継機として導入される予定であり、就役が遅れれば日本の航空戦力に影響を及ぼす可能性があります。

 実は同じ事情はイギリスやイタリアにもあります。両国が現在主力として運用するユーロファイター・タイフーンも、2030年代半ば以降に更新時期を迎える見込みです。3か国にとって2035年は、次世代戦闘機への世代交代を左右する重要な節目なのです。

 こうした背景について、GCAPを管理する政府間組織「GIGO(GCAP国際政府機関)」の岡雅美CEOは、筆者の質問に対し、「2035年というタイムラインは3か国政府から示された要求だ」と説明しました。

 つまり2035年は、開発側が掲げた希望ではありません。各国政府が求める就役時期であり、GCAPはそこから逆算して開発が進められているのです。

「間に合わせる」ために生まれた新しい開発体制

 もっとも、国際共同開発と聞くと、「開発は遅れる」という印象を持つ人も少なくありません。実際、過去の大型共同開発では、各国間の調整や意思決定に時間を要し、計画が長期化した例もありました。

Large figure2 gallery3記者会見でのスライド(布留川 司撮影)

 GCAPでその課題を解決するために設立されたのが、BAEシステムズ、レオナルド、三菱重工業の3社が共同出資する「Edgewing(エッジウィング )」です。

 開発を統括する同社のマルコ・ゾフCEOは、2035年の就役目標を維持する考えを改めて示しました。

 Edgewingは各国企業の調整役ではなく、機体全体の設計に責任を負うプライムコントラクターとして開発を統括します。各国が別々に設計を進めるのではなく、一つの組織として意思決定を行うことで、開発の効率化とスピード向上を図る狙いがあります。

 ゾフCEOは、「ここ数年の進捗は、防衛装備品開発として前例のないスピードだ」と語り、GCAPは現在、概念設計から詳細設計へ移行する段階にあると説明しました。

 会見で最も印象に残ったのは、「何が一番心配か」と問われた際の答えでした。

「私が夜眠れなくなるのは、デリバリーだ」ゾフCEOはそう言い切りました。

 デリバリーとは、約束した能力を予定どおり実現することです。政治的な課題や国際調整ではなく、「期限どおり完成させること」が最大の責任だという言葉からは、2035年という期限に対する強い覚悟がうかがえました。

技術的な挑戦は続く それでも「2035年」は変わらない

 もちろん、GCAP側も開発を楽観視しているわけではありません。岡CEOは会見で、技術的なリスクは当然存在すると率直に認めました。

Large figure3 gallery1GCAPエージェンシーの岡雅美CEO(布留川 司撮影)

 GCAPはAIによる操縦支援や高度なセンサー、無人機との協調運用など、第6世代戦闘機として数多くの新技術を実用化しなければなりません。高い要求性能と2035年という期限を両立させることは、決して容易ではありません。

 それでも今回の会見で印象的だったのは、政府側も企業側も2035年を「努力目標」として語ることは一度もなかったことです。議論の前提は、あくまで2035年に就役させることでした。

 F-2の退役開始まで残された時間は約10年です。

 GCAPがその期限を守れるかどうかは、日本だけでなくイギリスやイタリアの将来の航空戦力も左右します。今回の会見から伝わってきたのは、「間に合わせたい」という希望ではなく、「間に合わせる」という日英伊3か国共通の強い意思でした

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