【年越し】そば・うどん 定食に「天ぷら」がセットになっているワケ
- オトナンサー |
年末年始に自宅や飲食店でそば、うどんを食べる人は多いと思います。飲食店でそばやうどんの定食を注文するとき、セットで「天ぷら」が付いてくることがあります。さまざまな料理があるにもかかわらず、なぜか、そばやうどんを食べるときは天ぷらと一緒に食べることが多く、不思議に思ったことはありませんか。
なぜ、そばやうどんと一緒に天ぷらを食べることが多いのでしょうか。考えられる理由について、料理研究家の長田絢さんが解説します。
調理法を守れば一定レベルの天ぷらを作ることが可能
そばやうどんと一緒に天ぷらを食べることが多い理由として、まずは栄養バランスの調整が挙げられます。
そばやうどんは炭水化物が中心であり、天ぷらを一緒に食べることで脂質を摂取できます。また、エビをはじめとする魚介類や肉などからはタンパク質、野菜からはビタミンや食物繊維を摂取できるので、栄養バランスがよくなるのです。
下記のようにそば店やうどん店のオペレーションにも組み込みやすいことも一因かと思います。
■メニューとして違和感がない
そばやうどんと天ぷらとは“和食”という点で、メニューとして違和感がありません。
■調理法を守れば、一定のレベルまでは問題なく作ることができる
天ぷらはどのような具材でも「衣を付けて揚げる」という調理方法が同じです。衣の付け方や揚げ温度を守ることで、専門の料理人ではなくても一定レベルまでは問題なく作ることができます。
■天ぷらの天つゆと、そばやうどんのつゆの原材料が同じ
天ぷらの天つゆと、そばやうどんのつゆとが原材料が同じで、のせて食べることが理にかなっています。飲食店で提供することを考えると、別途、味付けを考えて、たれを作る手間が省けるため、一石二鳥だと考えられます。
■そばやうどんとの組み合わせに好都合
天ぷらは食材をいろいろ変えるだけで、メニューに変化をつけることもできるため、飽きることが少ない料理です。そば店やうどん店にとっては、麺類との組み合わせに好都合だと考えられます。
つまり、「そばやうどんと一緒に天ぷらを食べる」という認識が広く浸透したのは、そばやうどんを提供する飲食店の影響も大きいのではないでしょうか。
一方、同じ麺類のラーメンの場合、セットでギョーザや唐揚げを提供している飲食店は多いですが、天ぷらを提供している飲食店はほとんどありません。これは、中華と和食ということで、だしのベースが異なるためだと思います。鶏がらや豚骨を使用するラーメン店が天つゆを作るためには新たな材料や作業が必要で、業務が煩雑で効率的ではないことが想像できます。
なお、そばやうどんに合うおかずはたくさんあります。個人的には、同じだしを使っただし巻き卵や野菜たっぷりの煮物、アクセントで、カボチャやポテトのサラダ、酢の物などは麺類と一緒によく作ります。そうめんやひやむぎ、きしめんも天ぷらと一緒に食べるケースは多いと思います。
麺類は地域によって歴史や文化があり、さまざまですが、野菜や魚介類も地域性が高いため、両方ともその土地に根付いたソウルフードといえますね。共通しているのは、和風だしで食べる麺類と天ぷらの相性が間違いないということでしょう。
オトナンサー編集部
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