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岐阜基地で見た! 輸入型「ファントム」の知られざる改造&アメリカ製ゆえの特徴とは

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  • 乗りものニュース
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2021年3月に運用終了し、日本の空を飛ぶことがなくなったF-4EJ「ファントムII」。ラストフライトが実施された岐阜基地で、当該機を取材してきました。特別塗装だけじゃないオリジナル機ならではの特徴とは。

空自仕様のなかで激レアの米国製ファントム

 航空自衛隊においてF-4EJ「ファントムII」の運用を終えたのは2021年3月17日(水)のこと。この日、運用終了に伴うラストフライトと記念式典が岐阜基地で行われました。

 F-4EJ「ファントムII」戦闘機は、航空自衛隊が1968(昭和43)年10月に正式採用を決めた2人乗りの要撃戦闘機で、1971(昭和46)年7月に最初の機体を受領しています。つまり「ファントムII」は最初の機体が航空自衛隊に引き渡されてから50年にわたって日本の空を飛び続けていたことになります。

Large 210803 f4ej 01航空自衛隊の飛行開発実験団が保有するF4EJ「ファントムII」の301号機。空自の「ファントムII」の中では数少ないアメリカ製(2021年4月、柘植優介撮影)。

 半世紀前、航空自衛隊が最初に手にしたF-4EJ「ファントムII」は、機番301号機と302号機ですが、前者はなんと岐阜基地で行われたラストフライトにも参加し、勇ましいエンジン音を轟かせながら、基地周辺を飛んで見せました。

 すなわち301号機は、日の丸を描いた「ファントムII」のなかで、最も長生きした機体といえ、ゆえにほかの生産機とは異なる部分がいくつかあります。それを確認しに2021年4月、岐阜基地に行ってきました。

 そもそも航空自衛隊ではF-4EJ「ファントムII」を合計140機導入しましたが(偵察型を除く)、それらはアメリカ製の輸入機、輸入した部品を国内で組み立てたノックダウン機、国内生産の部品で製造されたライセンス生産機の3種類に分けることができます。

 そのなかで輸入機は前述の301号機と302号機の2機のみで、303号機からはノックダウン機、そして314号機以降はライセンス生産機になるため、301号機にはアメリカ製であることを示すコーションプレートが張られており、「US」や「CALIFORNIA」といった文字を見ることができました。

 ほかにも301号機には、戦闘機としては“ありえない”といえるような改修も施されています。

塗装だけじゃない 当初の姿のままのオリジナルファントム

 F-4EJ「ファントムII」の301号機で特徴的な改修、それは機首の20mm機関砲(バルカン砲)の砲口部分が塞がれている点です。とうぜんこの状態では撃つことができないため、なかの機関砲本体も取り外してしまっているとのことでした。

 とはいえ、これは教育訓練機として用いるからこその改修といえるでしょう。岐阜基地で「ファントムII」を運用していたのは、航空機やミサイルなど航空装備品に対する試験などを実施する航空自衛隊唯一の部隊「飛行開発実験団」。この部隊は実弾を積んでスクランブル待機などにつくことはないため、このような改修をしてしまっても問題なかったようです。

 ただ、この改修は実機を遠目で見ただけではわかりません。今回、飛行開発実験団の隊員に教えてもらって初めて知り、驚きました。

Large 210803 f4ej 02F4EJ「ファントムII」301号機の機首。赤い矢印で指したところが20mm機関砲の砲口部分。301号機では塞がれている(2021年4月、柘植優介撮影)。

 また301号機は、最後まで運用開始当初の状態を維持し続けたオリジナル機でもあります。航空自衛隊の「ファントムII」は、機体の寿命延長と能力向上を図るために90機が「F-4EJ改」というアップグレード仕様になっています。

 そのため、スクランブル任務などに就く第一線飛行隊の機体は順次、F-4EJ改に入れ替えられたことから、未改修機を運用し続けたのは岐阜基地のみであり、そのなかでも最後まで飛び続けた“オリジナルファントム”が301号機なのです。

 F-4EJ改と未改修型のF-4EJは外見では大きな差異はなく、せいぜい主翼の端や垂直尾翼の上端にレーダー警戒装置を装備している程度です。とはいえ、航空自衛隊が導入した当初の姿を最後まで維持したままだったという点でも301号機は貴重といえるでしょう。

畳めるのはファントムだけ 艦載機ベースだからこそ

 アップグレードを図られることなく、初期の姿を維持したままであった301号機。そのため運用終了の前に、あえてカラーリングを導入当初の上面ライトグレー(ガルグレー)、下面オフホワイトという“特別塗装”が施され、往年の姿に戻ったのはファンとしては嬉しい限りです。

 なお、今回の取材では、歴代の航空自衛隊戦闘機のなかでも「ファントムII」にしかできない“芸当”もまた特別に見せてもらえました。それは主翼の折り畳みです。

 航空自衛隊は1954(昭和29)年の創設以来、F-86Fから最新のF-35Aまで様々な戦闘機を導入・運用してきましたが、そのなかで主翼に折り畳み構造を有していたのはF-4EJ/EJ改「ファントムII」だけです。

 これは同機が元々、アメリカ海軍の艦載機として開発されたからこそ。とはいえ、基地の駐機場などに並べられる際には主翼は広げられた状態になるため、航空祭などのイベント時など含め、折り畳まれた状態が見られるというのはほぼなく、航空自衛隊の「ファントムII」でその一連の手順を見ることができたのは、なかなかない経験でした。

Large 210803 f4ej 03岐阜基地のエプロンに駐機するF4EJ「ファントムII」。運用終了直前にライトグレーとオフホワイトの特別塗装が施されたのはこの機体のみ(2021年4月、柘植優介撮影)。

 ほかにも「ファントムII」は、航空自衛隊の戦闘機で唯一、パイロット2人乗務が基本の戦闘機であったり、最後のターボジェットエンジン搭載機であったりと、数多くの特徴を有した機体でもありました。

 ちなみに、岐阜基地には、もうひとつほかの基地では見られない「ファントムII」が存在します。それは“デジタル迷彩”が施されたF-4EJです。

 これは、岐阜基地の前身である各務原飛行場開設100年を記念して生まれた記念塗装機です。2017(平成29)年度の岐阜基地航空祭で初披露され、展示飛行を行ったのち退役したものの、機体は岐阜基地の一角で展示されています。

 デジタルパターンの塗装が施された「ファントムII」として唯一無二の存在であるため、これもまた“レアファントム”といえるでしょう。

【動画】現役の戦闘機乗りが解説! エンジン音の意外な用いられ先も

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