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「グレイト!カワサキ!」空自C-2輸送機、豪の現地沸かせた2度目の飛行展示 隊長に聞いた心構え

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  • 乗りものニュース
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2023年2月下旬、オーストラリアで開催されたエアショーに航空自衛隊のC-2輸送機が4年ぶりに参加しました。今回はかなり入念に飛行展示の演目も考え、練習を積んで向かったそう。知られざる「舞台裏」について飛行隊長に話を聞きました。

4年ぶりのアバロン、今回は埼玉・入間基地から

 オーストラリアのメルボルン近郊、アバロン空港において2023年2月28日より開催された国際的なエアショー「アバロン2023」。イベントには主催国であるオーストラリア空軍のほかに、他国の軍用機も多数参加していましたが、そこには航空自衛隊が運用する国産輸送機C-2も名を連ねていました。このアバロンで開催されるエアショーへのC-2参加は前回の2019年に続いて2回目となります。

Large 230320 c2sugoi 01飛行展示でギアを出しての低速ローパスを行うC-2輸送機(布留川 司撮影)。

 今回は埼玉県入間基地の第402飛行隊の機体が派遣されましたが、機体とともに同基地の入間修武太鼓(入間基地太鼓部)もアバロンまでやってきており、機体の前で和太鼓演奏を披露して日本の存在感をアピールしていました。

 ちなみに、C-2の製造会社であるKAWASAKI(川崎)はここオーストラリアでもバイクや四輪バギーなどでよく知られた存在。ゆえに、そのKAWASAKIブランドの輸送機ということで来場者の注目を集めていました。しかし航空自衛隊では、それとは別に独自の方法で、この機体をアピールしていました。

 イベント中に行われたエアショーでは約20分間の飛行展示を実施。会場となった空港の周辺空域を使って、高速・低速飛行や急旋回などの演目を行い、C-2が持つ高い飛行性能を披露したのです。

 実はC-2がこのアバロン空港のエアショーに参加するのは初めてではなく、前回の2019年にも美保基地の第403飛行隊の機体が参加して、飛行展示も行っています。

 しかし、当時参加した地元メディア関係者によると「前回(2019年)は日本からわざわざ持ってきてくれたのは嬉しかったけど、その時の飛行は旋回飛行だけでもの足りなかったよ」とのことでした。

飛行展示も観客への「ばえ」を意識

 今回、C-2輸送機のオーストラリア遠征に参加した第402飛行隊長の田畑2等空佐によると、今回の飛行展示は「アバロン2023」用に計画したオリジナルで、事前の準備を重ねて完成させたものだそうです。

Large 230320 c2sugoi 02「アバロン2023」に展示されたC-2輸送機(布留川 司撮影)。

「演目は上昇、降下、旋回および低速性能をアピールできるものを選択しました。そのときに注意したのが、観客視点で見たときの見栄えです。私自身、飛行中はエアショー全体を指揮するFOC(フライト・オペレーション・センター)と呼ばれるところに詰めていたので観客の反応を直接見ることはできませんでしたが、FOCにいたイベント関係者やオーストラリア空軍の人々がC-2の飛行に合わせて歓声を上げてくれたのを傍で見ていたので、C-2のパフォーマンスを十分に表現できたと思っています」。

 なお、飛行展示では、通常なら機長、副操縦士の2名体制で飛ばすところ、コックピット内に追加でパイロット2名が乗り込んでいたのだそう。この2人のうち1人は飛行展示全体を確認して、飛行展示の演目進行や操縦等に関する先行的な助言・誘導を担当。もう1名は緊急事態の交代要員と全般監視を兼務していたとのことでした。

 田畑2等空佐によると「飛行展示ではC-2の性能をいかんなく発揮・披露するために制限ギリギリで追求する形を採りました。そのため、制限超過を防止すべく参加クルーの体感Gの体得、課目に専念できるように(4名のパイロットの)任務分担、クルー連携の確立などに留意して、事前訓練を重ねました」と話してくれました。

 現地では、わずか20分程度の飛行でしたが、飛行隊では安全と見栄えを両立させるために、多くの苦労と訓練の積み重ねがあったことがわかります。先ほど紹介した、前回参加時の展示に不満げだったオーストラリアのメディア関係者も「今回は大満足で、良い写真も撮れたよ!」と言っていました。

C-2輸送機の注目ポイント「エイカーズ」って?

 またC-2は飛行展示だけでなく、会場で地上展示しているときには機内見学を行っており、関係者限定のトレードデーではコックピット内も公開していました。見学者は実際にC-2の座席に座って、第402飛行隊の隊員が飛行中に操作する各種機器について説明を受けており、筆者も改めてコックピット周りを見ることができました。

Large 230320 c2sugoi 03飛行展示で急旋回を行うC-2輸送機(布留川 司撮影)。

 C-2のコックピットに座って一番目を引くのは、正面にあるヘッド・アップ・ディスプレイ(HUD)でしょう。これは、透明な板に飛行に必要な情報をシンボル化して表示することで、パイロットは下方の計器板に視線を落とすことなく前方を見ながら操縦ができる装置です。すでに戦闘機では定番の装備品となっており、近年では一部の旅客機でも採用されていますが、航空自衛隊の輸送機ではC-2で初めて採用されました。

 また、C-2のHUDの特徴として、赤外線カメラの映像をHUDに重ねる形で表示できる点が挙げられます。こうすることで、パイロットの視界が限られる低視程の環境下で、補助として使うことができるそうです。実際に筆者もHUDに映された赤外線カメラ映像を見ましたが、正面に駐機した別の航空機が輪郭部を強調されたように映っており、その形状をはっきりと確認することができました。

 また、C-2はそれまでの輸送機と比べて航続距離が伸びて海外渡航任務も増えていますが、その際に役立つものとして紹介されたのが、ACARS(エイカーズ)と呼ばれる端末装置です。これを使うと、ATIS(エイティス:飛行場情報放送業務)と呼ばれる飛行場情報をリアルタイムで呼び出すことができます。

快適装備があれば乗員負担も軽減!

 ATISとはその飛行場に離着陸する航空機に対して、その運航に必要な気象情報や使用滑走路などの現状をパイロットらに知らせるためのもので、本来は無線を使って音声放送で聞くことができます。ACARSを使った場合、人工衛星を介して遠く離れた海外の空港のATISを表示させることが可能なため、これが長距離の海外運航では役立つのだそうです。

 実際、見学時もオーストラリアのアバロン空港にいる状態から、その時刻の東京の羽田空港のATISを呼び出す実演を行ってくれました。

Large 230320 c2sugoi 04「アバロン2023」に参加した第402飛行隊の隊員たち(布留川 司撮影)。

 ACARS機能を備えた端末は、一般のエアラインでは普及していて珍しいものではありませんが、航空自衛隊の輸送機(旅客機ベースの空中給油機や政府専用機では装備されている)ではC-2で初めて装備されたといいます。

 ほかにも、クルーに対する飛行中の機内環境を良くするための快適装備として、電子レンジと冷蔵庫も見せてくれました。両方とも一般旅客機に装備されているものと同じですが、飛行中などに暖かい食べ物と冷たい飲み物を味わうことができるため、クルーにとっては非常にありがたいポイントだそうです。

 近年、C-2輸送機が災害支援派遣や国際共同訓練などで、海外へ飛んでいき、現地で任務に就くことも珍しくなくなっています。それは前任の国産輸送機C-1と比べて、C-2が航続距離や積載重量が大幅に増加したことが大きいのでしょうが、それ以外にもパイロットの負担を軽減し、より柔軟な運用ができる新しい装備品の存在もあると考えられます。

 今回の「アバロン2023」では、これまでの軍用輸送機では備えられていなかった各種注目ポイントがC-2にはあることを、海外の人々にアピールできたと、関係者らに話を聞くことで改めて実感できました。

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