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「私は、母親失格なのでは」 他の子どもへの“嫉妬”に苦しみ…発達障害児の母が《自分の感情》を受け入れるまで

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  • オトナンサー
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嫉妬心に苦しんだ先に見つけた「大事なこと」とは…
嫉妬心に苦しんだ先に見つけた「大事なこと」とは…

 子育て本著者・講演家の私には、25歳になる知的障害のある自閉症の息子がいます。2歳3カ月のときに、正式に診断を受けました。けれども、その事実をなかなか受け入れられず、私は「療育の鬼」と化していきました。「少しでも普通の子に近づけるように」「将来、少しでも生きやすくなるように」と、必死に関わってきました。

 しかし、現実はそう甘くはありません。定型発達の子どもたちは、年齢を重ねるごとにどんどんコミュニケーション力が育っていきます。幼稚園や保育園では、友達同士で「お手紙交換」をするような子も出てきます。私の息子も同じように努力しているのに、その差は縮まるどころか、むしろ広がっていく一方でした。

 その光景を目にするたび、胸が締めつけられるような思いが込み上げてきました。

「どうしてうちの子はできないのだろう」

「なぜ、他の子はこんなに自然にできるのだろう」

 気付けば、私は他の子をうらやましく思い、その気持ちが嫉妬やねたみに変わっていきました。そして、「こんなふうに思ってしまう私は、母親として失格なのでは」「人としてダメなのでは」と自分を責めるようになりました。

嫉妬心は自然な感情

 今、振り返れば、こうした感情はとても自然なものです。妊活をしているときに、周囲の妊娠を心から喜べないのは当たり前ですし、障害のある子を育てていて、定型発達の子をうらやましく思うのも、ごく当然なことです。

 人をうらやむ気持ちや嫉妬する気持ちは、自分の意思とは関係なく、自然に湧き上がってくるものです。「こんなふうに思ってはいけない」と否定するのではなく、「ああ、私は今、嫉妬しているんだな」と気付いてあげることが大切なのだと思います。

 私たちは「今から心臓を止めよう」とか「胃の動きを止めよう」と意識的にコントロールすることができません。脳もその一つです。だからこそ、脳が自然に生み出す「喜び」「悲しみ」「嫉妬」といった感情も、完全にコントロールすることはできません。

 例えば、妊活中に仲間の妊娠を知って「うらやましい」「くやしい」と感じたり、婚活中に出席した結婚式で新郎新婦を見て「なぜ自分じゃないのだろう」と思ってしまったり――。そんなときに「私はひどい人間だ」と自分を責める必要はありません。嫉妬は自然な心の反応だからです。

 大切なのは、湧き上がった感情を否定せずに受け止めることです。「嫉妬してはいけない」とふたをするのではなく、「私は今、嫉妬している」と認めてあげる――。それが嫉妬との健全な向き合い方です。

 発達障害の子を育てる親御さんが、定型発達の子を見て「いいなぁ」と思うのは当然のこと。その感情を否定する必要はありません。「そう思ってしまう自分もいる」と認めてあげることで、心は少しずつ軽くなっていきます。

「前向きに考える」よりも大切なこと

「前向きに考えましょう」「プラス思考でいきましょう」と言われることがあります。確かに、前向きな言葉は時に人を救います。けれども、感情はスイッチのように切り替えられるものではありません。

 無理に「前向きにならなきゃ」と思えば思うほど、それができない自分を責めて苦しくなることもあります。そうではなく、「嫉妬する自分も自然な存在なんだ」と受け止めてあげることの方が、よほど大切だと私は感じています。

 私自身、息子の成長を見守る中で、今でも時々、他の子をうらやましく思うことがあります。例えば、“孫自慢”を聞くときです。でも、「それもまた私の自然な感情なんだ」と認められるようになってからは、自分を追い詰めることが減り、ずっと生きやすくなりました。

 嫉妬をなくすことはできません。しかし、嫉妬とどう付き合うかを知ることで、心は少しずつ軽くなるのだと思います。

 私は公認心理士ではありません。それなのになぜそう感じるのかというと、私自身が現在、神経症で悩み、通院しているからです。医師に勧められて、ある自助グループに通っています。そこでよく「飛び込み台の例」が出されます。

「飛び込み台が怖い人は、どの選択がよいでしょうか。
逃げる。
『怖くない、怖くない』と言い聞かせる(はからい)。
怖いまま飛び込む(不安を抱えながら行動する)。
答えは――『怖いまま飛び込む』です」

 つまり、不安をなくそうとすればするほど、意識はかえって「怖い」という感情に向かってしまうのです。これを「精神交互作用」または「反対観念」と呼びます。

 嫉妬の感情も、これと同じだと思います。なくそうともがくほど強く意識してしまう。だからこそ、「あるもの」として受け止めていくことが、心を楽にする第一歩なのだと思います。

子育て本著者・講演家 立石美津子

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