ホンダがガチで考えた「セールスをしないショールーム」そのスゴさって? 謎の水が飲み放題、3月で閉鎖
- 乗りものニュース |

ホンダ本社にある「Hondaウエルカムプラザ青山」は、「セールスをしないショールーム」の先駆けとして知られていましたが、3月末に休館しました。どのような施設だったのでしょうか。
創業者の願いが込められた施設だった
2025年3月末で休館した「Hondaウエルカムプラザ青山」は、ホンダ本社のあるHonda青山ビルの1階にありました。この本社機能も5月で終了する予定です。終了後は建て替えが行われ、2030年度の完成を目標としていますが、同ビルはクルマとバイクをはじめ、モビリティを造る会社の本社らしいこだわりに溢れるビルだったことで知られています。「セールスをしないショールーム」の先駆けだったからです。
クルマやバイクが置かれていたHondaウエルカムプラザ(画像:ホンダ)
1985年に2代目の自社ビルとして建設された青山ビル。会社の自社ビル、しかも本社機能があると聞くと、業務に必要な機能を効率的にまとめた場所――そんなイメージがあるかもしれません。確かに本社ビルとして必要な機能を有していますが、それ以外の機能と気使いに溢れる今までにない施設といえるものでした。
1階のHondaウエルカムプラザ青山がその最たる例でしょう。約39年前、創業者の本田宗一郎さんや、当時の副社長である藤沢武夫さんが「製品及び企業姿勢の発信の場」、「誰でも気軽に立ち寄れる憩いの場」というコンセプトのもと、作り上げた場所です。
当初、1階スペースは貸し出し商業施設を入れる予定でしたが、これに反対したのが当時のナンバー1とナンバー2でした。特に宗一郎さんは「ソバ屋の出前持ちの兄ちゃんが、出前の途中にちょっと立ち寄れる。そんな場所にして欲しい」という考えをもっていました。そうした願いから作られたこの施設は、新製品や新技術の紹介はするものの、誰もが気軽に入ることができる「セールスをしないショールーム」となった訳です。
誰もが気楽にというのは宗一郎さんが特にこだわった点で、入口がギリシャ彫刻を思わせ荘厳すぎると、現在の形状に変更したエピソードがあるほどです。
2020年からは「ワイガヤ」の思想を取り入れたカフェに
宗一郎さんの死後も同氏が創ったホンダイズムは受け継がれ、2020年からはショールームの枠からも飛び出します。ホンダの社内では基本となっていた「ワイガヤ」を様々に人に周知してもらうため、「ブランド発信拠点」といった形は維持しつつカフェスペースを設け、クルマ・バイクの情報のみならず、人々の話し合いの場としての提供を考えました。
「Hondaウエルカムプラザ青山」及びホンダ本社の外観(画像:ホンダ)
「ワイガヤ」とは、夢や仕事のあるべき姿について、年齢や職位にとらわれずワイワイガヤガヤと腹を割って議論する、創業時からホンダが大切にしてきた企業文化です。そのような場所を来客にも提供するため、カフェ以外にも、充電スポットやフリーWi-Fiの設置など、働く人々にも優しいサービスの充実をはかりました。
前述した正面玄関以外にも宗一郎さんのこだわりがありました。同ビルの外観ですが角が丸くなっているのが大きな特徴でした。このビルは交差点に面しているものの、やや奥まった場所見建てられているのも大きな特徴です。これは意図的なもので、交差点を行きかう人やクルマの死角にならないように、「交通事故の可能性を可能な限り少なくするために……」といった思いが込められています。
そしてオフィスビルとしては珍しくバルコニーのあるのも特徴的なポイントです。これは単純に窓を取り付けただけでは、地震の際にガラスが落下してしまうからという配慮が現れたもので、バルコニーは避難階段にも繋がっています。
「宗一郎の水」と呼ばれるものがあった!?
ほかにも、地震を始めとした災害時の備えとして、ビルの地下にカナダ産ヒバの大樽2つに飲料水が貯水されていて、災害時の飲料水としても役立つように考えられていました。なお、カナダ産ビバを使用したのは、カルキ臭さを取ることができるからです。ちなみにこの水は「宗一郎の水」と呼ばれ、災害時以外にも来場者が自由に飲める水となっていました。
かつて提供されていた「宗一郎の水」(画像:ホンダ)
働く環境としてのこだわりもあります。オフィススペースには柱がなく広々とした印象になっています。これは、ホンダのM・M思想(マン・マキシマム/メカ・ミニマム)が現れたもので、「人のためのスペースは最大に、メカニズムのためのスペースは最小に」というホンダのクルマ造りへの理念が本社ビルにも用いられているのです。
ほかにも多くのこだわりがありますが、交通事故への配慮や災害時に人に危害を加えることなく、人の役立つようなこだわりは自動車メーカーらしいこだわりが溢れていると感じさせられます。
そんなHonda青山ビルはこれから建て替え工事をし、2030年度の完成を予定しています。これまでのビルが持っていたHondaフィロソフィーやMM思想は継承していくそうです。そこに、環境・安全・対話・発信・持続・調和の6つの思想を取り入れたものにしていくとのこと。ホンダの環境技術を採用したり、事業変化に対応できるフレキシブルな設計を採用するそうです。
約5年間、Honda青山ビルとはしばしのお別れですが、5年後どんなふうにホンダのこだわりが溢れたビルとして進化して帰ってくるかを楽しみに待っておきましょう。
実は損している?
ニュースを読んでポイントが貯まるサービスがあるのを知っていますか?ポイントサイトのECナビでは好きなニュースを読んでポイントを貯めることができるのです。(※ECナビはPeXの姉妹サイトです。)今日読んだニュースが実はお小遣いになるとしたら、ちょっと嬉しいですよね。
ポイントの貯め方はニュースを読む以外にも、アンケート回答や日々のネットショッピングなど多数あるので、好きな貯め方でOK!無料で登録できてすぐに利用できます。貯まったポイントはPeXを通じて現金やAmazonギフトカードなどに交換できます。
運営実績も15年以上!700万人以上の方がポイントを貯めています。毎日好きなニュースを読んでお小遣いを貯めてみませんか?
簡単無料登録はこちらYOUの気持ち聞かせてよ!
いいね | ![]() |
|
---|---|---|
ムカムカ | ![]() |
|
悲しい | ![]() |
|
ふ〜ん | ![]() |
