自宅の留守電メッセージにいちいち胸キュンしてた90年代 「携帯ひとり1台」の今から振り返る
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根強かった家での留守電文化
PHSや携帯電話が普及し始めた1990年代に東京の大学生だった筆者(星野正子。20世紀研究家)は、当時の様子をよく覚えています。
「携帯電話を買ったから、ひとり暮らしだけど家に電話を引かない」というのは、当時少数派。「そんなことをして、もし電話がつながらなかったらどうするの」なんていう声もありました。

家で留守電を聞くことと携帯電話がつながらない可能性をてんびんにかけるなんて、今考えるととってもおかしいことですよね。
携帯利用料金の平均額は6401円
現在、携帯電話は三大キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)のほか、格安SIMも盛んですが、皆さんは毎月どれくらいの料金を払っているのでしょうか。
2019年にソニー生命保険(千代田区大手町)が20~69歳の男女1000人を対象に調査を行ったところ、毎月の利用料金の平均額は6401円で、年代別に見ると20代が最も高い7320円となっていることがわかりました。

今やスマートフォンは「フォン」とは名ばかりで、電話以外に使うケースがほとんどです。LINEなどのアプリを使えば、国内どころか世界の人たちと無料で通話することができるのに、それでも「電話料金が高い」と考える人が多いのは、なんだか不思議な印象を受けます。
NTTが最初に携帯電話サービスを始めた1979(昭和54)年。その基本料金だけで3万円もしていたので、実のところ料金は随分安くなっているのです。
1994年に始まった価格戦争
固定電話に取って代わり携帯電話が圧倒的に普及し始めたのは、言うまでもなく基本料金が値下げされたからです。
もともと携帯電話は、電電公社の独占事業でした。しかし、NTTに民営化したことで市場の自由化が始まります。

まず、1988(昭和63)年にIDO(日本移動通信。現KDDI)が市場に参入。このときの基本料金は1万2000~1万3000円でした。さらに1994(平成6)年になると、東京デジタルホン(現ソフトバンク)とツーカーセルラー東京(現KDDI)が参入。どちらも基本料金は、7300円でした。
こうなると各社とも値下げを行い利用者を確保しつつも、増えた利用者から得る収益を使って次々と設備投資を行い、「つながりやすさ」をアピールすることになります。
NTTドコモの場合、1994年10月に最低7400円だった基本料金は、翌1995年6月に6900円に。さらに10月には5800円へ値下げしています。1995年には携帯電話よりも安価なPHSが登場しているので、各社ともに利用者の確保に必死だったのでしょう。
そして携帯電話とPHSの価格が安くなると、人々の意識は次第に
「固定電話は、もういらなくない?」
と変化するようになったのでした。
電話加入権の思い出
電話を自ら所有するきっかけと言えば、進学や就職などでひとり暮らしを始めるときです。炊飯器やテレビと並んで、固定電話機は当時まず買わなければなりませんでした。
ところが、電話はかつて炊飯器やテレビよりもはるかに高額なものでした。自宅に固定電話を持つためには、NTTの電話加入権を買わなければならなかったのです。

これは、電電公社時代に全国に電話線を敷くための工事費用という名目で利用者が負担するものでした。現在は3万6000円(ひかり電話は不要)ですが、2005(平成17)年までは7万2000円でした。
ひとり暮らしの家賃1か月分くらいの高額でしたが、電話加入権を買い取って転売する業者も存在していたので、実際にはこの金額よりも安く得ることができました。
このように電話加入権は価値があったため、ひとり暮らしの学生にとって「いざというときの財産」でした。仕送りの日までお金がないとき、加入権を質に入れてお金を借りることもできたのです。
電話は「ひとり1台」の時代へ
そんな高額な電話加入権も、携帯電話とPHSの普及で瞬く間に必要性は失われます。
利用者が増えたことで、前述の「もし電話がつながらなかったらどうするの」という心配も薄れ、電話は一家に1台から、ひとり1台へと変わっていきました。

今や固定電話は、どこの家庭でも「取りあえず持っている」程度のもので、鳴ることもあまりないでしょう。
しかし家に帰ってから留守番電話のランプを見て、何かメッセージが吹き込まれているのに気づき、「もしかして……」とうれしい知らせを期待したあの頃は、今にない「胸キュン」であふれていたのではないでしょうか。
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