【歯医者】後悔しない選び方は？　歯科医師が教える　5つの“チェックポイント”

　歯の治療に不満を持ち、歯科医院を変更したいと考えたことはありませんか。また、引っ越す場合、違う歯科医院に転院しなければならないケースもあります。

　これらのケースの場合、どのような基準で転院先の歯科医院を選んだらよいのでしょうか。後悔しない歯科医院選びのコツについて、ヨコデンタルクリニック（千葉県佐倉市）・院長で歯科医師の横引良評さんに聞きました。

チェックすべきポイントは5つ

Q.「引っ越すことになり、今まで通っていた歯科医院に通うのが難しい」「治療方法に不満がある」などの理由で歯科医院を変更したい場合、どうすればよいのでしょうか。転院先の歯科医院を選ぶ際のコツについて、教えてください。

横引さん「多くの歯科医院の中からご自身に合う病院を見つけるには、歯科医院のホームページや公式SNSアカウントのページなどで情報収集をして比較検討すると良いです。今回は歯科医院選びのコツとして、事前にチェックしていただきたい項目を5つ紹介します。次の通りです」

（1）歯科医師の人柄
歯科医師と患者は人同士なので相性の良しあしがあります。「治療に重きを置いているのか」「患者とコミュニケーションを取りながら治療を進めていくのか」など、歯科医師がどのようなタイプなのか調べてみるとよいです。

治療の説明が丁寧で、分かりやすく話をしてくれる歯科医師であれば、不安を取り除いてから治療を開始できます。

（2）技術や専門性
虫歯や歯周病の保険治療を行うだけでなく、インプラントや矯正などの自費診療を専門分野としている歯科医師もいるため、もし専門的な治療を希望している場合は事前に調べましょう。

自費診療は歯科医院によって料金が異なるほか、基本的に高額となるため、よく比較し、検討することをお勧めします。

（3）設備が充実しているかどうか
歯科医院によって、設備が異なります。例えばレントゲンだけでなく、CT（コンピューター断層撮影）の装置があると立体的な写真が撮れるため、親知らずの抜歯やインプラントなどの治療が可能かどうかを判断できます。

（4）衛生面への配慮が十分かどうか
歯科医師は複数の患者の治療を行うため、きちんと衛生管理を行えていない場合は感染リスクが高まってしまいます。そのため、治療前後に滅菌や殺菌を十分に行っているかは重要なポイントです。

（5）通いやすいかどうか
歯科医院は定期的に通う場所なので、自宅や勤務先から近い医院を探すと思います。電車やバスなどの公共交通機関を利用する場合は駅から近いのか、自動車で通う場合は駐車場があるのかを確認すると良いですね。

Q.このほか、「治療中かどうか」「前の歯科医院で行っていた治療内容」によって選び方は、大きく異なるのでしょうか。

横引さん「治療中かどうかよりも、治療内容により選び方が変わります。虫歯や歯周病の治療を行っていた場合は、転院しても診療してくれる歯科医院は多いですが、インプラントや矯正など専門性の高い治療を受けていた場合は、当該の治療に対応した歯科医院を新たに探す必要があります」

Q.歯科医院を選ぶ際にやりがちな失敗例について、教えてください。

横引さん「治療を中断している期間が長いと、転院先でまた治療をやり直さなければならなくなるかもしれません。虫歯治療中でかぶせ物をセットする前の仮詰めのほか、抜歯後の仮歯などを付けたままだと、取れてしまう可能性があります。虫歯治療の場合はきちんと治療が終わってから転院できるように、歯科医師と相談しながら治療を進めると良いですね」

Q.歯科医院に通っていて、「歯の治療の際に詰めてくれた詰め物がすぐに取れた」「医師がしっかり歯の状態をチェックしているのか不安」など、何らかの違和感を覚えた場合、どう対処すればよいのでしょうか。

横引さん「歯科医師に歯の状態をきちんと説明してもらえれば、不安が解消されると思いますので、まずは医師に質問や相談をしていただきたいです。それでも違和感が拭えない場合は、セカンドオピニオンとして他の歯科医院へ行ってみてはいかがでしょうか。自分に合う歯医者を見つけるための転院は悪いことではないので、気になる歯科医院があったら足を運んでみても良いと思います」

Q.歯の定期健診は年に何回程度受けたらよいのでしょうか。

横引さん「基本的には、1～3カ月ごとの定期健診をお勧めします。なぜなら歯磨きでは落とせない歯の汚れが残っていると、虫歯や歯周病の進行を早めてしまうためです。歯科医院で歯石を除去してもらうことで、虫歯や歯周病の予防につながります。

中でも、虫歯ができやすい人や入れ歯の人、歯の本数が少ない人、50代以降の人は、今より状況を悪くしないためにも1カ月に1度は定期検診に行くと安心です。

しかし、中には頻繁に通えない人もいると思います。そこで、歯科医師と相談しながら無理のない範囲で通っていただきたいです」

オトナンサー編集部

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