例えるなら京急の「ダァシエリイェス」!? 護衛艦で飛び交う「謎の言葉」現役の海上自衛官どう聞き分けている?
- 乗りものニュース |

リハーサルが「立付(たてつけ)」? 独特すぎる海上自衛隊のコミュニケーション
海上自衛隊では、日々“謎の言葉”が飛び交っています。有名なところだと、数字の「1、2…」を「ひと、ふた…」と発音したり、リハーサルを「立付(たてつけ)」と呼んだりします。たて…つけ…?
海上自衛隊の護衛艦。その艦内では独特な言葉が飛び交っているのです(画像:写真AC)
しかし、そんな「わかりやすく、わかりにくい」言葉の中に、一般の我々も使う言葉ながら、ビミョ~~に意味が伝わらない独特の言い回しがあります。今回はそんな海上自衛隊の「方言」をいくつかご紹介します。
まずは「行動」です。一般的には「何かをすること」といった意味で使いますが、海上自衛隊では航海のことを「行動」と呼ぶことがあります。
用例としては「今回の行動中にパンツが足りなくなってさ」といった具合です。海自の艦艇が航海するということは単なる移動ではなく、何かしらの訓練や任務などの目的があります。そのため「行動」と呼ぶんですね。海上自衛隊の公式な文書でも「災害派遣に基づく行動」などの言い回しが見られます。
日常的な動作では「よろし」という言葉もあります。「よろし」と聞くと、花札の「あかよろし」を思い浮かべる人もいるかもしれません。あまり一般的な言葉ではありませんが、海自では「問題なし」「異常なし」といった意味で使われます。
「カレー!」に聞こえてしまう謎言語の正体とは
海自で独特の言い回しに「別れ(わかれ)」という号令があります。これは「解散」という意味で使われます。作業中の隊員たちに「別れ!」の号令がかかれば、「ここで解散」ということ。わずか三文字で実に無駄がありません。
海上自衛隊の名物といえばカレー。写真は第42掃海隊の昆布出汁から作るチキンカレー(画像:海上自衛隊)
この「別れ」に似た言葉として「かかれ」という言葉もあります。こちらは「取りかかれ」の意味です。「作業、かかれ!」と言われれば、「作業を始めましょう」ということになります……が、このふたつ、なんだか発音が似ていませんか?
海上は波や風の音で、声がかき消されやすい環境です。そのため、言葉や号令が短く聞き取りやすいものへと変化してきた歴史があります。数字の「1(いち)」を「7(しち)」と聞き分けられるように、「ひと」と呼ぶようになったのもそのためです。
では「かかれ」と「別れ」は、どうやって聞き分けるのでしょうか。私の夫で海上自衛官のやこさんに聞いたところ、「別れ」は「わ」を、「かかれ」は「かれ」の部分を強調して発音するので、聞き間違えることはないそうです。ただし「かかれ」については、文頭の「か」を略しすぎる隊員もいるのだとか。
すると、京急線で有名な「ドア閉まります」の号令が「ダァシエリイェス」と独特な節回しになるのと似た現象が起こり、「かかれ」が「カレー!」に聞こえてしまうことも。海自カレーの聖地で突然「カレー!」と叫ぶ愉快な隊員の爆誕です(もちろん隊員たちは全員意味がわかっているのでご安心を)。
これらの号令を停泊中の艦艇を見学する広報では聞く機会はありません。しかし、体験航海など、隊員の実際の現場を見学できる場なら聞けるかもしれません。個人的におすすめなのは、出入港前後の艦橋でのやりとりです。言うまでもなく人気の見学ポジションなので、もし今後、体験航海を初体験される方がいましたら、ぜひ艦橋での見学をおすすめします。
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