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「うぉ、あっぶね!」 3車線道路の「左右から同時に車線変更」どっちが譲るべき? 弁護士の見解は

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  • 乗りものニュース
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法律上の「車線変更」の定めとは?

 高速道路などの片側3車線以上の道路では、左車線のクルマが中央車線に車線変更しようとしたところ「うぉ、あっぶね!」――同じタイミングで右車線からも中央車線にクルマが入ってきてヒヤリとすることがあります。左・右とも「車線変更時の死角」的なこともあり、結構危ない場面ですが、道交法ではどちらが道を譲るのが正しいのでしょうか。

Large figure1 gallery4右から中央車線に入ろうとしたら左車線のクルマが先に入って行った(画像:写真AC)

 素人考えでは「先に正しくウインカーを出したほうが優先」「より前に進んでいたクルマのほうが優先」とも思うのですが、道路交通法の定めについて、ベリーベスト法律事務所・小川達也弁護士に聞きました。

 小川弁護士はまず、「車線変更」の道路交通法のルールをこう解説してくれました。

「高速道路でも、車線変更には一般道と同じ進路変更のルールが適用されます。主なものは26条の2第1項の『むやみに進路を変更してはいけません』、同条2項の『進路を変えると、変更先の車線を後ろから来るクルマに急ブレーキや急ハンドルをさせるおそれがあるときは、進路を変更してはいけません』といったものです。

 もちろん、車線の境界に黄色の線がある区間では、進路変更が禁止されていますし(同条3項)、進路を変えるときは、約3秒前から合図を出し、変更が終わるまで続けなければなりません(53条、施行令21条)。

 さらに、左側の車線を走るのが原則です。片側3車線以上の道路では、速度に応じて一番右以外の車線を走ることができます。一番右の追越車線を走れるのは追い越しのときなどに限られ、追越しが終わったら左の車線に戻る必要があります(20条)。追越車線を走り続けると、通行帯違反になります」(小川弁護士)

左右から中央車線への変更は「どちらが優先」という定めはない

 ここまでの「車線変更」のルールは多くのドライバーがおおむね理解していることでしょう。しかし、表題の「同じタイミングで左右の車線から中央車線に入る」場合、どちらが優先されるべきなのでしょうか。

 小川弁護士に聞いたところ、「結論から言うと、法律上どちらが優先という定めはありません」という意外な答えでした。

「『進路変更のルール(26条の2第2項)』が目的としているのは、変更先の車線を後ろから走ってくるクルマとの関係です。左右から同時に中央車線へ移ろうとする2台は、どちらもまだ中央車線にいないため、この規定では優先関係が決まりません」(小川弁護士)

いや待て、「左車線が原則」ならば右車線のヤツは…?

 ただし、気になるのが先の解説にもあった「左側の車線を走るのが原則」というルール。「右車線」はあくまでも「追い越し」のためであり、この点がどうなるかが気になります。

「一般的な左方優先は、信号のない交差点でのルール(36条)であり、上記車線変更には当てはまりません。また、右の追越車線の車は、追い越しが終われば戻るべき立場にあります。しかし、だからといって中央車線に先に入る権利があるわけではありません。

 さらに、先にウインカーを出したからといって、優先権が生まれるわけでもありません。つまり両者は対等な立場で、どちらも相手の進路を妨げないよう注意する義務を負います」(小川弁護士)

 そのため、接触事故になれば、原則として双方に過失があるとされるのだそうです。

「そのうえで、どちらが先に合図を出したか、先に車線に入り始めていたか、合図を出さずに急に進路を変えていないかなどの、個別事情で責任の重さが調整されます。なお、一方のクルマが先に中央車線に入り終えていれば、後から入ろうとする車は、中央車線を走るそのクルマに急ブレーキなどをさせるおそれがある限り、進路変更をしてはいけないことになります」(同)

目視での確認と、双方の特性も意識しての車線変更を

 言い換えれば、同じタイミングの車線変更では「先にウインカーを出していた」などで、優先順位が生まれるわけではないものの、万一の接触事故の際には、そのことも責任の重さに反映されるということのようです。

Large figure2 gallery5車線変更の際はミラーなどの確認だけでなく、必ず目視での確認も(画像:写真AC)

 結構危ない場面である一方、道路交通法的にはなかなか微妙な建て付けでもあると感じましたが、肝心の車線変更の際の心がけについても小川弁護士はこう話してくれました。

「変更先の中央車線だけでなく、その向こう側の車線も確認してください。向こうの車線から中央車線に入ってくるクルマは、見落としやすい存在です。事故を防ぐにはミラーだけでなく、目視でも確認することを意識してください。

 合図は早めに出し、出したらすぐに動かず、一呼吸おいて周りの反応を見てください。向こう側の車線のクルマも中央車線へ移ろうと合図を出しているときは、進路変更をいったん見送ってください。どちらかが譲れば事故は防げます」(小川弁護士)

 全くもっておっしゃる通りですが、最後に、左右双方の車線の特性も含めて意識すると事故防止効果がアップするとアドバイスもくれました。

「追越車線(右車線)から中央車線に戻る車は、追い越した車のすぐ前に入らず、十分な車間距離を取ってから戻ってください。また、左車線は、合流してくる車を避けるために中央車線へ出ることも多い車線です。中央車線や右車線を走るときは、左から車が出てくる可能性を意識しておきましょう。

 同時に寄ってしまったと気づいたら、急ブレーキや急ハンドルは避け、無理に進路変更を続けず、周囲の安全を確認しながら進路変更を中止することが大切です」(小川弁護士)

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