「気付いたときには手遅れ」 夏に陥りやすい“脱水症状”の恐ろしさ&対処法とは?
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夏は暑さで汗をかきやすく、脱水症状に陥りやすいため、注意が必要です。SNS上では「脱水症状は怖い」「気付かぬうちに脱水症状になる」「脱水症状に気付いたときにはもう手遅れ」「脱水症状の対処法を教えて」という声があるだけでなく、「脱水症状と熱中症の違いは?」という内容の声も上がっています。
脱水症状とみられる状態になった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。脱水症状の際に生じる体の変化や、脱水症状と熱中症の違いなどについて、薬剤師の真部眞澄さんに聞きました。
口が異常に渇く場合は要注意
Q.そもそも、脱水症状とはどのような状態のことを指すのでしょうか。
真部さん「脱水症状とは、体の中の水分である体液や、電解質であるナトリウムやカリウムなどのミネラルが不足して、体の機能がうまく働かなくなる状態を指します。『口が異常に乾く』『ふらついて疲れやすい』『尿の色が濃くなったり、尿の量が少なくなったりする』などの症状が出るのが特徴です。
脱水症状を放置するとめまいや立ちくらみ、さらにひどいと意識障害を起こしてしまうでしょう。また、手の甲の皮膚をつまんで3秒以上戻らなければ脱水の可能性があります」
Q.外出時や室内にいるときに脱水症状とみられる状態になった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。
真部さん「対処法としては、冷却と休息、水分補給を行うことです。屋外にいる場合は日陰、室内であれば冷房が効いた部屋で休みながら、首の両脇、脇の下、太ももの付け根を冷やしてください。動脈が通っているため、冷やすと血管内の血液が一気に冷やされて全身を巡り、効率的に体を冷やすことができます。
何か食べられる程度まで改善したら、バナナやスイカなどのカリウムを含む果物を少しずつ食べるとよいでしょう。さらに、脱水症状の際は水だけでなく電解質を取ることも大切なので、『飲む点滴』といわれている経口補水液などを飲んで対処するのがお勧めです。
経口補水液は普段、しょっぱくておいしく感じませんが、脱水のときはおいしく感じます。経口補水液がなければ、塩分入りのスポーツドリンクを飲むとよいでしょう。アイススラリーという塩分入りのスポーツドリンクを凍らせてシャーベット状にしたものもお勧めです。液体よりも素早く体の中の体温を下げてくれるため、厚生労働省も推奨しています。
しかし、経口補水液やスポーツドリンクは塩分と糖分が豊富なので、高血圧の人や糖尿病の人、腎機能が低下している人、食事指導を受けている人は注意が必要です。これらに該当する人はあらかじめ医師に相談しておくと良いかもしれません」
Q.脱水症状の際に水分を摂取するときの注意点はありますか。
真部さん「脱水症状のときは『水分だけ』あるいは『塩分だけ』摂取しても足りず、電解質とのバランスが重要になります。電解質は体の中の水のバランスや神経、筋肉の動きに必要な成分のため、電解質が出ていってしまうと筋肉の働きにも影響が出てしまうのです。水や多くのお茶は電解質を含んでいないため、脱水症状のときにたくさん飲むと、かえって体液を薄めてしまう可能性があり、お勧めできません。さらに、お茶の場合は利尿作用も相まって、体からどんどん水分が出ていってしまい、さらに脱水を進めてしまう可能性があります。
経口補水液やスポーツドリンクがない場合は、麦茶がお勧めです。麦茶は電解質を含んでおり、軽い水分補給になります。特に子どもがいる場合は、ぜひ麦茶を常備しておいてください。しかし、大量の汗をかいた後は麦茶では足りないので、塩分を含んでいるスポーツドリンクなどを飲むとよいと思います。
スポーツドリンクは、事前に飲んでおくことで深部体温の急激な上昇を抑えることができるため、汗をかいた後に飲むよりも運動をする前に飲むと良いでしょう」
Q.ちなみに、「脱水症状のときは塩をなめるとよい」という話を聞くことがありますが、問題はないのでしょうか。
真部さん「塩をなめるだけというのは、あまりお勧めしません。なぜなら、先述のように脱水症状のときは、水分だけの摂取や塩分だけの摂取では足りず、水と電解質のバランスが重要になるからです。脱水症状は水不足ではなく、水とミネラルのバランス不足なので、その点を改善するのが重要です。
塩をなめるだけだと、喉が渇いて水をたくさん飲みがちになります。すると、水と電解質のバランスがさらに崩れてしまうリスクがあるのです。脱水症状のときは、経口補水液を摂取するのが一番効果的でしょう」
脱水症状と熱中症の違いは?
Q.脱水症状は熱中症と何が違うのでしょうか。
真部さん「脱水症状と熱中症との違いですが、脱水症状は体の水分や塩分が大量に外に出てしまい、不足している状態を指します。風邪による高熱や嘔吐(おうと)、下痢がひどい場合などでも起こります。
一方、熱中症は、暑さによる深部体温の上昇が原因で起こります。そのようなときは大抵、脱水症状も起きているため、脱水症状は熱中症の引き金になります。熱中症の場合はすぐにめまいや頭痛、吐き気、意識障害などが起こります。脱水症状も含んでいるため、症状が重くなりやすいです。命に関わるような重度の症状になるまでの移行も早いので、注意してください。
脱水症状は熱中症の原因の一つなので、脱水症状に気付いたら、悪化する前に速やかに症状を改善させるための対応をしてほしいと思います。
体は電解質を多く含む体液で生命維持をしており、体液には酸素や栄養素を細胞に運び、老廃物を体の外に出して体温調節や新陳代謝を促すという役割があります。大人だと体重の約60%が体液で、子どもの場合はさらに多く、体重の約80%が体液といわれています。そのため、特に子どもの場合は小まめに水分補給をしないと、熱中症になりやすいので注意しましょう。
また、一度熱中症になった人も再び熱中症になりやすいので注意が必要です。予防策が不十分だったり、筋肉量が少なかったり、汗をかきにくかったりする人が脱水症状や熱中症になりやすくなります。筋肉は約75%が水分なので、筋肉量が少ない人は体内にあまり水分を蓄えられず、脱水症状になりやすいです。
さらに、常に汗をかきやすい人はしっかりと体温調節ができますが、汗をかきにくい人は体温調節が難しく、熱中症になりやすいので注意してください。
日頃から水分補給と塩分補給を心掛けるとよいと思います。特に高齢者や乳幼児は、本人が熱中症の自覚がないことが多いので、普段から小まめに水分補給をするのが望ましいです。
なお、体を冷やしたり水分補給をしたりしても症状がよくならない場合は、すぐに受診してほしいと思います」
オトナンサー編集部
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